言葉のクロッキー

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映画『ボヘミアン・ラプソディー』

2018-12-26 | 映画 音楽
イギリスのある小さな居酒屋。そこで演奏していたバンドのボーカルが、もっと大きな世界に憧れて辞めた。そこに口の大きなインド系の顔つきの青年が、ボーカルの後釜にと売り込みをした。難色を示したバンド達だったが、声を聴いて受け入れた。それがこの映画の主役だった。もともと歌がうまかったのとギター・ベース・ドラム担当も作詞・作曲・編曲・歌唱などどれも熱く演奏する若者たちだったので、中央に躍り出てゆくのも早かった。国内だけでなく、海外へもどんどん出かけ演奏し、大成功を続ける。観衆に受ける曲作り工夫がすばらしい。映画では次から次にとヒット曲を映し出して、飽きない。7万人余りの客と一緒になって歌う迫力。そういう観衆をまとめあげる、たった一人のボーカル。すごいオーラが全身から放射されてるのを感じる。演奏の素晴らしさだけでなく、仲間・家族・恋人・自分自身・創作上のぶつかり合い・取り巻き立ちやメディアの人たち・・そういうエピソードが合間に挿入されていて、この映画を理解するスパイスとなっている。クイーンのファンなら誰でも知ってることなのかもしれない。このボーカル、フレディ・マーキュリーは1991年に45歳で亡くなった。彼はHIVに侵されていたのだ。ラストの20分余りは、声がかすれてきたフレディが、その命の最後の残り火を掻き立てるかのような、一世一代、渾身の舞台を見せる。もちろん俳優が演じてるのだけど、素晴らしいパフォーマンスが繰り広げられる。まるでその会場の特等席に招待されたかのような、気持ちが大きく膨らむ後味が残る映画だった。

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