つれづれ写真ノート

   カメラと写真 そして世の中の色々なこと---

「ライカ X バリオ」発表

2013年06月11日 | カメラ

ライカの広告で「ライカ MINI M」として予告されていたカメラが6月11日発表されました(写真はライカのホームページより)。

発売は6月20日から。

正式名称は「ライカ X バリオ(LEICA X VARIO)」となりました。

 

噂通り、APS-CサイズのCMOSセンサー(有効画素数1620万画素)を搭載したコンパクトデジタルカメラでした。固定のズームレンズは、ライカ バリオ・エルマー f3.5-6.4/18-46mm ASPH.(35mm判換算28~70mm相当)。

トップカバーは「ライカM」と同様、無垢のアルミニウムから削り出し。マグネシウムも使用、『堅牢なフルメタルのボディとホールド感のよい上質な外装レザーにより、ライカのカメラと呼ぶにふさわしい質感を実現しています。(HPより)』と、高級感を強調しています。このあたり、さすがにライカらしいですね。

背面には3.0型TFT液晶モニター(92万ドット)。撮影には液晶画面を見るほか、電子ビューファインダー「ライカEVF2」を付けることもできます。

オートフォーカスモードは、 1点、11点、スポット、顔認識の4種類から選べます。オートフォーカスでピントを合わせた後、マニュアルフォーカスでピントを微調整することもでき、被写体の中央部を拡大表示するフォーカスエイドが使えるようになっています。

連写は、3コマ/秒、5コマ/秒 (最大7コマ)。

ISO感度は100-12500。

フルハイビジョン(1920×1080、30コマ/秒)動画が撮影でき、動画の記録形式はMP4。モバイル機器への転送やソーシャルメディアへのアップロードができます。

重さは約628g(バッテリー含む)。

「ライカM」に比べて小ぶりな感じ。オートフォーカス、ズームなど、色々な状況で使いやすそうな機能が備わっています。

 

さて、問題は価格。イギリスでは2250ポンドだそうです。約34万円!

ウーム… やはり高価ですね。


有機CMOSセンサー

2013年06月11日 | カメラ

富士フイルムとパナソニックが6月11日、有機薄膜を用いた有機CMOSイメージセンサー技術を開発したと発表しました。(ニュースリリース  富士フイルム / パナソニック

デジタルカメラの革新につながるのでしょうか。とても興味を持って読みました。

 

ニュースリリースによると、

『イメージセンサーの受光部に、光を電気信号に変換する機能を持つ有機薄膜を用いることで、従来のイメージセンサーを超える性能を実現する有機CMOSイメージセンサー技術を開発しました。本技術をデジタルカメラなどのイメージセンサーに使用することで、さらなるダイナミックレンジの拡大や感度アップなどを実現し、明るいところで白トビなく、暗い被写体でも鮮明で質感豊かな映像を可能にします。』

とのこと。

具体的には、

(1)業界最高の88dBのダイナミックレンジにより、白トビなく、暗い被写体も鮮明で階調豊かな映像が取得可能
(2)従来の約1.2倍の感度を実現し、暗いところでもクリアな映像が撮像可能
(3)入射光線範囲を60度へ拡大し、忠実な色再現性を実現
(4)高信頼性を実現し、幅広い用途で利用が可能

ということで、ダイナミックレンジが広がったことが大きな特長のようです。

 

ダイナミックレンジについて

 ダイナミックレンジは撮影できる明るさの範囲で、フイルム写真の「ラティチュード」と同じ。最も明るい部分と最も暗い部分の比をdBという単位で表します。

人間の目のダイナミックレンジは80dBぐらい。ただ、瞳を絞ることで、100dB以上の明るさを識別できるとも言われています。

デジタルカメラのダイナミックレンジは人間より狭い、またフイルムよりも狭いとよく言われてきました。少し古いデータによると、APS-Cサイズの一眼レフで60dBぐらい。フルサイズだとそれよりも良いようです。富士フイルムとパナソニックの発表を信用すれば、今までのデジタルカメラのセンサーは最高でも88dB未満だったのでしょう。(ニコンD800はダイナミックレンジの広いカメラだと言われますが、dB値でどれぐらいなのか、知りたいところです)

今回発表された有機CMOSイメージセンサーは、ほぼ人間の目に匹敵するダイナミックレンジを達成したということになります。これは、なかなかすごいと思います。

 

ダイナミックレンジが広いと、明暗差が大きい被写体でも白飛び・黒ツブレせず、諧調豊かに撮れるのでありがたいですね。

風景写真の空や、花に当たる日の光などが強すぎて白飛びしてしまったというのはだれでも経験のあること。写真を撮れば撮るほど、ダイナミックレンジが広いカメラこそ良いカメラだなあ、という気持ちになってきます。

早くこのセンサーを搭載したデジタルカメラを開発してもらって、実写画像を見たいものです。

 

上には上が…

ところが、業務用カメラの中にはダイナミックレンジがもっと広いものがすでにあるのです。

アドバンスドソリューションズ(本社・東京)の「HDRCカメラ」。なんと170dBという極めてダイナミックレンジの広いCMOSイメージセンサーを搭載、人間の目では見えない暗闇から太陽の光まで撮影できるそうです。

同社のホームページを見てみましたが、監視カメラや車載カメラとしての用途が主のようです。車載カメラは、太陽の逆光や、暗いトンネル、対向車のヘッドライトなど明暗差の大きい環境で使われるので、なるほどダイナミックレンジの広さが要求されるわけです。

ただ、これだけダイナミックレンジが広いと、画像としてはコントラストが弱い、フラットな印象です。最近のデジタルカメラのHDR(ハイダイナミック)合成画像もそうなりがちですが…

 

通常の撮影では、もっとコントラストのある方が良いと思う向きもありそうで、この辺りのかねあいが難しいところ。有機CMOSイメージセンサーでは、どういう風に調整するのか気になります。

 

高感度なども期待

従来の約1.2倍の感度というのも大きなメリット。

また、これまで「井戸の底をのぞくような」といわれたイメージセンサーの構造面での問題が改善され、入射光線範囲が60度に拡大したのも画期的。レンズ制作での自由度が増し、カメラの小型化につながるそうですから、期待したいですね。