悠山人の新古今

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和泉式部集003 春の野に

2006-11-03 00:35:00 | 和泉式部集
2006-1103-yis003
春の野に萩の古根を焼く煙
秋には花を咲かせましょうに   悠山人

○和泉式部集、詠む。
○紫のときもそうだったけれど、専門家・研究者の文章に疑問を持つこと、しばしばである。この一首の新潮版訳も、何回原作と比較して読み返しても、納得がいかない。
¶焼くと焼く=同動詞をかさねる「強調語法」。異説に「役と(せっせと)焼く」がある。(新潮版) この形は、初見。なおヴァージニア大学版(既出)は、『後拾遺和歌集』からとして、次のように表記する。
  秋までの命も志らず春の野に
  萩の古枝をやくときくかな

□和003:あきまでの いのちもしらず はるののに
      はぎのふるねを やくとやくかな      
□悠003:はるののに はぎのふるねを やくけむり
      あきにははなを さかせましょうに
【memo】新潮版(「踏まえる」)と同じく、
南二淑(論文)「和泉式部百首歌の独自性-四季歌を中心として-」にも、『曽根好忠集』(曽丹集)の次の歌からの「影響」を指摘する。
  花見んと命もしらず春の野に
  萩の古根を焼かぬ日ぞなき   曽根好忠

短歌写真244 電網を

2006-11-03 00:30:00 | 短歌写真
2006-1103-yts244
電網を迷ひ漂ひ辿り着き
心にしむる錦木の色   悠山人

○短歌写真、詠む。
○「電網」は「インターネット」 internet。(ただし、五版広辞苑など、日本語系辞書では未公認らしい。) ここから「ネットサーフィン」が派生して、私は逆に「電網漂流」なる熟語に漂着した。「しむ」は、「染む」「占む」と懸ける。和泉ふうな艶心とも読めそう。
□でんまうを まよひただよひ たどりつき
  こころにしむる にしきぎのいろ
【写真】先の錦木参照。