ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

精神・発達障害者しごとサポーター 各地で養成講座

2017年12月17日 16時36分00秒 | 障害者の自立

 大阪労働局は、職場で精神障害や発達障害がある人への配慮ができる「精神・発達障害者しごとサポーター」の養成講座を、府内各地で展開している。人手不足や両障害者の雇用の増加を背景に、特性に応じて活躍できる職場づくりを進めるのが狙い。サポーターだと分かるシールなども配布。特別な「支援者」というより、「困っていたら声掛けする同僚」を増やしていきたい考えだ。

 厚生労働省の事業の一環。民間企業における障害者のうち、発達障害らも含む精神障害者の雇用状況は、2006年の約2千人が17年には約5万人に増加した。今後も増える見込みだが、企業の従業員らが障害の基礎的な知識を得られる機会が限られていた点を踏まえ、講座を企画している。

 サポーターは、特別な資格制度ではなく、講座の受講者と位置付けている。障害者への専門的な支援を求めているわけではなく、接し方の大まかなポイントを踏まえた上で同僚として声掛けし、気になる点やうまくいかない場合は管理職らに相談するといった役割を促している。

 離職や体調を崩す前の早期対応を図りたい構えだ。大阪では本年度、半年で1150人の受講者数を目指し、12月には目標を超えた。

 12日には大阪市中央区の男女共同参画・青少年センターで講座を実施した。ハローワークの精神障害者雇用の担当者は、発達障害について「障害の特性が多岐にわたるため、個々の特性に応じた対応が重要」と強調。一度に複数の指示を出さないようにしたり、言葉だけでなくメモで示すといった工夫を紹介した。

 また、大阪大の工藤喬教授(精神健康医学)は、うつ病について「心理的要因だけでなく、体の状態やもともとの性格が三つどもえになって症状が出てくるのを踏まえてほしい」と呼び掛け、本人の状況に応じた対策の重要性を説いていた。

 講座の受講者には、サポーターである点を意思表示するためのシールなどを配布。職場での活用を求めている。大阪労働局職業対策課の村田泰弘課長は「相手を突き放すのではなく、声掛けの一歩を踏み出してほしい」と呼び掛けている。

サポーターの意思表示ができるように講座の受講者に配布しているシールや首掛けひも

2017年12月16日   大阪日日新聞


発達障害者の美しさ~また、それは過渡的概念でもある~

2017年12月17日 16時29分21秒 | 障害者の自立

■「発達障がい者支援-精神科診療所に期待すること」

昨日12/14、大阪は梅田にて、「発達障がい者支援~精神科診療所に期待すること」と題するフォーラムが開催された。

主催は「(公社)大阪精神科診療所協会」で、進行は大久保圭策医師と西川瑞穂医師(いずれも大阪ではよく知られた開業医)、パネラーは、当事者代表で広野ゆいさん(NPO法人DDAC代表)、福祉支援者代表で星明聡志さん(ジョブジョイント代表)、そしてNPO代表の僕という組み合わせだった。

大久保医師は自分のFacebookタイムラインで以下のように昨日のイベントを振り返っている。

昨晩は、広野ゆいさん、田中俊英さん、星明聡志さんをシンポジストに迎えての大精診主催のシンポだったのだが、実に濃密な内容だった。発達障がい臨床におけるもっとも重要なところがギュッと詰まっていたように思う。司会をしていて、こんなに面白かったのは久しぶりだった。

発達障がいという概念は、発展的に解消するべき過渡的概念に過ぎないというのが、不肖わたくしの持論だが、この概念を、より多様な生き方、働き方を保障できる社会を創出する梃子にすることこそ、この概念のレゾンデートルなのだと改めて実感した。

三人のシンポジストに、改めて感謝したい。

■「発展的に解消するべき過渡的概念」

確かに発達障害的「生きづらさ」はどの時代にもあり、それはたとえば現在70才を過ぎた団塊世代にもそうした特徴をもつ方々はたくさんいる。

けれども団塊世代が若者だった70年代前半は日本は高度成長のど真ん中で正規雇用率が高く、多少「空気が読めいい」(同調圧力に呑み込まれない)人でも、企業社会に溶け込むことができた。

けれども「失われた20年(以上)」の現在、空気を読めない若者はなかなか企業社会に入り込めず、多くは非正規雇用として雇用されている。

その空気の読めなさ、生きづらさは、10年ほど前から「発達障害」と名付けられ、その「障害」的語感はさておき、そのように意味づけしたほうが意味づけしないよりも、当事者も保護者も納得して社会参加できるようになっている。

これが大久保医師の言う「過渡的概念」という意味だ。

団塊世代の時代は少し「変わり者」ですまされた人々が、現在は「発達障害」としてカテゴライズされる。いまの経済状況が変化すれば、このカテゴリーも徐々に変化していくだろう。

まさにこの発達障害というものは、「発展的に解消するべき過渡的概念」だと僕も思う。

■美しさ

もうひとつ、大久保医師も書くように「ギュッと詰まった」議論をすすめるうちに、終盤になって僕は、発達障害者に対して描くイメージを明確に言語化でき、それをマイクを通して語った。

それは、

発達障害者は美しい

ということだ。

発達障害者は、たとえばアスペルガー症候群の方は、美しいというよりは、ややこしい、あるいはめんどくさい、堅い、融通がきかない、等で普通は語られる。

または、傷つきやすい、鬱っぽい人々として。

または、空気を読まず攻撃してばかり、事実をまったくオブラートに包まない、等で語られる。

こうした表象あるいは表現方法は、当然「同調圧力」日本社会からは浮き、徐々に孤立して鬱状態に陥る。

そうした鬱状態、あるいは攻撃性、あるいは傷つきやすさ、あるいはめんどくささ、すべてを含めて、僕には彼女ら彼らが、最も「人間らしさ

」を象徴しているように感じられる。

人間とは誰もが基本的には、めんどくさくややこしく傷つきやすく集団からズレ孤独である。

それらの要素をピュアに凝縮した人々が発達障害者だと僕には思われ、そのあり方がどうにも僕には、

美しい

と感じられるのだ。

当事者が40代になり、独特のユーモアや諦めを抱いている現在、一層僕は「美しい」と思い始めた。

これらを気づかせてくれた点で、昨日のフォーラムは僕にとって収穫大だった。

田中俊英  | 一般社団法人officeドーナツトーク代表


どろんこ畑

2017年12月17日 16時19分12秒 | 障害者の自立

車椅子で行ける柿畑 奈良のNPO、障害者の就労支援 農作業の喜び共有

 小高い丘にある柿畑へと続く緩やかな斜面には、幅1メートルほどのコンクリート製の道が整備されていた。「車椅子の人も畑に行けるように作ったんですよ」。奈良県下市町のNPO法人「どろんこ畑」の理事、堀内和民さん(42)が教えてくれた。

  農作業を通じて障害者の就労支援をするため、2012年に活動を始めた。暑さ、寒さが厳しい中での作業など、農業は過酷なイメージがつきまとう。だが、ここでは障害の有無に関わらずみんなで農作業の喜びを感じ、おいしい物を作ることが信念。現在は10~40代の男女5人が通い、主に地元特産の柿を育てている。

 初めて取材に訪れた7月上旬。2人一組で青々とした柿の余分な実を間引く作業が進んでいた。「畑仕事は好き。実ができるとうれしい」。週に3日働く、たかやさん(20)は笑顔を見せた。柿の試食提供や販売を手伝うこともあるという。

 堀内さんが、別の果樹園代表の菊井新昭さん(67)の下で働いていたとき、福祉事業所で働く障害者が手伝いに来た。楽しそうに農作業する姿が印象に残り、菊井さんを理事長とする法人が設立された。菊井さんに詳しい栽培方法を学び、畑は耕作放棄地を借りた。

 枝を低めに刈り込み、車椅子でも手が届く所に実がなるように工夫。コンクリート製の道を車椅子が通ったことはまだないが、足元が安定しているため視覚障害がある人も安心して畑に行ける。おからが主原料の植物性堆肥を使い、安全性にもこだわった。

 「障害者が作ったからと情けで買う人がいるかもしれないが、次につながらない。胸を張って『おいしい』と言える物を作っています」と堀内さん。収穫した柿は甘みが強く、県外から買いに来る客も増えた。

 収穫の最盛期を迎えた11月。再び畑を訪ねると、柿は日光をたっぷり浴びて色づいていた。「栽培を通じて自分に自信を持ち、いろんな人と出会ってほしい」。堀内さんはこんな思いを込めている。


 ■ことば

どろんこ畑

 「みんなで泥だらけになりながら笑顔で作業したい」との思いから名付けた。障害がある人の就労継続支援事業のほか、地元産の旬の野菜や、干し芋といった加工品の販売もしている。今の時期は白菜や九条ネギがおすすめで、柿も含めて全国発送が可能。問い合わせは同NPO法人の作業所(0747・52・6660)。

毎日新聞    2017年12月16日