知的障害者が企業への就労を機に障害年金を停止、減額されるケースが2006年から08年にかけて兵庫県内で相次ぎ、社会保険庁が不適切だったことを事実上認め、今月17日に全国の社会保険事務局に是正を求める通知を出していたことが29日、分かった。
政府は06年施行の障害者自立支援法で、就労と地域社会での自立を促しており、障害者団体は「就労しても給与は低く、年金なしでは自立生活は困難。頑張って就労する意味がなくなってしまう」と訴えている。
知的障害者と家族でつくる「兵庫県手をつなぐ育成会」などによると、06~08年に少なくとも6人が障害基礎年金を停止、7人が減額された。いずれも障害等級を軽度に判定されたためだった。
さらに08年1月に会員に実施したアンケートで、時期は特定できないものの、34人が「停止、減額された」と回答。出先の社会保険事務所に理由を問い合わせると「就労が3年続いているため」などと言われたという。
一方、厚生労働省と社保庁は、不服申し立てを受け付ける厚労省の社会保険審査会で兵庫社保事務局の判定が覆されるケースが相次いだことから、08年秋以降、同事務局に2回にわたり是正を指導。「障害等級を判定する事務局の認定医が厳しすぎる」などと指摘していた。
もっと知りたい ニュースの「言葉」
障害基礎年金(2005年10月27日)国民年金加入者が病気やけがなどで障害を負った場合に支給される年金。障害等級1級で月額約8万3千円、2級で同約6万6千円。国民年金に強制加入となる20歳未満で障害を負った場合は20歳になったとき、20歳以降の場合は障害が認定されたときに、それぞれ受給権が発生する。
障害者自立支援法(2008年12月8日)身体、知的、精神と障害ごとに分かれていた従来の障害福祉サービスの一元化や、サービスの利用量に応じて原則1割を負担する「応益負担」の導入が柱。市町村民税の課税の有無や所得水準などにより負担上限額が設定されている。2006年の施行後、負担軽減策も取られたが、負担が重いとの声は根強い。現在、来年の通常国会に同法改正案を提出するため、厚生労働省が制度の見直しについて検討中。
障害年金(2009年7月29日)障害基礎年金と障害厚生年金などがある。障害程度によって最重度の1級から3級に分かれる。障害厚生年金は3級でも受け取れるが、障害基礎年金は1、2級の人しか受け取れないため、3級と判定されると支給停止になる。等級は都道府県ごとの社会保険事務局の認定医が判定する。知的障害など生まれつき一定程度の障害がある人は20歳から基礎年金を受け取ることができ、支給額は1級で月約8万3千円、2級で月約6万6千円。障害年金の受給者は08年12月現在、全体で計約181万人。
政府は06年施行の障害者自立支援法で、就労と地域社会での自立を促しており、障害者団体は「就労しても給与は低く、年金なしでは自立生活は困難。頑張って就労する意味がなくなってしまう」と訴えている。
知的障害者と家族でつくる「兵庫県手をつなぐ育成会」などによると、06~08年に少なくとも6人が障害基礎年金を停止、7人が減額された。いずれも障害等級を軽度に判定されたためだった。
さらに08年1月に会員に実施したアンケートで、時期は特定できないものの、34人が「停止、減額された」と回答。出先の社会保険事務所に理由を問い合わせると「就労が3年続いているため」などと言われたという。
一方、厚生労働省と社保庁は、不服申し立てを受け付ける厚労省の社会保険審査会で兵庫社保事務局の判定が覆されるケースが相次いだことから、08年秋以降、同事務局に2回にわたり是正を指導。「障害等級を判定する事務局の認定医が厳しすぎる」などと指摘していた。
もっと知りたい ニュースの「言葉」
障害基礎年金(2005年10月27日)国民年金加入者が病気やけがなどで障害を負った場合に支給される年金。障害等級1級で月額約8万3千円、2級で同約6万6千円。国民年金に強制加入となる20歳未満で障害を負った場合は20歳になったとき、20歳以降の場合は障害が認定されたときに、それぞれ受給権が発生する。
障害者自立支援法(2008年12月8日)身体、知的、精神と障害ごとに分かれていた従来の障害福祉サービスの一元化や、サービスの利用量に応じて原則1割を負担する「応益負担」の導入が柱。市町村民税の課税の有無や所得水準などにより負担上限額が設定されている。2006年の施行後、負担軽減策も取られたが、負担が重いとの声は根強い。現在、来年の通常国会に同法改正案を提出するため、厚生労働省が制度の見直しについて検討中。
障害年金(2009年7月29日)障害基礎年金と障害厚生年金などがある。障害程度によって最重度の1級から3級に分かれる。障害厚生年金は3級でも受け取れるが、障害基礎年金は1、2級の人しか受け取れないため、3級と判定されると支給停止になる。等級は都道府県ごとの社会保険事務局の認定医が判定する。知的障害など生まれつき一定程度の障害がある人は20歳から基礎年金を受け取ることができ、支給額は1級で月約8万3千円、2級で月約6万6千円。障害年金の受給者は08年12月現在、全体で計約181万人。