哲ノート

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忠治関宿 -浪曲定席木馬亭 三月-

2021-03-02 23:14:59 | 落語・浪曲・講談・演劇・芸能
季節の変わり目ですかね・・・雨風が強まる3月の初め

今月はひさびさ浪曲を聴きに浅草・木馬亭へ

日本浪曲協会定席は毎月第一週に行われるんですが、なかなか“お目当てさん”とのスケジュールが合わなくて・・・

お目当ては本日のトリ、澤孝子師匠です。情感をこめての熱演は圧巻で、毎回浪曲を拝聴して感動しまくっちゃいます。

今日は“嵐のような”天気なんで開演時は10名くらいの入り、いつものように前の方の席で“今日はどんな浪曲を…”と期待しながら拝聴します。

澤孝子師匠からも“細い目で”じっと見られながらですから、演じるほうも見るほうも緊張感をもって浪曲の世界へ・・・。

   

「江戸の初雪」「若き日の小村寿太郎」「鯉淵要人」「別れ涙の花舞台」「壺坂霊験記」「光秀眉間割り(講談)」「忠治関宿」澤孝子師匠で「滝の白糸」まで。

今回は港家小柳丸師匠の「忠治関宿」に聴き惚れました。

御存じ国定忠治の任侠ものですが、節と語りが一つの流れのようになめらか快活で、ぐいぐいと話しの世界にひきこまれました。

いろんな浪曲師さんの演目を聴いていると、語りから“意気こんで”節に入ったりして間が空いたりして、それが演目の中になんども繰り返されると「話の流れ」ってなんだって感じることがあるんですよね。

「歌劇」のように語りも節も流れを途切れることなく、さらっと流れるように語っていただくと演目に集中してひきこまれて共感できます。

今日の「忠治関宿」はとても聴きやすい演目となりました。

“お目当て”澤孝子師匠は泉鏡花作「滝の白糸」

女芸人の悲哀を節とともにたんたんと語る孝子師匠の情感こもった演目に期待通り引き込まれました。

前回は「春日局」を聴きましたが、今回もそうですが女性のさまざまな情念・悲哀を語らせた孝子師匠の熱演にはもう感動以外の言葉はありませんね。

日常の謙遜を忘れ、浪曲をしんみりと聴く…とっても有意義で貴重なひとときです。
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