障害者の所得向上を応援しようと、新潟県三条市出身で障害のある娘を持つ女性が、障害者が制作に携わった商品を販売するインターネットサイト「まぜこぜ」を立ち上げた。福祉施設が無添加や天然素材などにこだわって作った商品をプロデュース。より魅力を高め付加価値を付けて販売することで、施設利用者らの収入アップにつなげようとする。
立ち上げたのは三条市出身のシンガー・ソングライター佐藤ひらりさん(17)=筑波大付属視覚特別支援学校高等部音楽科2年=の母、佐藤絵美さん(44)。
障害のある娘持つ女性、福祉施設のアロマ販売
きっかけは、福祉施設で働いても収入が低く、生活への不安を抱える障害者を支援したいと思ったこと。「月8千円の工賃ではお弁当代にも満たない」と佐藤さん。ひらりさんのコンサートに同行して全国を訪れるうちに、各地で障害者が作った商品の安全性の高さや品質の良さに気付いたことも後押しした。
インターネット販売は「全くの素人」(佐藤さん)だったが、知人と協力し2016年12月に運営会社「オフィスMAZEKOZE」(長岡市)を設立し、準備を進めてきた。
今回取り扱いを始めるのは、阿賀野市の障害者福祉施設「あおぞらシード」が作るアロマミスト。施設利用者8人が、越後杉と無農薬栽培の愛媛県産甘夏をそれぞれ五頭山麓の水で蒸留して作った逸品だ。
以前から同施設が販売しているが、佐藤さんは商品名を「森のしずく」と「おひさまのしずく」(各2千円)に一新して自社ブランドとしてプロデュースした。付加価値を高めつつ、ラッピングやシール貼りなど作業工程を増やすことで施設利用者の収入アップを図る。
佐藤さんは「障害者の自立を応援したい。障害者の作った商品としてではなく、いい商品だから買ってほしいものをそろえたい」と意気込んでいる。今後は県内の障害者が作ったものを中心に県外の商品も取り扱う予定だ。
障害者が携わった商品を販売するインターネットサイト「まぜこぜ」を立ち上げた佐藤絵美さん |
まぜこぜは、http://www.office-mazekoze.com/
2018/10/11 日本経済新聞