悠山人の新古今

日本初→新古今集選、紫式部集全、和泉式部集全、各現代詠完了!
新領域→短歌写真&俳句写真!
日本初→源氏歌集全完了!

短歌写真259 秋空に

2006-11-26 05:45:00 | 短歌写真
2006-1126-yts259
秋空になほ伸びたしと見えたれば
葉透き公孫樹のいとしかるべき   悠山人

○短歌写真、詠む。
○晩秋から初冬。頭を詰められた公孫樹が、懸命に枝を伸ばしている。
□短写259 あきぞらに なほのびたしと みえたれば
        はすきいてふの いとしかるべき
【写真】自動補正に、多少の色調補正を加えた。先日、見本園で。

俳句写真026 葉裏まで

2006-11-26 05:40:00 | 俳句写真

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葉裏まで
赤く染まりし
沼酢之木   悠山人

○俳句写真、詠む。
○「沼酢之木」は通称ブルーベリー、が鑑賞の入口。

□俳写026 はうらまで あかくそまりし ぬますのき

【写真】晩秋の午後の日差しが、強い。葉裏からの透過光で撮影。色調の自動補正を1回。先日、植栽センターで。


和泉式部集025 待っている

2006-11-25 00:10:00 | 和泉式部集

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待っているあの方がいまお見えでも
庭雪だけは踏みつけないでね?   悠山人

○和泉式部集、詠む。
○「庭の雪」
。いいわぁ、庭の雪景色って。でも、いまこうしている間にも、心待ちにしているあの方がお見えになったら、どうしましょう。雪を踏まないで、ってこと、出来ないものかしら。
¶まく=「(上代語)未来の推量を表す。…だろうこと。…であろうようなこと。[…]推量の助動詞<む>のク語法。活用語の未然形に付く。」(古語辞典) 用例に万葉集05-0824の「梅の花散らまく惜しみ」。つまり「踏ままく惜しき」は、「踏むだろうことが惜しい(雪だ)」。

□和025:まつひとの いまもきたらば いかがせむ
      ふままくをしき にはのゆきかな   
□悠025:まっている あのかたがいま おみえでも
      にわゆきだけは ふみつけないでね?


image220 山雀

2006-11-25 00:00:00 | images
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title : Parus varius
yyyy/mm : 2006/11
memo : 山雀(やまがら)。parus varius。varied tit。とにもかくにも、「敏捷」の一語に尽きる。中年男女が数人、不動の姿勢で、掌の餌(ひまわりの種、100円)がなくなるまで、立ち尽くしていた。時間を気にすると、この程度の出来で妥協しなければならない。辞典には夏の季語とある。先日、野鳥の森公園で。

和泉式部集024 冬の日は

2006-11-24 03:40:00 | 和泉式部集

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冬の日は眺め暮らすに限るわね
春数日と同じですもの   悠山人

○和泉式部集、詠む。
○「つれづれのながめ」。冬の毎日は、することもなくぼんやりと、物思いにふけったり。のどかな春の何日かと同じくらい、たっぷりと時間が過ごせるの。意外よね。
¶つれづれ(徒然)=「<つれづれ>は和泉式部の愛用語。単なる退屈ではなく、時の空虚さへの焦燥感を表す。」(新潮版)
¶つれづれ(徒然)=「①何もすることがなく、手持ちぶさたなさま。退屈なさま。②どうしようもなくひとり物思いに沈むさま。[下略]」
(古語辞典)
¶日=「ひ」「か」「にち」の読み分けは、古語辞典・広辞苑、ともに記載なし。
□和024:つれづれと ながめくらせば ふゆのひも
      はるのいくかに おとらざりけり   
□悠024:ふゆのひは ながめくらすに かぎるわね
      はるすうじつと おなじですもの


image219 源平葛

2006-11-24 03:30:00 | images
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title : clerodendrum thomsoniae
yyyy/mm : 2006/10
memo : 源平葛(げんぺいかずら)。源氏の白に平氏赤、たれぞ付けたる旗幟(きし)の色、南蛮渡来に非ざればこそ。
【写真】先月の花市で。

和泉式部集023 年の暮れ

2006-11-23 04:00:00 | 和泉式部集

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年の暮れ数えるほどに悲しいわ
だって老いが迫るんですもの   悠山人

○和泉式部集、詠む。
○もうことしも、数えるほどの日日になったのね。正月を楽しみに待つ、という年齢はとうに過ぎて、今はただ老いへと追い込まれるだけ。こんなに悲しいことって、他にあるかしら? 煌びやかな世界に生活しているだけに、老醜が恐怖の現実になってくる。紫の述懐句と、この点では全く軌を一にする。

□和023:かぞふれば としののこりも なかりけり
      おいぬるばかり かなしきはなし   
□悠023:としのくれ かぞえるほどに かなしいわ
      だっておいが せまるんですもの


短歌写真258 遥かなる

2006-11-23 03:50:00 | 短歌写真

2006-1123-yts258
遥かなる山並越えて彷徨へば
われは聞きたりさきはひの声   悠山人

○短歌写真、詠む。本歌はK.ブッセの詩「山のあなた」、第一文。
○上田敏の名訳で、余りにも有名。ドイツ本国ではほとんど忘れられているのに、遠い日本では古典的落語にもなってしまったくらい、愛されている。しかし短歌に移した人はいない(たぶん)。また、独語を疎んじていたのに気が付いて、という理由もある。私の詠みと写真は、原詩との隔たりがあり、「さきはひ」に「西方浄土」「にらいかない」を意識した。
□短写258 はるかなる やまなみこえて さまよへば
        われはききたり さきはひのこゑ
【写真】複数写真(借用)をコラージュ。
【memo】検索中に、「ブッセの原詩が出てこない」という文章に出合った。たしかに日本語からは、なかなかヒットしない。ドイツ人・語と分かっているから、Yahoo! のドイツ版を開いてから検索してみた。そこで意外な事実も分かった。(変母音の関係で、原詩紹介は保留)
  http://www.litlinks.it/b/busse_c.htm(イタリア籍!)
  http://www.recmusic.org/lieder/
Karl Busse=geb. 1872 in Lindenstadt (bei Birnbaum)
        gest. 1918 in Berlin
作曲①by Alban Berg (1885-1935) , "Über den Bergen" , 1905-09, from Jugendlieder.
   ②by Othmar Schoeck (1886-1957) , "Über den Bergen" , WoO. 11 (1903).
   ③by Ernest Vietor (fl. 1905-1930) , "Über den Bergen" , op. 4 no. 2 (1907?) .


和泉式部集022 寒寒と

2006-11-22 00:20:00 | 和泉式部集
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寒寒としているからと柴焚いて
煙を立てているのでしょうか   悠山人

○和泉式部集、詠む。
○冬だとは言っても、今日はそんなに寒くはないわね。それなのに、あの山里あたりからは、しきりに煙が立っているではありませんか。もしかしたら、あまりにも森閑としている寂しさを、少しでも紛らわそうとしているのかな。当時の民百姓の苦しさは、万葉以来変わってはいないから、もちろん趣味とか優雅で不要な煙を出すようなことは、なかった。兼好のいう「言ひ出でつればおもしろし」の発想である。
□和022:さびしさに けぶりをだにも たてんとて
      しばをりくぶる ふゆのやまざと   
□悠022:さむざむと しているからと しばたいて
      けむりをたてて いるのでしょうか

俳句写真025 夾竹桃

2006-11-22 00:00:00 | 俳句写真

2006-1122-yhs025
夾竹桃
灰の都に
赤く映え   悠山人

○俳句写真、詠む。
○「灰の都」はポンペイ。「赤く」は「明く」。

□俳写025 けふちくたう はひのみやこに あかくはえ

【写真】35mmフィルムをスキャニング。ULは初。画質は粗い。