ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

23年佐賀国体 12競技20市町で実施

2017年12月24日 02時37分28秒 | 障害者の自立

全障スポ2次内定 県準備委

 2023年に佐賀県で開く国民体育大会と全国障害者スポーツ大会の県準備委員会は22日、佐賀市のグランデはがくれで第5回常任委員会を開いた。新たに12競技の第2次会場地案が了承され、全20市町での競技実施を内定した。

 この日の第2次内定では、6月に決まっていた15市町に加え、伊万里、上峰、みやき、大町、江北の1市4町が新たに加わった。来年5月予定の会議で、残りの競技・種別を含めた第3次内定案を示す予定。

 また、大会関係者と観覧者が円滑に移動するための方策を探る「輸送・交通専門委員会」の設置と関連規定の改正も承認した。

12/23  佐賀新聞


「自ら学ぶコンピューター」時代の不安と期待

2017年12月24日 02時33分20秒 | 障害者の自立

 私たちは長い間人工知能(AI)について気をもみ、心配してきたため、AI時代が到来しても歓迎するのを忘れていた。

 IT(情報技術)大手は今や、年に一度の基調講演で「機械学習」などのフレーズを盛り込まざるを得なくなっている。だがこれは一体何なのか。自己学習ソフトウエアの主な特徴にはことごとく重大な欠点もあるようだと不安をかき立てるべきなのか。

 未来はついに到来した。これは刺激的だが、怖くもある。新たな技術を自力で習得できるコンピュータープログラムが当たり前になれば、未来はどう変わるのか。どんな点を心配すべきなのか。

ビジネス用と家庭用の自己学習ソフト

 2018年が迫り、ビジネス用ソフトと家庭用ソフトのどちらの分野も今後数年間にわたる本格的なAI開発競争期へ突入しようとしている。家庭用ソフトでは、機械学習やAIが暮らしのちょっとしたことを楽にしてくれている。多くの人がAIスピーカー「アマゾンエコー」や「グーグルホーム」をキッチンカウンターに置いているのはその好例だ。

 こうした用途は有用で面白くはあるが、その自己学習能力は控えめに言っても限定的だ。

 一方、業務分野における自己学習ソフトにはもっと直接的な効果がある。

 「私たちは情報に溺れている」。業務プロセスの自動化を手掛けるカナダのアートシル・テクノロジーズのビータ・ワシリエワ氏はこう話す。「業務プロセスの最大の弱点は書類の処理と、こうした書類からの手作業でのデータ入力だ。構造化されていない内容を構造化データに変えるのが弱点の本質だ」と指摘する。

 とはいえ、業務用と家庭用のどちらにも明確なニーズと果たすべき役割がある。どちらの分野の機械学習もより高度で有能になるだろう。

 自己学習ソフトの3つの主な用途は以下の通りだ。

1.スマートフォン(スマホ) 機械学習により、スマホは正真正銘のスーパーコンピューターになっている。写真に写っている人の顔を認識したり、よりタイムリーで関連性の高いアプリや位置を提案したりするなど、スマホは人物を認識し、私たちが何を望んでいるかを習得しつつある。

 さらに重要なことに、機械学習はスマホをマルウエアやウイルスなど既知の脅威を検知し、締め出せるよう訓練している。楽しい機能だけを強化しているわけではないのだ。

2.医療 医療診断は難しい分野だ。一部のタイプのガンの解析では、治療方針を検討し合意するまでに4人の専門家の意見が必要になる。

 機械学習を使えば、医師はこうした診断をもっと迅速かつ正確に、少ない労力で実施できるようになる。

3.マーケティングと業務管理 自己学習ソフトをマーケティングに使えば、機械学習の有望性とプライバシーへの懸念のどちらにも対応できる。

 10年以内には、どんな小さな会社でも広告の到達率を向上させるために機械学習を使うようになると予測する専門家もいる。

 記帳や書類の整理を容易にするのも重要な用途だ。書類やデータを保存する新たなソフトは、ユーザーから手がかりを得て書類や取引の種類を自動的に見極め、分類するのに適している。これにより、整理された状態や収益性を維持するための労力やコストを大幅に減らせる。

 もちろん、これは機械学習が示す新たなチャンスの一例だ。将来的にはほとんど全ての企業が業務を効率化するために自己学習ソフトを使うようになるだろう。

■AI活用の可能性

 では、なぜAIを巡って論争が起きるのか。(米テスラの創業者)イーロン・マスク氏や(英国の著名な宇宙物理学者)スティーブン・ホーキング博士のような人物が、AIや機械学習にマイナスの印象を与えようと力を尽くすのはなぜなのか。こうした悲観論に賛同してもしなくても、自己学習ソフトには大きなメリットだけでなくデメリットもあるのは既に明白だ。

 例えば、スマートマシンによる資源の効率的な配分は既に活用されている大きなメリットだ。その意味を小さな規模で確かめるために、自己学習ソフトを使って「微細な変化により」サーバーファームの電力消費方法を調整するメリットについて考えよう。

 研究チームによると、これは恐ろしいほど効果的だという。脳の役割を担う半導体が基本的な資源を節約するために、必要に応じてシステムの一部のスイッチを入れたり切ったりする。こうしたシステムを活用すれば、地球温暖化や「6度目の大量絶滅」の問題に対処できるだろう。

 自動車の運転からミスを起こしやすい人間という要素を排除することも、機械学習で可能になる大きなメリットだ。リポートによると、自動運転で高速道路を時速65マイル(時速105キロメートル)で飛ばす際の違和感は、しばらくたてば徐々に消えるという。言い換えれば、自動運転車はついに実現しつつある。

 バッテリー技術の向上に加え、通勤を効率化し、交通渋滞をなくして化石燃料の利用を大幅に削減・撤廃することもメリットになる。未来のクルマは相互通信し、道路工事や障害物、天候、運転に影響を及ぼしかねない事態など交通状況についてのデータを蓄積できるようになるだろう。

■リスク

 こうした特徴にはいずれもプライバシーの問題がある。米アップルの音声アシスタント「シリ」、韓国サムスン電子の「Bixby(ビックスビー)」、米マイクロソフトの「コルタナ」、そしてグーグルは利用者に関するデータを収集しなければ手品を披露できない。

 こうしたAIアシスタントを手掛ける大手IT各社のプライバシー対策はそれぞれ異なる。スマホは検索を処理するたび、遠く離れたサーバーファームに様々な種類の個人データを送る。その企業がこの情報をどう処理するか、これを誰に売るかはサービス利用規約に小さな字で説明されているだけだ。

 自己学習ソフトに対するもう一つの懸念は、重大な経験や意思疎通が人間の判断や感情を挟まずに実施されることに伴う影響だ。

 米ウェルズ・ファーゴなどの大手金融機関はAIを活用し、例えば顧客の信用力について公正な結論を出したいと考えている。これは既存の文化的偏見を完全になくすか、大幅に悪化させるアイデアだ。

 自動運転車に関しては、クルマがいわゆる「トロッコ問題」を円満に解決してくれる状況に人間自身が慣れられるかどうかが大きな課題だ。5人の命を助けるために1人の命を犠牲にするよう車に指示するソフトを、人は不安なく書くことができるだろうか。

 人間はこれまで、こうしたモラルのジレンマの重圧に耐えなくてはならなかった。あるいは、車がぶつかるまでの一瞬の間にこうした計算をやってのけるだけの時間的余裕はなかった。今後は、良くも悪くもコンピューターが代わりにモラルを判断できるかもしれない。

 このように、AIのイノベーション(技術革新)が私たちをどんな方向に導くかを見極めるのは難しい。だが、これは可能性に満ちているともいえる。

 ただ、科学者、哲学者、企業トップ、市民、政治家がそれぞれ、AIについて同じ見解を持てるかどうかが課題だ。

By Kayla Matthews=IT情報サイト「メイクユースオブ」シニアライター

(最新テクノロジーを扱う米国のオンラインメディア「ベンチャービート」から転載)


「夫の祖母」の認知症介護を放棄できるか

2017年12月24日 02時26分53秒 | 障害者の自立
日々の生活のなかで、理不尽だと感じることはありませんか。法律の知識があれば、解決できるケースもあります。雑誌「プレジデント ウーマン」(2017年9月号)の特集「1時間でわかる法律相談」では、9つの身近なトラブルについて4人の専門家に相談しました。今回は「介護」について――。(全9回)

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▼夫の祖母の認知症介護を放棄したい。
夫の両親も働いていることから、近くに住む親族(夫の両親、夫の妹夫婦、わが家)で夫の祖母の介護することに。夫は仕事が忙しく介護の手伝いはできないので、わが家からは私が行くしかないのですが、夫の祖母とは思い出もないし、私だってバリバリ働きたい。大きな声では言えませんが、うまく介護放棄できないのでしょうか。

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▼答えてくれたのは……一般社団法人介護相続コンシェルジュ協会の方々
協会代表理事・FP 鬼塚眞子さん/弁護士 丸尾はるなさん/弁護士 山岸潤子さん/税理士 林 良子さん

 

■3親等までは民法上は扶養義務がある

【山岸】民法で定められている扶養義務の範囲は、3親等内の親族までなので、今回のようにほとんど付き合いのない夫の祖父母であっても、扶養義務はあります。

【丸尾】扶養義務というのは家庭裁判所に扶養請求の調停や審判をして負わせることができるものなので、この時点で彼女が絶対に扶養しなければならないかというと、そうではありません。

親族の介護をすることを会社に伝えたほうがいいかについては、会社には従業員の介護と仕事を両立させる義務がありますし、介護休暇制度も利用できますから、伝えて配慮してもらったほうがいいと思います。

 

■「介護」専門家4人の本音トーク

【鬼塚】一家みんなが働いているなら、お金で解決、プロに任せるのが1番。祖母の年金と、足りない分はみんなで出し合う。昔の私はそれが言えなくて、育児と末期がんの主人の父をみとる親族全員の世話や家事を、1人でやっていましたけど、今は公的な介護保険の制度が整っています。日中はデイサービスに任せる、夜もみんなが大変だったらヘルパーさんにお願いする。ひどくなったら介護施設に入れればいい。

山岸先生、彼女1人が犠牲になって仕事を辞めたって、相続の際に寄与分も認められないでしょう?

【山岸】寄与分とは、相続人の中で被相続人へ特別寄与した者への相続分の上乗せです。例えば夫の祖父母や両親が亡くなったとき、財産を維持するのに寄与した分を少し上乗せしてもらえるというもの。嫁は相続人ではないので、寄与分はありません。相続人であっても介護はして当たり前のことなので、ほぼ認められないですね。とはいえ認められることもあるので、病院への送迎に使ったタクシー代とか、持ち出し分の領収書は念のため全部取っておいたほうがいいです。

それから介護にかかるお金は、介護されている人のお金から出せるようにしておくこと。相続財産も減りますからね。必要なときに自分の財布から個々で出し合ってると、記憶違いでトラブルが起きたりという問題も起きやすいんです。

【鬼塚】交通費とかスーパーとか、1回1000円とか2000円くらいの持ち出しが、ちりも積もって1番もめるんですよね。だからそれぞれ申し送りできるノートに記載しておくのも大事だと思います。

【林】節税という観点では、親族に介護をしてもらう代わりにお金を渡しても、経費とは認められません。でも、親や祖父母が自分たちと生計を一にしていた場合、医療費を支払ったら医療費控除を受けられます。ほかにも親や祖父母を介護する場合、扶養控除を受けられる場合がありますし、介護をされる人が障害者に該当すれば、障害者控除も受けられるかもしれません。該当されるなら確定申告をされるといいですね。

鬼塚先生、最近流行っている認知症保険はどう思われますか?

【鬼塚】言葉に振り回されている人が多い気がしますね。民間の介護保険は所定の介護状態と認定されれば認知症も対象なのに、認知症保険は対象を認知症に絞っています。“老いはまず足から”といわれるのに、「認知症になったら怖い」という不安や、保険料の安いものも発売されていることから、とりあえず入ってしまう。でも、保険以外にも対策はあるんですよ。

例えば、福祉用具に「認知症徘徊(はいかい)感知器」ってあるんです。8月発売の最新式のものは、玄関のドアノブに手をかけたら、親族10カ所に注意喚起の動画が行くとか、家族の声が流れたりして。介護保険が使えるものなら、格安で借りられます。地域独自のボランティアさんがいるならお願いするなど、なにかあったときの保険の手前のことを、自分だけが犠牲にならずに、みんなに頼ってやったほうがいいですよ。

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▼公的介護保険とは?

40歳以上が全員加入して、要介護認定を受けたときに、訪問介護や福祉用具貸し出しといった自治体指定のサービスが、自己負担1~2割で受けられる保険です。

●どうやって払っているの?
会社員は会社と折半で給与・賞与から天引き、国民健康保険の人は所得に応じて保険料に上乗せされます。

●いつ受けられるの?

65歳以上の人は理由に関係なく、要介護認定されればサービスを受けられ、40~64歳の人は老化に関連する特定の病気で要介護状態になったときに受けられます。要支援1から要介護5まで7段階あり、要介護の状態や自治体により、利用できるサービスが変わります。


【鬼塚】自治体指定のサービスの限度額が決まっていますし、それ以外のサービスは全額自己負担になりますから、介護者の年金や貯蓄を使いながら、足りない分をみなで公平に補いましょう。

一般社団法人介護相続コンシェルジュ協会
弁護士、税理士、社会保険労務士、FP、金融関係者、医師、不動産関係者、介護福祉関係者、不用品回収業者、印刷業者など、それぞれに活躍する実務経験豊富な各分野の専門家で構成。契約企業に出向き、介護・事業承継・相続問題のほか、夫婦・家族の問題などに悩む社員の個別相談にワンストップ・ワンテーブルで対応。セミナー研修などを行っている。
鬼塚眞子
一般社団法人介護相続コンシェルジュ協会代表理事・FP。大手雑誌社勤務後、出産のために退職・専業主婦に。その後大手生命保険会社の営業職として社会復帰。業界紙記者を経て、保険ジャーナリスト、FPとして独立。認知症の両親の遠距離介護を機に、同協会を設立した。
丸尾はるな
弁護士。弁護士登録7年目で独立し、「丸尾総合法律事務所」開設。弁護士歴約10年でありながら、個人の一般民事事件、家事事件、企業の法律相談、訴訟案件など、幅広い相談に対応し、時代にあわせたサポートを行う。
山岸潤子
弁護士。仕事と子育てを両立する、弁護士歴約20年のベテラン。非常勤裁判官経験もあり、現在は東京家庭裁判所調停委員も務める。子どもの権利委員会、少年法委員会、男女共同参画推進プロジェクトチームほか、多くの弁護士会の活動にも携わる。
林 良子
税理士。一般企業の経理などをしながら税理士試験に合格。現在は内山・渡邉税理士法人の社員税理士であり、租税教育の講師も行う。得意分野は資産税(相続税・譲渡所得税)を中心とした税務コンサルティング、法人税、所得税の節税対策。

2017/12/23     プレジデントオンライン


貧困家庭の子どもを救う「隠れメニュー」

2017年12月24日 02時19分03秒 | 障害者の自立

 経済的に厳しい家庭に食品を届け、その家庭に必要な社会資源とつなぐ「こども宅食」を運営している駒崎です。

  子どもの貧困問題は、世帯所得などの収入やお金の文脈で語られることも多いですが、注意すべき点はそこだけではありません。

  経済状況の苦しさだけでなく、子どもたちから、体験や機会、居場所といった様々なものが「奪われる」ことにも大きな問題があります。

 剥奪されたものを取り戻す。それが、民間が最も力を発揮できる分野なのではないか。

 日本の貧困問題の第一人者、湯浅誠さんとの対談を通じて、そのイメージがよりクリアになってきました。

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湯浅誠

1969年東京都生まれ。日本の貧困問題に取り組む第一人者。2008年末に日比谷公園で行われた「年越し派遣村」の村長としても知られる。元内閣府参与を経て、現在。法政大学現代福祉学部教授。『反貧困』『「なんとかする」子どもの貧困』など著書多数。

 子どもを通して、親の貧困に光を当てる

  駒崎:ホームレス支援や年越し派遣村など、貧困問題の解決に取り組んできた湯浅さんですが、「子どもの貧困」問題について、どのように思われますか?

 湯浅子どもの貧困問題は、親の貧困問題に別の角度から光を当てるものだと思います。

 「子どもの貧困というけど、大人の貧困問題だ」と認識する人が、一般の人の中にも出てきたんですよ。「子どもの貧困」を通じて、親である大人の貧困が注目されはじめているんです。

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 子育てをワンストップで支援する、こども版地域包括ケアの必要性

  駒崎:そうですよね。子どもの貧困と大人の貧困はつながっている。

 少し深掘りしますが、以前あった「こども手当」のような現金給付より、サービスの整備や拡充の方を強めた方がいいということですかね?

 湯浅:順番から言えば、そうですね。やっぱり現金給付はバラマキのイメージがついて回るし、ベーシックインカムも話題だけれど、そんなに簡単じゃないと思うので。

 駒崎:それは僕も同感です。だからこそ、我々に求められているのは、今足りていないインフラを整えていくことだと思ってます。

 たとえば、高齢者の場合は「地域包括ケア」が機能しています。

 地域包括センターという拠点があって、保健師や社会福祉士、主任ケアマネジャーが配置され、さまざまな分野から総合的に高齢者とその家族を支えています。

 相談をした時に、行政や関係機関をたらい回しにされることなく、ワンストップで対応してもらえますよね。

 しかし、地域包括ケアの子ども版はあまり存在していないんですよ。

 こども食堂も、保健師さんも、児童相談所も、それぞれが別々に頑張っているけど、なかなか情報共有が難しい。

 そんな状況を打破するためにも、「子どもの貧困」対策のひとつとして、子ども版地域包括ケアが実現できたらと思うんですよね。

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子どもや障害者など、様々な人をサポートする地域支援を

 

 湯浅:それはいいと思います。「子どもの貧困」対策の文脈でも、子育て支援計画はワンストップで、という機運が出てきているので。

 ただ、高齢者の地域包括センターと同じレベルで子ども版を整備しようとしたら、政府が提唱している「人づくり革命」(※)の財源2兆円分をすべて使ったとしても足りません。

 ※人づくり革命:政府で検討されている2兆円規模の政策パッケージ。幼児教育、高等教育の一部無償化などが施策としてあがっている。

 厚労省では今、高齢者・障害者・児童への総合的な地域包括支援体制を整えようとしているので、その枠組みの中で実践できるのが望ましいんじゃないかと思います。

 特に地方では、介護予防の一環として「こども食堂」を高齢者と子どもたちの交流の場にするといいと思います。「こども食堂」というのは、半分は地域づくりの面がありますからね。

 駒崎:それは、おもしろいですね。

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未就学児のソーシャルワークが足りない

 

 駒崎:僕は、そこに大切な要素として「ソーシャルワーク」があると思っています。生活保護の分野にはケースワーカーが、学校にはスクールソーシャルワーカーがいるじゃないですか。

 でも、生まれてから学校に入学するまでの子どもを対象にしたソーシャルワークというのは基本的にありません。

 湯浅:保健師ぐらいだよね。

 駒崎:保健師がすべての家庭に向けて、「こんにちは赤ちゃん事業」(※)をしてますが、そこで課題がないと、あとは小学校に行くまで何もないという状況になっています。

 未就学児へのソーシャルワークを位置づける必要があると思いますね。

 ※こんにちは赤ちゃん事業:生後4か月までの乳児のいるすべての家庭を訪問し、様々な不安や悩みを聞き、子育て支援に関する情報提供等を行い、必要に応じて適切な支援につなげる取り組み。

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子ども一人ひとりに合わせた支援の必要性

 

 湯浅:はい、おっしゃるとおり。

 駒崎:「こども食堂」や「こども宅食」など、「食事」というのは、あくまでも一つの切り口。そこから困りごとの相談に乗って、支援につなげていくという機能がないと、結局、支援が点で終わってしまう。

 湯浅:表立って「支援メニュー」として掲げていないけど、なにか問題が発覚した時にすぐに情報提供できたり、支援につなげたりできる「隠れメニュー」があるといいですよね。

 駒崎:一部のこども食堂には「隠れメニュー」があって、それをつなぐ人がいますよね。

 子どもの貧困を単発で解決する手法はない。そのため、その子に合わせてカスタマイズした支援を行うことが望ましいと思います。

 しかし、そういった子ども分野のソーシャルワークが社会にはまだ根付いていないように思います。

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求められているのは「コーディネートする力」

 

 湯浅:いま言ったようなソーシャルワークは、大人の分野でもあまりないですよ。

 もちろん制度はいろいろあるけれど、それがその人の課題にぴったり合う解決策ではないことは、往々にしてあります。

 そこで、制度を組み合わせたり、新しい解決策を作ったりすることが必要になる。私たちは、それを「ソーシャルアクション」と呼んでいます。

 貧困問題は、その人の課題にぴったり合う解決策がないから、困りごとが生まれていくんです。

 だから、貧困問題を解決しようと思ったら、既存の仕組みでは解決できないことにどう対応するかが出発点になります。

 これには、その人の課題を紐解き、様々な資源につなげていくコーディネート力が必要です。

 しかし、ソーシャルワーカーがみんなそれができるかというと、そうでもない。

 これからは、ソーシャルワーカーがもっとコーディネート力をつけていかないといけないと思います。

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コーディネートは評価しづらい

 

 駒崎:そういったコーディネートは非常に重要ですが、そこには「どこからもお金が出ない」という問題がありますよね。

 湯浅:はい。強く同意(苦笑)

 駒崎:これはやっぱり問題で。本当に困っている人が支援メニューにたどり着けない場合、必ずコーディネーターが必要。

 でも、コーディネートをやってもお金にならないとしたら、誰もやらない。だからメニューがあるだけの状態になってしまう。

 「福祉サービスを困っている人にどう届けるか」という問題をどうにか解決しないといけないですよね。

 湯浅:内閣府参与の時に「パーソナルサポートモデル事業」というのをやったんです。

 社会福祉士や臨床心理士などの専門職の上に、コーディネート力のあるスタッフを置いて、チームとして動く。そこにお金をつけようとしたんだけど、難しかった。

 それは、コーディネートする人の成果を見える化する指標がないからなんです。

 「10件対応して3件就労できた」というように、数字で見えるものは分かりやすい。

 でも、コーディネートは数字では見えないから、分かりづらい。その結果に対して、コーディネーターが何%ぐらい貢献しているかと言われても、分からないですよね?

 「コーディネートされた」と思わせないのが、一番うまいコーディネートだし。

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 駒崎:そうですね。あたかも、サービスの利用者自身の決断かのように導いていくのが、いいコーディネーターですよね。

 湯浅:そうなんです。すると、はたから見ると何をやっているか分からない人に、高いお金が出るという話になってしまう。それで、「暗黙知を可視化する」ための指標がいるだろうと。

 うまく支援が行き届いている地域では、「あの人がいるから、なんとかなっている」とみんなに言われている人がいます。その人は何か重要なことをしているんだけど、彼自身は自覚していない。

 要するに、職人芸でやっているんです。しかも、本人が言語化できない。

 そのため、暗黙知を可視化するためには、誰かがそれなりの長期間、その地域のコーディネーターにくっついて、横で見ながらポイントを拾い上げていく必要があるんですけど、まあ、そこには当然お金がつかず。宿題のまま終わっています。

 駒崎:それは湯浅さんの世代から、我々の世代に託された宿題の一つですね。

 湯浅:ぜひ解決してください。

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貧困によって、奪われた機会を取り戻す

 

 駒崎:我々が行っている「こども宅食」をどういった指標で評価しようか考えていて。

 「こども宅食」は子どもの貧困問題解決のためにつくった事業です。

 相対的貧困率を下げるには、「収入を増やす」方法がありますが、これはかなりマクロな問題で、民間で取り組むだけではなかなか成果が出にくい。

 それで考えたのが「貧困によって、奪われた機会を取り戻す」というアプローチ。

 たとえば、塾に行けないのであれば、無料塾を作れば塾に行けるようになりますよね。

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 駒崎:このように、たとえ世帯の年収が上がらなくても、いろいろな無料サービスや行政サービスを使うことで、子どもたちが奪われた機会を取り戻すことができる。これはかなり解決方法があると思うんです。

 「こども宅食」の場合は、利用家庭の奪われた機会を取り戻すために、どの社会資源をつなげたか「つなげた数」を指標にできるのではないかと考えています。

 湯浅:おっしゃる通り。

 やっぱり民間の力を一番発揮できるのはそこじゃないですかね?体験や関わる時間の提供とか。

 

子どもの居場所には4つの要素がある

 

 湯浅:その話にもつながるのですが、「子どもの居場所」には4つの要素があるんです。

 一つ目は、居場所そのものが提供する支援メニューですね。こども食堂なら食事を提供するとか、無料塾なら勉強を教えるとか。でも、それは1つの要素に過ぎない。

 二つ目は「体験」。別に「キッザニア」に連れていってお仕事体験させなくてもいいんです。

 働いてる大人と出会ったことがない、生身の大学生と遊んだことがないという子がたくさんいる。出会ったことがない大人と出会うことも必要な体験です。

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 湯浅:三つ目は「時間」。多くの人は物心つく前の時期に、親が全力で自分に関わってくれて、それなりに安定して、自立心を持って育っていく。

 それができなかった人は、どこかの段階で人に全力で関わってもらう時間がないと、やっぱり安定しない。自分の中に自己を作れないと僕は思ってるんです。

 駒崎:それは、児童発達の分野では、愛着という言葉で示されています。僕もその考え方には納得感がありますね。自分にじっくり関わってもらった経験が、人格の基礎を作るんじゃないかって。

 湯浅:そうなんですよ。高校生になったから、大人になったから、もう必要ないということではない。

 愛着形成ができなかった人には、たとえ何歳であっても「他者から時間をかけて関わってもらうこと」が必要だと思います。

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 湯浅:四つ目が「トラブル対応」です。アクシデントが起きた時に対応する機能のことです。

 一般家庭なら家族が病気やけがに対応することが当てはまりますね。貧困家庭だと、場合によっては、困りごとが発生した時に様々な社会資源につなぐことが必要になるかもしれません。

 この4つがすべて家庭にそろっていれば、家庭がその子にとっての居場所になる。

 ひとつでも欠けている家庭なら、社会的にサポートしたり、代替したりできるといい。

 少しでも埋めることができれば、子どもにとっての居場所になるんです。

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 駒崎:我々、民間の団体が力を発揮できるところだと思います。

 湯浅:そうですね。特に「体験」「時間」はね。

 駒崎:これはどんどん埋めていきたいし、埋めていかなきゃと思いました。

 

気にかけてもらえることが嬉しい

 

 湯浅:世の中全体の見方としては、貧困状態にある人というと、まだまだ「支援を拒否する人たち」「困った人たち」というイメージが強いけど、実際は、喜んでくれるケースもあるんですよね。

 過去には、生活保護家庭の子どもの学習支援でも、そういった事例がありました。

 事業を始める前は「うちの子は勉強なんてしなくていい」と拒否されると思っていたけど、実際に家庭訪問したら、みんな喜んでくれたんです。

 自分たちは「見捨てられている」と思っていたから、自分のことを気にかけてくれる人がいることが嬉しかったと。

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 駒崎こども宅食を届けた家庭でも、「食べ物ももちろん嬉しかったのですが、ひとり親家庭を応援したいという暖かい心が何よりも嬉しいです」という声がありました。

 湯浅こども宅食でも、利用家庭の方々同士が顔を合わせられる場づくりをやれるといいと思いますね。

 相談の掘り起こしと、必要な支援につなげていくこと。私はこれを仲間づくりと言っています。それができると、さらに素晴らしいものになると期待しています。

 駒崎:ありがとうございます。

 現場の実践から政策まで、縦横無尽にご活躍されている、湯浅さんの引き出しの多さを改めて感じた時間でした。本当にありがとうございました。

 

(了)

 

■「子どもの貧困」について知る

 貧困問題は「自己責任だろう」という批判が多くあります。貧困問題の背景にある構造的な要因は、なかなか簡単には理解してもらえません。しかし、湯浅誠さんは、「子どもの貧困は、自己責任論を乗り越えられる」と言います。

 こちらの記事をご覧いただき、皆さん一人ひとりができることは何か、考えていただくきっかけにしていただけたら、と思います。

駒崎弘樹 認定NPOフローレンス代表理事/全国小規模保育協議会理事長

1979年生まれ。慶応大学SFC卒。2004年NPO法人フローレンス設立(現職代表理事)。日本初の「共済型・訪問型」の病児保育サービスを開始。08年Newsweek「世界を変える100人の社会起業家」に選出。10年から待機児童問題解決のため「おうち保育園」を展開し小規模認可保育所を政策化。14年日本初の医療的ケア児対応保育園「障害児保育園ヘレン」開園、15年「障害児訪問保育アニー」開始。内閣府非常勤国家公務員、内閣府「子ども・子育て会議」委員、厚労省イクメンプロジェクト座長等を歴任。日本病児保育協会・全国小規模保育協議会理事長。日本こども縁組協会発起人。著書に「社会を変えるを仕事にする」等。

認定NPOフローレンス代表理事/全国小規模保育協議会理事長 12/22(金)


モビリティ研究開発のプラットフォーム

2017年12月24日 02時03分12秒 | 障害者の自立

パーソナルモビリティ「WHILL Model CR」

WHILLは、外部からの制御が可能な研究開発用途のパーソナルモビリティ「WHILL Model CR(ウィル モデル シーアール)」の予約販売を開始した。出荷開始は2018年2月の予定で、スマートモビリティ技術の開発や、自律ロボットを研究するプラットフォームとしての利用を想定している。

今回の製品は、同社がすでに販売しているパーソナルモビリティ「WHILL Model C」の仕様を基本としながら、外部機器から入力信号を送信して本体を制御でき、また本体の情報を外部機器で取得できる。通信方式はRS232Cで、速度、加減速値、エンコーダー情報、加速度センサー値、コントローラー入力情報、バッテリー情報などの情報を取得できる。

横幅55cmのボディと、前輪に採用した独自開発のオムニホイール(全方位タイヤ)により、約76cmの最小回転半径を可能にした。また、オムニホイールと高出力モーターにより、最大5cmの段差を乗り越えられる。

ショッピングバスケット(標準装備) スマートフォンホルダー(オプション) ミニバスケット(オプション)

大容量10Ahリチウムイオンバッテリーを採用し、5時間の充電で約16km走行、約1000回の充電が可能(走行距離や充電回数は状況により変化)。USB接続で外部デバイスに電源を供給できる。また、容量20Lのショッピングバスケットをボディ下に標準装備し、デバイスの収納が可能。オプションでスマートフォンホルダーやミニバスケットも取り付けできる。

パーソナルモビリティ利用者の安全で快適な移動や、介護従事者の負担低減のための技術へのニーズが高まっている。同社では今回の製品は、走行時の安全性を高める自動停止機能・障害物回避機能の開発や、介護従事者や介護者の負担を低減する追従走行機能の開発などでの活用が期待できるとしている。

本体サイズは550×985×740〜940mm。本体重量は約52kg。センサーとして、加速度センサー、モーターエンコーダーを搭載している。価格は75万円(非課税)だ。

2017/12/22     fabcross