「4K」という文字をいたるところで目にした今年の「CP+ 」。
それを特に前面に打ち出していたのがパナソニックでした。
◆パナソニック
パナソニックのブース。
「GH4」「LX100」「FZ1000」を手にとって、4K 撮影が体験できました。
パナソニックブースのモデルさん(パナの機材ではなく、キヤノンEOS 6Dで撮影)。
パナソニックは、4K動画から切り出した4K PHOTO(800万画素)をアピールしています。
4K PHOTO画質が十分なら、カメラの連写機能は不要。将来的に大きな変革をもたらす可能性があります。今のところは、800万画素で足りるかと言うと、ちょっと心もとないところがありますが…
このほか、4K PHOTOで実際に撮影した写真家の作品も展示していました。
マルチコプタ―に、比較的軽量の「GH4」(本体のみ480g)を搭載した空撮システム。
これを使いこなせたら、面白い絵が撮れそう。
ただし、展示されているDJI製マルチコプタ―「S-900」などを導入するとかなり費用がかかるようです。
1インチセンサー、Android搭載の“スマホ型カメラ”「CM1」。
これも4Kが撮れるそうで驚き。国内では2000台限定モデルで、3月中旬から一部店頭で販売されます。
なぜ限定販売なんでしょうね。
ひとつには、スマホとしての通信に必要なSIMカードが海外のように簡単に買えないので、需要が読みにくいという事情があるようです。
オジサンとしては、こういう機器は苦手。「YOUのデジタルマニアックス 」さんが、ハンズオンしたレポートを書いてくれているので、そちらをご覧ください。
苦手といえば、動画も苦手。
「システム提案書 GH4U」という、GH4の動画性能を詳しく解説したパンフレットをもらいましたが、業務用の専門用語が満載でアタマがクラクラ。
『(拡張インターフェースユニットの)SDI 映像出力は、高画質10bit 4:2:2、Quad Link 4K(SDI×4、Square Division方式)に出力対応し… 』だって。分かります?
ほとんど理解できませんでした。
動画を一から勉強するかなァ~
会場の一角にあった、自分の画像データを持参すると4K モニターに映し出してくれるコーナー。
「カナダに行ってきたんだ」というオジサンの、美しい作品にほれぼれ。
そのあと、恥ずかしげもなく、私の作品も映してみました。
どうかな~ 平凡ですけど。
あらら、これは赤色が強過ぎ。
あとで調べてみたら、持参したのは、あるコンテストに出すためプリント印刷に使ったデータ。プリントは思うような色にならないので、画像処理で赤味を強調したものでした。
4kモニターが悪いのではなく、加工し過ぎた不自然な色合いがそのまま出てしまったわけです。
鮮やかな4Kモニターには、自然な色合いの写真がいい--- そう思いました。
会場には、NHKの「8Kスーパーハイビジョン」展示も(撮影不可。PRONEWS など参照)。紅白歌合戦などの映像を流していました。
ただ、どうなんですかね~ 画面が白っぽいのは会場の照明のせい? 正直なところ、精細さがいまいち良く分かりませんでした。
さて、次は富士フイルムへ。
◆富士フイルム
富士フイルムブース。
希望するカメラボディーとレンズを組み合わせ、モデル撮影ができました。
最初に選んだのはこれ。
「X-T1」と「XF56mmF1.2 R APD」。
アポダイゼーション(APD)フィルターを搭載、ボケが美しい「XF56mmF1.2 R APD」。
しかし被写体が遠め。それと、かなり強い照明で、コントラストがきつ過ぎのステージ。このレンズは特にコントラストが強く出るという話なので、やわらかなボケ味を生かした描写にはなりませんでした。(富士「XF 56mm F1.2 R APD」の画質---1月25日記事参照)
レンズを交換しました。
35mm判換算76-213mm、F2.8通しの高性能レンズです。
(X-T1 XF50-140mm F2.8R LM OIS WR 絞りF2.8、1/60秒、ISO 250、画質JPEG)
一部、白飛びしているのはご容赦を。
富士のカメラはダイナミックレンジが広いはずなんですけどね。
腕の問題かな…
◆シグマ
見てきました。シグマの“変態”カメラ。
言い方に語弊があるといけませんが、シグマの山木社長自身がそう言っているらしいので。(田中希美男 さんのツイッタ―参照)
2月10日に発表された「dp0 Quattro」。発売日は未定。(シグマの発表)
超広角単焦点レンズ14mm F4(35mm版換算21mm)を搭載。
シグマによれば、
『この「SIGMA dp0 Quattro」がラインナップに加わることにより、撮影目的に応じて21mm(SIGMA dp0 Quattro)、28mm(SIGMA dp1 Quattro)、45mm(SIGMA dp2 Quattro)、75mm(SIGMA dp3 Quattro)、90mm(dp3 Quattro専用の1.2倍テレコンバーター装着)の中から最適な選択が可能となります。 』
ということですが、そのためにカメラ4台とテレコンを買わなければならない、というわけ?
「dp0 Quattro」はどう見ても不思議な形です。もともと変わったデザインのカメラボディーに加えてレンズが異様に大きい。
こんなケッタイなカメラ、買う人がいるのだろうか?
ま、Foveon センサーの高精細画質が好きな人は風景派に多いと思われるので、広い風景を撮るためとあれば、飛び付くかもしれませんが…
シグマの超望遠レンズ体験コーナー。おなじみの弩級レンズ「APO 200-500mm F2.8 / 400-1000mm F5.6 EX DG」。
シグマのSportsシリーズ「150-600mm F5-6.3 DC OS HSM」の部品をずらりと並べた展示。
すごい精密技術です。手前は無塗装の筺体。そうか最初はこんなにピカピカなんだ…
◆カシオ
カシオはユニークな分離型のコンパクトカメラ「EX-FR10」をアピール。
ステージに「楽しさ」があふれていました。コンパクトカメラに徹して頑張っているカシオはエライ!
◆ケンコー・トキナー
ドイツのカメラ誌でも高い評価を受けたという、トキナー「AT-X 70-200mm F4 PRO FX 」の性能を、高橋良輔さんがセミナーで解説していました。
周辺部を含め解像力が高く、ボケがやわらかい。ディスト―ションがない。手ぶれ補正が良く効く。と良いことずくめ。
作品を見せてもらうと、確かに前ボケも後ボケも美しい。こういうレンズは少ないです。
良いレンズだな~ と率直に思いました。
でも、ニコンマウントしかないんですよね。そこが残念。
恒例のモデル撮影タイムで。(キヤノンEOS 6Dで撮影)
ほかにも良さそうなレンズが色々展示されていました。
近日発売の、トキナー「24-70mm F2.8」。
これも新製品の、トキナー「11-20mm F2.8」。
◆ハッセルブラッド
「スウェーデンメーカー共同出展 HASSELBLAD X PROFOTO」。
ふだん見られないカメラや機材に触れられるのも「CP+」の魅力。ともにスウェーデンを拠点とする、中判カメラのハッセルブラッドとストロボメーカーPROFOTOが共同で出展していました。
スポーツ、ダンス、ショーなど面白そうなイベント。プロ向きとはいえ、カメラ関係のサイトではあまり取り上げられておらず、ノーマークでした。もっと宣伝したら良かったのにと思います。(イベントの内容)
あこがれのハッセルブラッドを試せるとは幸せ。デジタルバック「CFV-50c」(5000万画素)を取り付けた、往年の名機Vシステム。(engadget日本版参照)
カメラの前の部分はフイルムカメラなので、1枚撮るごとにクランクで巻き上げ(ミラーアップ)が必要。昔のように1枚ずつ丁寧に撮るという感覚です。
精細極まる中判デジタル写真が撮れるのですから、すでにVシステムを持っている愛好家には人気が出るのでは。値段も158万円(税別)と、中判デジタルとしてはお買い得(?)。
また、最初からデジタル用に作られた「Hシステム」もキャンペーンをやっていました。
エントリーモデル「H5D-40」(4000万画素)が、ボディとHC80mmレンズセットで税別158万円(キャンペーン以外では通常220万円)。
PROFOTOのストロボ。
ハイスピードシンクロに対応。超高速シャッターでもストロボが使えるということらしく、宙に飛びあがった人物を捕えた作品例がありました。
「CP+ 2015」はこれで終わりにします。
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撮影カメラ・レンズ
キヤノンEOS 6D
EF24–105mm F4L IS USM
ソニーRX100
(富士フイルムX-T1による実写を除く)