心臓血管外科の診療を受ける患者さんの多くが動脈硬化をベースとする疾患であったり、高齢の方が多いので、高脂血症の治療薬を内服しているケースがほとんどです。いわゆる悪玉といわれるLDLコレステロール(低比重リポ蛋白:Low Density Lipoprotein)を下げる薬剤としてストロング・スタチン製剤を内服していることが多く、いろいろ食事療法を努力するよりも内服薬を一粒飲むだけで管理できてしまう事、お薬の効き目とはすばらしいと思います。
このスタチン製剤の副作用として、クレアチンキナーゼ(CKあるいはCPK:Creatin Kinase, Creatin Phosphokinase)が上昇して、症例によっては横紋筋融解症のような状態になることがある、といわれています。CK上昇は筋肉が崩壊したり、組織壊死して細胞が破壊された時に血中に放出され異常値として検出されます。臨床的には、急性動脈閉塞によって下肢虚血になったり、腸管壊死になって組織が崩壊した場合や、急性心筋梗塞によって心筋壊死が起こった場合、マラソンなどで極度に筋肉を使用した場合、他には遭難して数日間飢餓に陥った場合などにも症状します。
スタチンによるCK上昇は、25年医師としてたくさんの患者さんに処方してきましたが、一度しか見たことがありませんが、筋肉痛はなく、まったくの無症状でした。CK上昇という検査異常が筋肉痛を伴うのは、基本的に組織が虚血によって壊死したこと痛覚神経が反応した結果と思われますが、しかしながら、薬局で患者さんに行われる説明では、筋肉痛が起こることがある、と説明されてしまっているようで、CK上昇が筋肉痛を必ず伴うと誤解されてしまっているようです。医師の中にも、本当にスタチンで筋肉痛が起こると思っている人が少なくないようです。
そのせいで、患者さんがよくある下肢痛、腰痛、肩こり、倦怠感などをスタチンのせいにして内服を中止してしまうケースが多く見受けられます。もちろん、スタチンの副作用でそうした症状が出る可能性は否定できませんが、意外と医師の説明は信用されていないことが多く、ネガティブな情報はより鵜呑みにされやすい傾向にあるため、一度思いこんでしまうとニンジンやピーマンが嫌いな子供のように拒絶反応を示してしまう患者さんが少なくないのは非常に残念なことです。
その一方で処方している薬剤で副作用が起きていないか、また有効に効いているかをチェックする責任も、処方医にはあります。私は定期的に患者さんの採血や、画像検査を行っているのは通院管理している医師の責任として、LDLを低下させるだけでなく、診ているからには病気にさせない、病気を早期発見する責任が主治医としてあるからです。その意味で、LDL値、肝機能、CKなどの検査の他に、目的である動脈硬化が進行していないか、CTや頸動脈のエコーなども定期的に行っています。
このスタチン製剤の副作用として、クレアチンキナーゼ(CKあるいはCPK:Creatin Kinase, Creatin Phosphokinase)が上昇して、症例によっては横紋筋融解症のような状態になることがある、といわれています。CK上昇は筋肉が崩壊したり、組織壊死して細胞が破壊された時に血中に放出され異常値として検出されます。臨床的には、急性動脈閉塞によって下肢虚血になったり、腸管壊死になって組織が崩壊した場合や、急性心筋梗塞によって心筋壊死が起こった場合、マラソンなどで極度に筋肉を使用した場合、他には遭難して数日間飢餓に陥った場合などにも症状します。
スタチンによるCK上昇は、25年医師としてたくさんの患者さんに処方してきましたが、一度しか見たことがありませんが、筋肉痛はなく、まったくの無症状でした。CK上昇という検査異常が筋肉痛を伴うのは、基本的に組織が虚血によって壊死したこと痛覚神経が反応した結果と思われますが、しかしながら、薬局で患者さんに行われる説明では、筋肉痛が起こることがある、と説明されてしまっているようで、CK上昇が筋肉痛を必ず伴うと誤解されてしまっているようです。医師の中にも、本当にスタチンで筋肉痛が起こると思っている人が少なくないようです。
そのせいで、患者さんがよくある下肢痛、腰痛、肩こり、倦怠感などをスタチンのせいにして内服を中止してしまうケースが多く見受けられます。もちろん、スタチンの副作用でそうした症状が出る可能性は否定できませんが、意外と医師の説明は信用されていないことが多く、ネガティブな情報はより鵜呑みにされやすい傾向にあるため、一度思いこんでしまうとニンジンやピーマンが嫌いな子供のように拒絶反応を示してしまう患者さんが少なくないのは非常に残念なことです。
その一方で処方している薬剤で副作用が起きていないか、また有効に効いているかをチェックする責任も、処方医にはあります。私は定期的に患者さんの採血や、画像検査を行っているのは通院管理している医師の責任として、LDLを低下させるだけでなく、診ているからには病気にさせない、病気を早期発見する責任が主治医としてあるからです。その意味で、LDL値、肝機能、CKなどの検査の他に、目的である動脈硬化が進行していないか、CTや頸動脈のエコーなども定期的に行っています。