goo blog サービス終了のお知らせ 

つれづれ写真ノート

   カメラと写真 そして世の中の色々なこと---

有機CMOSセンサー

2013年06月11日 | カメラ

富士フイルムとパナソニックが6月11日、有機薄膜を用いた有機CMOSイメージセンサー技術を開発したと発表しました。(ニュースリリース  富士フイルム / パナソニック

デジタルカメラの革新につながるのでしょうか。とても興味を持って読みました。

 

ニュースリリースによると、

『イメージセンサーの受光部に、光を電気信号に変換する機能を持つ有機薄膜を用いることで、従来のイメージセンサーを超える性能を実現する有機CMOSイメージセンサー技術を開発しました。本技術をデジタルカメラなどのイメージセンサーに使用することで、さらなるダイナミックレンジの拡大や感度アップなどを実現し、明るいところで白トビなく、暗い被写体でも鮮明で質感豊かな映像を可能にします。』

とのこと。

具体的には、

(1)業界最高の88dBのダイナミックレンジにより、白トビなく、暗い被写体も鮮明で階調豊かな映像が取得可能
(2)従来の約1.2倍の感度を実現し、暗いところでもクリアな映像が撮像可能
(3)入射光線範囲を60度へ拡大し、忠実な色再現性を実現
(4)高信頼性を実現し、幅広い用途で利用が可能

ということで、ダイナミックレンジが広がったことが大きな特長のようです。

 

ダイナミックレンジについて

 ダイナミックレンジは撮影できる明るさの範囲で、フイルム写真の「ラティチュード」と同じ。最も明るい部分と最も暗い部分の比をdBという単位で表します。

人間の目のダイナミックレンジは80dBぐらい。ただ、瞳を絞ることで、100dB以上の明るさを識別できるとも言われています。

デジタルカメラのダイナミックレンジは人間より狭い、またフイルムよりも狭いとよく言われてきました。少し古いデータによると、APS-Cサイズの一眼レフで60dBぐらい。フルサイズだとそれよりも良いようです。富士フイルムとパナソニックの発表を信用すれば、今までのデジタルカメラのセンサーは最高でも88dB未満だったのでしょう。(ニコンD800はダイナミックレンジの広いカメラだと言われますが、dB値でどれぐらいなのか、知りたいところです)

今回発表された有機CMOSイメージセンサーは、ほぼ人間の目に匹敵するダイナミックレンジを達成したということになります。これは、なかなかすごいと思います。

 

ダイナミックレンジが広いと、明暗差が大きい被写体でも白飛び・黒ツブレせず、諧調豊かに撮れるのでありがたいですね。

風景写真の空や、花に当たる日の光などが強すぎて白飛びしてしまったというのはだれでも経験のあること。写真を撮れば撮るほど、ダイナミックレンジが広いカメラこそ良いカメラだなあ、という気持ちになってきます。

早くこのセンサーを搭載したデジタルカメラを開発してもらって、実写画像を見たいものです。

 

上には上が…

ところが、業務用カメラの中にはダイナミックレンジがもっと広いものがすでにあるのです。

アドバンスドソリューションズ(本社・東京)の「HDRCカメラ」。なんと170dBという極めてダイナミックレンジの広いCMOSイメージセンサーを搭載、人間の目では見えない暗闇から太陽の光まで撮影できるそうです。

同社のホームページを見てみましたが、監視カメラや車載カメラとしての用途が主のようです。車載カメラは、太陽の逆光や、暗いトンネル、対向車のヘッドライトなど明暗差の大きい環境で使われるので、なるほどダイナミックレンジの広さが要求されるわけです。

ただ、これだけダイナミックレンジが広いと、画像としてはコントラストが弱い、フラットな印象です。最近のデジタルカメラのHDR(ハイダイナミック)合成画像もそうなりがちですが…

 

通常の撮影では、もっとコントラストのある方が良いと思う向きもありそうで、この辺りのかねあいが難しいところ。有機CMOSイメージセンサーでは、どういう風に調整するのか気になります。

 

高感度なども期待

従来の約1.2倍の感度というのも大きなメリット。

また、これまで「井戸の底をのぞくような」といわれたイメージセンサーの構造面での問題が改善され、入射光線範囲が60度に拡大したのも画期的。レンズ制作での自由度が増し、カメラの小型化につながるそうですから、期待したいですね。

 


下赤阪の棚田

2013年06月10日 | 風景・建物

田植えの頃の棚田風景を撮りたくなり、6月6日、大阪・千早赤阪村「下赤阪の棚田」へ行ってきました。

農林水産省が選定した「日本の棚田百選」の一つです。

下赤阪の棚田。

大阪府内にもまだこんな日本の懐かしい風景が残っています。

 

もちろん、アクセスはあまり良くありません。かといって、ものすごく辺鄙かというとそうでもなく、一度行ったら案外楽に再訪できるところ。

今回は、近鉄富田林駅から金剛バス(千早線)に乗り、赤阪中学校前で下車。徒歩で向いました。赤阪中学校への急な坂道を上り、グラウンドや校舎の間を通ります。この辺で初めての人は「え、学校の中? 道を間違えたのかな?」と迷うようです。

しかし、間違いではなくて、学校の裏の高台に上がると、棚田を見渡せる絶好の場所になっています。

中学生がみんな「こんにちは」と挨拶してくれるのも、気持ちがいいです。

 

アジサイも咲き始めていました。

 

高台は公園になっていて、休憩場所や簡易トイレが設置され、駐車スペースもあります。

車で来る場合は、国道309号線の森屋(交差点) で折れて府道705号線に入り、赤坂中学校への坂道を上り、校舎の間を抜けて高台へ。比較的楽に来られるのではないでしょうか。

アマチュアカメラマンや、外国人観光客の姿もありました。

 

「赤坂城址」の碑が建っていました。

鎌倉時代から南北朝時代にかけて活躍した楠木正成によって築城された山城の跡で、国の史跡だそうです。

 

高台の水路を、水が音をたてて流れています。

その水をたどっていくと、田植え時の棚田の一つ一つに水が流れ込んでいくのが分かります。

高台より上に高い山はないように見えるので、どこにこんな豊富な水量の源があるのか、不思議な感じがしました。

おそらく、どこかに金剛山系からの水脈があって、それが昔からこの村の田畑を潤しているのでしょうね。

 

田植えが済んだばかりの棚田。

余った苗が田の隅にまとめて置かれています。倒れたり、根付かなかった苗が出たときに備えている「余り苗」。俳句では夏の季語。一句詠みたいところ、思い浮かばないので人の句で…

 あをあをとして生きてゐる余り苗       岩田由美

 

幾重にも区切られた棚田。遠くの方の田は谷へ落ち込んでいきます。

長い年月をかけて続けられてきた、農家の人の並々ならぬ苦労を思います。

 

日没の風景を撮るため、高台の休憩場所でしばらく時間待ちしました。

ここに何回も通っているという、常連のカメラマンの人としばしカメラ談義。

作品のプリントも見せてもらいました。季節ごとのポイントを知り尽くしているだけに、素晴らしい。いやあ、常連さんにはかないません。

 

さて、夕暮れの午後7時ごろから撮影再開。

薄曇りの一日でしたが、日没後の一瞬だけ、空が赤く染まったのが奇跡のよう。

 

三脚を立て、ライブビューでマニュアルフォーカス。ミラーアップしてブレを抑え、リモートケーブルでレリーズ。ぎりぎりのシャープネスを狙いました。

勝負は20分間ぐらいしかありません。

このコマはとりあえずその場の雰囲気を。

茜色の空はいいんですが、手前は田植え前だし、図柄的にはダメですよね。

かろうじて救える別カットをコンテストに出すことにしました(未発表が原則なので、ここに掲載できません)。

 

ライブビューで20分間、夢中になって写しているうちにボディーが熱くなり、周りもすっかり暗くなったので撮影終了です。

ライブビューの発熱が過ぎると、キヤノンのEOSでは警告の温度計アイコンが表示される仕様になっています。

アイコンが出たかどうかは気が付きませんでした。もっともアイコンが出たからと言ってカメラが壊れるわけではなく、静止画像にノイズが出て劣化するだけ。

 

帰ってからパソコンで見たら、それほど枚数を撮っていませんでした。

棚田は広いのですが、良いポイントはそれほどたくさんはありません。かえって、最初の高台の公園からの遠望が、図柄としては一番よさそうでした。動き回らないで撮ったほうが良かったかもしれません。

 

ただ、ネットで見ていると、一般には立ち入れないところで、農家の人の許可を得て写せる絶好のポイントがもう一か所あるようです。

 

稲穂が実る秋には、毎年棚田のライトアップイベントがあります。棚田が、ろうそくの燈で浮かび上がる幻想的な世界。

田植えとはまた違った趣の写真になりそうです。

もう一度訪ねてみましょうか…

-------------------------------------------------------------------------

撮影カメラ・レンズ

  キヤノンEOS 6D

  EF24–105mm F4L IS USM


アジサイと花ショウブ

2013年06月09日 | 

大阪・長居植物園のアジサイの続きです。

アジサイ園で写した咲き始めの花たち。今頃はちょうど見ごろを迎えているかもしれません。

可憐ですね。

 

まだボリュームがありませんが…

 

こんなアジサイもありました。

 

大池のほとりでは花ショウブが咲き始めていました。

デジタルカメラにとって、紫色を正確に再現するのは難しいといわれます。

なので、こんな色だったかどうか、ちょっと自信がありません。

 

公園内の「花と緑と自然の情報センター」2階のアトリウムでは、「花菖蒲とアジサイ展」が開かれていました(5月28日~6月16日)。

 

花菖蒲が日本庭園風に配置され、鮮やかなアジサイも展示されています。

 

「紅の糸」という名の花ショウブ。

 

「新天地」。問題の紫色ですが、実際より少しレッドに偏ったかも。

 

「伊勢路の春」。

 

ユニークなアジサイがありました。

「コンペイトウ」。

そうそう、金平糖はこんな形のお菓子。人気の品種のようです。

 

「ハワイアンブルー」。

思いっきり鮮やかな青。こういうアジサイも欲しいです。

 

「ピーチ姫」。

ネーミングがいいですね。おきゃんなお姫様。

 

展示を見た後、1階の喫茶でアイスコーヒーを飲みました。

今年最初のアイスコーヒーかな…

冷たいものが欲しい季節になりました。

-------------------------------------------------------------------------

撮影カメラ・レンズ

  キヤノンEOS 6D

  EF70-300mm F4-5.6L IS USM


ソニーRX100の新型?

2013年06月07日 | カメラ

ソニーのコンパクトデジタルカメラ「RX100」の後継機が6月の終わりに発表されるという噂が出ています(デジカメinfo / Sony Alpha Rumors)。

「RX100 MKII 」とか「RX200」のネーミングで。

Wi-Fiとチルト液晶モニタが搭載されるとか。

 

しかし、今使っているRX100に満足しているので、よほど良いスペックでないと、どうでもいいなあという感じです。

RX100はほんとに良いカメラです。小さくて、AFが早く、ピピッと撮れます。そこそこズームが利き、広角にするとF1.8と明るいレンズなので暗いところにも強い。もちろん1インチセンサーの画質も秀逸で、ツァイスレンズのおかげか色収差がほとんどない。日中の戸外でも見やすく明るい液晶。録画や連写もOK。というわけで、どんな環境で何があっても、たいていのものはこれだけで撮れます。

ベルトに付けたポシェットに入れて、いつも一緒に連れ歩いています。

 

 ソニーRX100

 

最近、大きめセンサーを積んだプレミアムコンパクト機が出そろった感があります。1インチを上回るセンサーも次々に。

ただ、APS-Cセンサーであっても単焦点がネックだったり… 総合的に見てRX100を上回るだけの魅力を感じるプレミアムコンパクト機はないように思います(個人的なひいき目かもしれません)。

 

それなので、RX100の後継機が出るとしても、良さをつぶさないでほしいという気持ちです。

チルト液晶をつけても大きくなるのなら、良くないですね~

 


アジサイ

2013年06月05日 | 

梅雨の花・アジサイ。

大阪・長居植物園で咲き始めました。

テレビのニュースなどを見てやってきた人が多いようでしたが、まだ3分咲程度。一部の品種しか咲いていませんでした。

見ごろはもう少し先のようです。

 

緑の中の淡い青が美しいです。

 

咲いている数は少なくても、アップで狙うと絵になります。写真の面白いところ。

 

アジサイと言えばやはり青色が代表ですが…

 

ピンクもきれい。まん丸の毬のような面白い花。

 

木漏れ日を受けて浮かび上がる優しい色。

 

作品にするつもりで、前ボケなど色々試みています。

 

離れた花が玉ボケのようになりました。

 

鮮やかな青い花も見かけたので撮っておきました。構図は平凡ですが…

 

小さめのアジサイですが、きれいな色でした。

植物園では、屋内でのアジサイや花ショウブの展示もあり、こちらも撮ってきましたので次回に…

-------------------------------------------------------------------------

撮影カメラ・レンズ

  キヤノンEOS 6D

  EF70-300mm F4-5.6L IS USM


3Dプリント・フィギュア

2013年06月03日 | カメラ

自分とそっくりのフィギュアができる「3Dプリント・フィギュア」を、ソニー・ミュージックコミュニケーションズが販売しています。

もともとは、3月に開催されたアニメ コンテンツ エキスポ 2013で、テスト販売されたもの。反響が大きかったため、期間限定で追加販売することになったそうです。

 

最近の報道によると、3Dプリンターという技術は今後色々な分野でイノベーションを起こしそうだというので、アメリカが特に力を入れています。自動車などの製造業から医療、兵器まで応用範囲が広がっていくと予想されています。

なかでもフィギュアというのは、身近で、みんなが関心を持ちそうな応用ですね。ソニー・ミュージックコミュニケーションズのサイトを見ていて、これは面白い、と思いました。

 

3Dプリント・フィギュアの制作過程が動画になっています(YouTubeより)。

フィギュアの素材は白い石膏なんですが、石膏の塊をほぐすと中から彩色されたフィギュアが現れる場面など、ミケランジェロが大理石の塊の中からダビデ像を彫り出すのにも似た“神業”。感動してしまいました。

3Dプリント・フィギュアのしくみについては次のように説明されています。

・白い石膏の粉を薄く土台に広げ、その上からスキャンされた3Dデータにそって忠実に造形していきます。
・インクと石膏を固める特殊なボンドによって放射された部分だけが固まっていくという仕組みです。
・この薄い石膏の層をプリンターが何重にも重ねて立体を形成していくことになります。

・印刷後は埋没した石膏パウダーの塊の中から余分なパウダーを丁寧に除去し、造形されている部分を丁寧に取り出します。

 

黎明期の肖像写真のように…

ところで、人間の3Dデータを取得するためには、まずスタジオで3Dスキャナーを使った撮影が必要。この間に動いてしまうと、正確なデータが取得できないため、10分~20分程度静止状態を保たなければならないそうです。

10分~20分も静止!

同社では『静止しやすい無理の無いポーズで撮影することをおすすめいたします』と説明していますが、これは大変ですよ~

 

この説明を読んでいて、写真が登場したころの話を思い出しました。

19世紀前半に、フランスのダゲールが初めて実用的なカメラ「ダゲレオタイプ」を発明、肖像写真が一大ブームになったころ。「ダゲレオタイプ」で銀板写真を撮影するのに最初は数分から数10分かかったといわれます。

「ダゲレオタイプ」はのちに数秒~数10秒まで短縮されたものの、人間が同じ姿勢をとり続けるのは難しいため、後頭部を「首おさえ」という金具で固定するなどの工夫が必要とされたとのこと。

長い間体を拘束されて写されたので、そのころの肖像写真の表情には、カメラを凝視するような緊張感が満ちています。(美術出版社刊「カラー版 世界写真史」など参考)

 

3Dスキャンも何か固定金具が要りそうですね。現代の最先端技術が、妙に黎明期の肖像写真撮影術と似てくるのが面白いところです。

 

ルイ・ジャック・マンデ・ダゲール(1844年、ダゲレオタイプ)=ウィキペディアより

 

制限事項も色々

3Dプリント・フィギュアにできない、撮影・再現が難しいものも色々あるようです。

以下は同社の説明。

・小さい水玉や細い線のストライプ模様など細かい柄や複雑な柄は、モアレを起こしますので正しく撮影できません。
・エナメルや合皮製の靴やスタッズのついたものなど、光る素材の衣服や携帯品・装飾品は、正しく撮影できません。
・ファーのような素材は、商品ではその質感が十分に表現されません。
・シフォンなどの網目のある素材やレースなどの薄い素材は、撮影時に光がすり抜け、正しく撮影できません。
・ピンヒール、チェーンバック、フープピアスなどの細かい携帯品・装飾品は、正しく撮影できません。
・レースなどの薄い素材のものは、十分にデータが取得できないため、撮影できません。
・編み上げブーツ、トレッキングシューズなど凹凸の激しい履物や携帯品・装飾品は、正しく撮影できません。
・眼鏡を着用されているお客様は、眼鏡を外した状態で撮影させて頂きます。
・鞄等の小物は、凹凸の激しいものは撮影できません。

 

撮影できないものが、多すぎない? というのは言わないでおきましょう。

3Dプリントもいわゆる黎明期。これから徐々に改善されていくに違いありません。

 

3D撮影の日程は、6月8日(土)、9日(日)、7月5日(金)、6日(土)の4回。

撮影場所は、ソニー・ミュージックコミュニケーションズ本社内撮影スタジオ(東京都新宿区市谷田町1丁目4番地 SME市ヶ谷ビル)。

気になるお値段は、

S(高さ約15cm)49,000円

M(高さ約20cm)69,000円

L(高さ約30cm)120,000円(いずれも税込)。

複製は少しお安くなるようです。また等身大にも対応とか。

ウェディングの記念などに良さそうですね。また、今の自分を人生の記念に残しておきたい、という人もありそう。

我々のようなオジサンのフィギュアは、あまり見た目がよくないでしょうが、小さいのを机の上に置いて日々眺めることで、過ぎ来し人生を思うのもいいかもしれない… と思ったりします。


ニコンの800mm予約殺到

2013年06月01日 | カメラ

ニコンが5月31日から発売した「AF-S NIKKOR 800mm f/5.6E FL ED VR」(ニュースリリース)。

予約殺到で品薄だそうです。以下はニコンの「お知らせ」。

『AF-S NIKKOR 800mm f/5.6E FL ED VRは、2013年1月29日の発表日以降、全世界で予想をはるかに超えるご予約をいただき、生産がご注文に追いつかない状況が続いております。お客様には大変ご迷惑をお掛けしており申し訳ございません。引き続き鋭意生産に努めてまいりますので、ご理解のほどお願い申し上げます。』

Nikon AF-S NIKKOR 800mm f/5.6E FL ED VR AF-SVR800 5.6
   AF-S NIKKOR 800mm f/5.6E FL ED VR(フリー画像)
 

オートフォーカス(AF) NIKKORレンズ史上最長となる焦点距離800mm。

スポーツ、報道、野生生物撮影に使われる超望遠レンズ。ニコンの技術を結集した素晴らしいレンズのようです。

ニコンのサイトのMTF曲線を見るとびっくりします。

曲線が上に張り付いているほどいいわけですが、こんな完璧に近いMTF曲線は珍しい。

 

付属のテレコンバーター「AF-S TELECONVERTER TC800-1.25E ED」(装着で焦点距離1,000mmになる)を付けても、下のMTF曲線のようにあまり解像度が劣化しないようです。

 

いったい何なんだと思うぐらい見事。解像度の高いレンズですね。

 

主なスペックは次の通り(ニコンのサイトより)。

型式                ニコンFマウントCPU内蔵Eタイプ、AF-Sレンズ

焦点距離            800mm
開放絞り             f/5.6
最小絞り              f/32
レンズ構成            13群20枚(EDレンズ2枚、蛍石レンズ2枚、ナノクリスタルコートあり)、他保護ガラス1枚
画角                 3°10′(FXフォーマットのデジタル一眼レフカメラ)
                    2°(DXフォーマットのデジタル一眼レフカメラ)
ピント合わせ           IF(ニコン内焦)方式、超音波モーターによるオートフォーカス、マニュアルフォーカス可能
最短撮影距離         AF時5.9 m、MF時5.8 m
最大撮影倍率         AF時1/6.6倍、MF時1/6.4倍
絞り羽根枚数          9枚(円形絞り)
絞り方式              電磁絞りによる自動絞り
アタッチメントサイズ      52mm(P=0.75mm)
寸法                  約160mm(最大径)×461mm(レンズマウント基準面からレンズ先端まで)
質量                 約4590g
手ぶれ補正           4段分

価格.comの最安値は¥1,618,000(6/1現在)となっています。

 

価格からして一般の人には縁遠いレンズですが、報道機関にとっては何でもないと思います。

ニコンでシステムを組んでいる社なら「夏の高校野球、ソチ五輪で使いたい」といえば、一発で稟議が通るのでは。

通信社に写真を売ってなんぼの国際的なプロカメラマンも買うでしょうし、野生動物ファンのハイアマチュアも買うかもしれません。予約が殺到してもおかしくないですね。

 

一方、キヤノンにはすでに「EF800mm F5.6L IS USM」があります。

主なスペックは以下の通り(キヤノンのサイトより)。

画角(水平・垂直・対角線)  2°35'・1°40'・3°5'
レンズ構成            4群18枚
絞り羽根枚数          8枚
最小絞り               32
最短撮影距離          6m
最大撮影倍率          0.14倍
フィルター径            差し込み52mm
最大径×長さ           φ163mm×461mm
質量                  4500g
手ブレ補正効果         約4段分

 

大きさはほぼ同じ。ニコンの方がレンズ枚数、絞り羽根枚数が多く、少し重いですが、全体の姿はスリムな感じで引き締まっているように見えます。

キヤノンのサイトのMTF曲線を見ると、ニコンほどすごくはないですね(ただし2008年 5月の発売から、すでに5年たっており、リニューアルの噂が…)。

 

さて、これほど人気が出る「AF-S NIKKOR 800mm f/5.6E FL ED VR」を触る機会が、実はあったのです。

今年の「CP+ 2013」ですでに展示されていました。

「CP+ 2013」ニコンブースの体験コーナーに展示されていたAF-S NIKKOR 800mm f/5.6E FL ED VR。

 

あまりにもじっくり(しつこく?)試す人が多くて… 待てずにあきらめました。

今から思うと、惜しかったですね。