支援の行き届いていないベトナムの視覚障害者の進学や就職に役立ててもらおうと、日本の最新の機器を使ってパソコンの技術を学ぶコースが始まることになり、21日、記念の式典が開かれました。
これは点字のプリンターなどを開発している日本の企業が、ベトナム盲人協会と協力して始めるもので、21日はベトナムの首都ハノイで関係者が集まり、記念の式典が開かれました。
今回開設されるコースで使われるのは、パソコン上の文章を読み込んで、点字に変換する機器や点字とベトナム語の文字を同時に印刷できるプリンターなど最新の機器で、ベトナム盲人協会ではまず、こうした機器の操作のしかたを指導するインストラクターを養成したうえで、来年4月から視覚障害者向けのパソコンのコースを始めることにしています。
機器を用意した日本企業の代表は「今回、ベトナムの人が使いやすいソフトウエアや教材を開発したので、視覚障害のある人たちの自立に役立つことを期待しています」とあいさつしました。
ベトナム政府によりますと、ベトナムには、視覚障害のある人がおよそ100万人いるということですが、大学への進学や就職など、自立に向けた支援は行き届いていないのが現状です。みずからも目が不自由で、視覚障害のある子どもが通う学校の教師の女性は「ここで学ぶことを学校で子どもたちに教えることができれば、さまざまな面で、子どもたちの将来の役に立つと思います」と話していました。
12月21日 NHK