昨年の岩手国体・障害者スポーツ大会を機に、県内で障害者のスポーツや芸術活動が注目を集めている。3日の県障害者スポーツ大会には、従来より約100人多いボランティア401人が参加。芸術活動も国体に合わせて開催した「アール・ブリュット・いわて」をきっかけに活発化しており、県は本年度、活動の課題解決に向けた本格的な支援を始める。関係者は、障害の有無にかかわらず人生を楽しめる本県発のノーマライゼーション進展に手応えを見せ、2020年の東京五輪などに継承を図る。
3日、盛岡で大会
第19回県障害者スポーツ大会(県など主催)は3日、盛岡市みたけの県営運動公園など3会場で開かれ、選手約1600人が出場。選手の誘導など運営の補助に当たるボランティアにも高校、専門学校生ら401人が登録した。
県障害者スポーツ協会によると全国障害者スポーツ大会があった昨年を除けば例年300人弱で、約100人増えた。
県、創作や発表サポート
県内では長年、民間主体の公募展「いわて・きららアート・コレクション」を開いているが、昨年は岩手国体に合わせ、県などが「アール・ブリュット・いわて」を開催。障害者の芸術活動に一層光が当たった。
県は、障害者芸術活動支援事業(610万円)と、いわてアール・ブリュット魅力発信事業(940万円)を本年度当初予算に計上。支援者向けの講演会やワークショップを開いて人材育成に取り組み、発表の場を増やすため県内4カ所で巡回展示会を開く。
【写真=全国障害者スポーツ大会で選手をサポートしたボランティア(左の車いすを押す女性)。同大会を機に、障害者スポーツを支える若者が増えている=
昨年10月23日、盛岡市みたけ・県営運動公園陸上競技場】
(2017/06/02) 岩手日報