ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

発達障害者の声は届かない~再び潜在化させられる当事者

2017年12月13日 11時28分38秒 | 障害者の自立

■発達障がい者支援-精神科診療所に期待すること

12/14に、大阪で「発達障がい者支援-精神科診療所に期待すること」と題するフォーラムがあり、僕も登壇することになっている(「発達障がい者支援-精神科診療所に期待すること」 2017年12月14日(木) 19:00~21:00)。

これは、(公社)大阪精神科診療所協会という精神科開業医の先生方の組織主催で、ドクター以外にも、僕(ソーシャルセクター支援者)や広野ゆいさん(NPO法人DDAC代表)など民間支援者や当事者もいっしょになって登壇する。このようなイベントは比較的珍しいと思う。

進行の大久保圭策さんや西川瑞穂さんは、大阪ではよく知られた開業医で、また発達障害治療に対して先験的だったことでも知られる(医師業界では発達障害治療について、つい最近までそれほど前向きではなかった)。

だから、医者の先生方主催で、僕のようなマイナーな支援者や、まさに発達障害当事者としてピアグループの集まりなどにも取り組んできた広野さんがいっしょに登壇することは、画期的といえば画期的だ。

■発達障害独特の発見の遅れと障害受容の困難さ

が、こうしたイベントとは別に、発達障害当事者はどんどん年齢を重ねている。また、年齢を重ねながらうまく社会参加できた人、なかなかできない人、さまざま動きがある。

僕が「住吉区子ども若者育成支援事業」(tameruカフェ)において週一面談支援するだけでも、かなりの当事者の苦しみを実際知っているのだから、大久保先生や西川先生や広野さんのもとにやってくる多くの当事者の人々の悩みと苦しみと憤りと苦悩は、この問題とあまり親和性のない一般の方々の想像をはるかに超えている。

成人の発達障害の方は、多くの場合それまで不登校やひきこもり状態にあったとしても、そのことと発達障害が結びつかない。不登校とひきこもりが直接つながる出来事は、いじめだったり鬱だったり強迫障害であり、発達障害に詳しくない普通の医療者からすると、そのあたりの診断名ですませる。

また、発達障害に関心ありすぎるカウンセラーや教師たちは、拙速にそのことを伝えてしまい、当事者や保護者の反発を呼び、結果的に当事者が自分の生きづらさを「発達障害」として受け入れることが何年も遅れる。

このような、発達障害独特の発見の遅れと障害受容の困難さは、この問題がクローズアップされた10年以上前からおそらく変わらない。

■顕在化できたのに人為的に再び潜在化させられた当事者

若者支援NPOからすると、行政委託事業で動ける主たる分野は「就労支援」であり、そこ(主として地域若者サポートステーション)にいる専門家(主としてキャリアカウンセラー)は発達障害の知識が薄いため、適切な支援ができない。

知識のないNPO支援者は、当事者を鬱や単なるひきこもりと位置づけ、関心はあるものの支援体験を重ねていないNPO支援者は、なんでもかんでも発達障害として決めつけ(多くは「発達凸凹」といわれるグレーゾーン)、ある種暴力的に「告知」してしまう。

このようなことが原因で、勇気を振り絞ってサポステに行ったとしても再び潜在化(ひきこもりやニート)してしまうケースは今も後を絶たないはずだ。

これはかなり深刻な問題だと思う。

現在、発達障害や発達凸凹は当たり前すぎて、たとえばサポステからはみ出てしまった当事者はあまりスポットライトを浴びない。「その問題はわかった、わかったからあなたなりに努力しなさい」と社会が囁いているように僕には思える(「貧困支援」の社会的ブームがそれを後押ししている)。

現在30代後半や40代になってどこの支援施設にも関わらず(以前は関わっていた)、細々と生きている当事者を見ていると、「顕在化できたのに人為的に再び潜在化させられた当事者」の代表が発達障害当事者のように僕には思える。

発達障害者の声はなかなか社会に届かない。それはずっと潜在化させられているわけではなく、発見されたものの、ある意味人為的に再潜在化させられている。いま、その方々が40才に次々となっている。


賃金未払いのまま障害者112人解雇の法人が破産 手続き開始決定

2017年12月13日 11時15分57秒 | 障害者の自立

 障害者が働きながら技能を身に付ける就労継続支援A型事業所を運営していた広島県福山市の一般社団法人「しあわせの庭」が、経営破綻のため障害者112人を解雇した問題で、同法人が広島地裁福山支部から破産手続きの開始決定を受けたことが12日、広島県への取材で分かった。決定は8日付。同法人の代理人弁護士によると、負債総額は約2億8千万円。

 福山市などにある事業所で、障害者がパンの製造や包装作業に当たっていたが、経営が軌道に乗らなかった。11月に事業所を閉鎖し、賃金未払いのまま利用者を一斉に解雇した。

 県は8日、同法人へ支給予定だった10月と11月分の給付金計約1200万円を、利用者への賃金未払い分に充てる方針を示した。

2017.12.12      産経ニュース


相模原事件から1年、障がい者の心に残る傷跡

2017年12月13日 10時57分20秒 | 障害者の自立

2016年7月に神奈川県相模原市の知的障がい者施設「津久井やまゆり園」で起きた大量殺人事件。この事件は、被害者やその関係者だけでなく、報道を見ていた障がい者の心にも、深い傷跡を残したようだ。300人以上の障がい者へ事件の印象を聞いた調査では、報道について「関心を持って見ていた」と答えた人が86%に及んだ。障がい者の声の一部を紹介する。

障害者差別解消法が施行されて1年以上が経つが差別・偏見は改善されたとは言えない

同事件は、元施設職員だった26歳の男が津久井やまゆり園に侵入し、入所者19人を刺殺、26人に重軽傷を負わせた。犠牲者の数の多さから戦後最悪の殺人事件として世間を騒がした。容疑者の男は、警察の取り調べに対して、「障がい者は生きている意味がない」という趣旨の供述をし、波紋を広げた。

事件が起こったのは、障がい者に対する差別を禁止した法律「障害者差別解消法」が施行された2016年4月から3ヶ月後のこと。このように差別や偏見を拭おうとする法律ができる一方で、まさに差別を象徴するような事件が起こったのである。この事件を、障がい者はどう捉えていたのか。障がい者の就労支援などのソーシャルビジネスを展開するゼネラルパートナーズ(東京・中央)が、調査を行った。身体・精神・知的障がい者326人にインターネットで行ったその調査では、多くの悲痛な声が寄せられている。下記がその声の一部。

「障がい者は必要ない」という容疑者の言葉に、匿名のネットユーザーの人たちが賛同していて胸が苦しく辛かった。婚約者や友人、支援者のように温かい目で見守ってくれる人たちが、私たちにはまだまだ少ない気がして、悲しい気持ちでいっぱいになった (20 代/女性/精神障がい)

もしも犯人が同じように身体の一部が悪くなっていたなら、少しは気持ちが分かったのではないか。人間は同じ状況にならなきゃ分からない 部分が沢山あると思います(50代/男性/身体障がい)

障がい者に対する偏見の縮図だと感じた(30代/男性/身体障がい)

事件は起こさないまでも、障がい者はこの世から消えた方がよいと真剣に思っている人が実際に少なからずいることを知っているので、あってはならない事件だけれども、起こりうる事件だったと、半ば冷静に見ていた(40代/女性/身体障がい)

加害者のあまりにも身勝手な犯罪に激しい憤りを覚えました。また日本でこんな悲惨な事件が起こったことに衝撃を覚えたと同時に、社会の寛容性が無くなった結果が生んだ悲劇だと思いました(60 代以上/男性/身体障がい)

犯人の間違ったメッセージが垂れ流しのように報道され、それに感化される人が出るのが不安だった(50代/女性/精神障がい)

犯人も統合失調症と言われており、自分と同じ病気なので、別の意味で偏見が怖い(40代/女性/精神障がい)

このように、報道を見て、多くの障がい者の心に深い傷跡が刻まれたことが分かった。また、この事件が原因で、障がい者への偏見がさらに助長することを不安視している様子もうかがえる。

同社では、前述の「障害者差別解消法」が施行されたことによる影響についても調査を実施している。それによれば、約9割の障がい者が、法律の施行後も差別・偏見は「改善していない」と答えた。このように、法律がつくられるだけでは十分な効果は上がっていないことが明らかになっている。

誰もが支え合い共生できる社会を実現していくためには、このような事件の記憶を風化させることなく、どうすれば差別・偏見を解消していけるかを、社会全体で考えていく必要があるだろう。

オルタナS編集部(若者の社会変革を応援)      2017年12月12日


出来島6位 女子距離7.5キロフリー

2017年12月13日 10時22分52秒 | 障害者の自立

 障害者ノルディックスキーのワールドカップ(W杯)は10日、カナダのキャンモアで距離が行われ、女子は7.5キロフリー(立位)で出来島桃子(新発田市役所)が6位だった。5キロ(座位)の新田のんの(北翔大)は19位。

  男子10キロフリー(立位)は佐藤圭一(エイベックス)は13位、新田佳浩(日立ソリューションズ)は15位、川除大輝(日立ソリューションズJSC)は17位。
 
毎日新聞     2017年12月11日