与野党は9日午前、障害者虐待防止法案をそれぞれ衆院に提出した。与野党で調整に入り、超党派による議員立法で今国会中の成立をめざす。与党案と、民主、社民、国民新による野党案はそれぞれ、家庭や施設、職場での虐待の発見者に通報を義務づけ、自治体などに調査や救済を求める内容。虐待相談や通報の窓口拠点について、自公2党の与党案が都道府県に置くのに対し、野党案は市町村に設置としている。
◇関係者から期待の声
「ハンディを抱える人の苦しみを掘り起こす武器に」。障害者虐待防止法は表面化しにくい障害者の被害を発見し、救済することが期待される。しかし解散、総選挙が近づき、成立が先送りされる懸念もあり、関係者には期待と不安が入り交じる。
知的障害のある30代女性は07年6月、札幌市内の食堂で住み込みで働いていたが、経営者らからの虐待が発覚し、同じ障害のある男性らとともに保護された。1日12時間働かされ、休日は外出できなかった。札幌市は01年に虐待の疑いを把握しながら、現場を直接調べなかった。
女性らから障害年金などをだましとったなどとして、食堂の元経営者を詐欺や監禁容疑で告発した八木宏樹弁護士は「通報先となる自治体や行政が訴えにきちんと向き合うかがカギ」と語る。
奈良県三宅町の知的障害のある会社員の男性(36)は養護学校卒業後に16年間勤めた家具製造販売会社(倒産)で社長らに給与や年金を横領された。社長は実刑が確定したが、男性らは民事訴訟で返還を求めている。男性が暮らすグループホームの渡辺哲久管理者は「通報を待つのでなく、訪問して聞いて回るくらいでないと被害は表に出ない」と話した
◇関係者から期待の声
「ハンディを抱える人の苦しみを掘り起こす武器に」。障害者虐待防止法は表面化しにくい障害者の被害を発見し、救済することが期待される。しかし解散、総選挙が近づき、成立が先送りされる懸念もあり、関係者には期待と不安が入り交じる。
知的障害のある30代女性は07年6月、札幌市内の食堂で住み込みで働いていたが、経営者らからの虐待が発覚し、同じ障害のある男性らとともに保護された。1日12時間働かされ、休日は外出できなかった。札幌市は01年に虐待の疑いを把握しながら、現場を直接調べなかった。
女性らから障害年金などをだましとったなどとして、食堂の元経営者を詐欺や監禁容疑で告発した八木宏樹弁護士は「通報先となる自治体や行政が訴えにきちんと向き合うかがカギ」と語る。
奈良県三宅町の知的障害のある会社員の男性(36)は養護学校卒業後に16年間勤めた家具製造販売会社(倒産)で社長らに給与や年金を横領された。社長は実刑が確定したが、男性らは民事訴訟で返還を求めている。男性が暮らすグループホームの渡辺哲久管理者は「通報を待つのでなく、訪問して聞いて回るくらいでないと被害は表に出ない」と話した