2006-1103-yis003
春の野に萩の古根を焼く煙
秋には花を咲かせましょうに 悠山人
○和泉式部集、詠む。
○紫のときもそうだったけれど、専門家・研究者の文章に疑問を持つこと、しばしばである。この一首の新潮版訳も、何回原作と比較して読み返しても、納得がいかない。
¶焼くと焼く=同動詞をかさねる「強調語法」。異説に「役と(せっせと)焼く」がある。(新潮版) この形は、初見。なおヴァージニア大学版(既出)は、『後拾遺和歌集』からとして、次のように表記する。
秋までの命も志らず春の野に
萩の古枝をやくときくかな
□和003:あきまでの いのちもしらず はるののに
はぎのふるねを やくとやくかな
□悠003:はるののに はぎのふるねを やくけむり
あきにははなを さかせましょうに
【memo】新潮版(「踏まえる」)と同じく、南二淑(論文)「和泉式部百首歌の独自性-四季歌を中心として-」にも、『曽根好忠集』(曽丹集)の次の歌からの「影響」を指摘する。
花見んと命もしらず春の野に
萩の古根を焼かぬ日ぞなき 曽根好忠
春の野に萩の古根を焼く煙
秋には花を咲かせましょうに 悠山人
○和泉式部集、詠む。
○紫のときもそうだったけれど、専門家・研究者の文章に疑問を持つこと、しばしばである。この一首の新潮版訳も、何回原作と比較して読み返しても、納得がいかない。
¶焼くと焼く=同動詞をかさねる「強調語法」。異説に「役と(せっせと)焼く」がある。(新潮版) この形は、初見。なおヴァージニア大学版(既出)は、『後拾遺和歌集』からとして、次のように表記する。
秋までの命も志らず春の野に
萩の古枝をやくときくかな
□和003:あきまでの いのちもしらず はるののに
はぎのふるねを やくとやくかな
□悠003:はるののに はぎのふるねを やくけむり
あきにははなを さかせましょうに
【memo】新潮版(「踏まえる」)と同じく、南二淑(論文)「和泉式部百首歌の独自性-四季歌を中心として-」にも、『曽根好忠集』(曽丹集)の次の歌からの「影響」を指摘する。
花見んと命もしらず春の野に
萩の古根を焼かぬ日ぞなき 曽根好忠