今年最後の浪曲
年の瀬でにぎわう浅草、木馬亭での浪曲十二月定席六日目
開口一番は、木馬亭初登壇の頃からなじみある港家柳一「深川裸祭りの由来」(たしか初登壇の時もこの演目だったような)
“面白浪曲”東家千春「西遊記から孫悟空」そして敵討ちに相撲が・・・ユーモア交えて東家恭太郎「小田原情け相撲」、新三はどこへ行く・・・母子の情けを国本はる乃「仲乗り 新三」
中入り後は富士実子「悲母大蛇」講談「出世証文」、最近のお目当てから、東海道五十三次の長い演目の中から東家一太郎「野狐三次 大井川の義侠」
そしてトリは澤順子「素麺を煮る内蔵助」
義士伝モノなんだろうけど「素麺・・・?」「素麺を煮る内蔵助・・・?」なんじゃ、それ。
討ち入り前の大石内蔵助と妻りく(息子、力が生まれる前)内蔵助のばば様との逸話から。
内蔵助が素麺を料理しちゃうという、なんともほのぼのとしたやりとりで、3人のありさまが味わい深く聴いていて楽しくなる演目
ガチガチの啖呵を切るような浪曲もいいけど、たわいのない逸話をのんびりと聴くのもまたいいもんで・・・節を合い間にはさむとなんとも心地よい。
その後は力(ちから)の誕生から討ち入りの場まで織り込んでの、これもりっぱな「義士伝」となりました。
年の瀬に聴くバラエティーに富んだ演目が並んだ「浪曲定席」ほんとよかったぁ・・・。