ニコンが5月31日から発売した「AF-S NIKKOR 800mm f/5.6E FL ED VR」(ニュースリリース)。
予約殺到で品薄だそうです。以下はニコンの「お知らせ」。
『AF-S NIKKOR 800mm f/5.6E FL ED VRは、2013年1月29日の発表日以降、全世界で予想をはるかに超えるご予約をいただき、生産がご注文に追いつかない状況が続いております。お客様には大変ご迷惑をお掛けしており申し訳ございません。引き続き鋭意生産に努めてまいりますので、ご理解のほどお願い申し上げます。』
オートフォーカス(AF) NIKKORレンズ史上最長となる焦点距離800mm。
スポーツ、報道、野生生物撮影に使われる超望遠レンズ。ニコンの技術を結集した素晴らしいレンズのようです。
ニコンのサイトのMTF曲線を見るとびっくりします。
曲線が上に張り付いているほどいいわけですが、こんな完璧に近いMTF曲線は珍しい。
付属のテレコンバーター「AF-S TELECONVERTER TC800-1.25E ED」(装着で焦点距離1,000mmになる)を付けても、下のMTF曲線のようにあまり解像度が劣化しないようです。
いったい何なんだと思うぐらい見事。解像度の高いレンズですね。
主なスペックは次の通り(ニコンのサイトより)。
型式 ニコンFマウントCPU内蔵Eタイプ、AF-Sレンズ
焦点距離 800mm
開放絞り f/5.6
最小絞り f/32
レンズ構成 13群20枚(EDレンズ2枚、蛍石レンズ2枚、ナノクリスタルコートあり)、他保護ガラス1枚
画角 3°10′(FXフォーマットのデジタル一眼レフカメラ)
2°(DXフォーマットのデジタル一眼レフカメラ)
ピント合わせ IF(ニコン内焦)方式、超音波モーターによるオートフォーカス、マニュアルフォーカス可能
最短撮影距離 AF時5.9 m、MF時5.8 m
最大撮影倍率 AF時1/6.6倍、MF時1/6.4倍
絞り羽根枚数 9枚(円形絞り)
絞り方式 電磁絞りによる自動絞り
アタッチメントサイズ 52mm(P=0.75mm)
寸法 約160mm(最大径)×461mm(レンズマウント基準面からレンズ先端まで)
質量 約4590g
手ぶれ補正 4段分
価格.comの最安値は¥1,618,000(6/1現在)となっています。
価格からして一般の人には縁遠いレンズですが、報道機関にとっては何でもないと思います。
ニコンでシステムを組んでいる社なら「夏の高校野球、ソチ五輪で使いたい」といえば、一発で稟議が通るのでは。
通信社に写真を売ってなんぼの国際的なプロカメラマンも買うでしょうし、野生動物ファンのハイアマチュアも買うかもしれません。予約が殺到してもおかしくないですね。
一方、キヤノンにはすでに「EF800mm F5.6L IS USM」があります。
主なスペックは以下の通り(キヤノンのサイトより)。
画角(水平・垂直・対角線) 2°35'・1°40'・3°5'
レンズ構成 4群18枚
絞り羽根枚数 8枚
最小絞り 32
最短撮影距離 6m
最大撮影倍率 0.14倍
フィルター径 差し込み52mm
最大径×長さ φ163mm×461mm
質量 4500g
手ブレ補正効果 約4段分
大きさはほぼ同じ。ニコンの方がレンズ枚数、絞り羽根枚数が多く、少し重いですが、全体の姿はスリムな感じで引き締まっているように見えます。
キヤノンのサイトのMTF曲線を見ると、ニコンほどすごくはないですね(ただし2008年 5月の発売から、すでに5年たっており、リニューアルの噂が…)。
さて、これほど人気が出る「AF-S NIKKOR 800mm f/5.6E FL ED VR」を触る機会が、実はあったのです。
今年の「CP+ 2013」ですでに展示されていました。
「CP+ 2013」ニコンブースの体験コーナーに展示されていたAF-S NIKKOR 800mm f/5.6E FL ED VR。
あまりにもじっくり(しつこく?)試す人が多くて… 待てずにあきらめました。
今から思うと、惜しかったですね。