大動脈疾患の講演のあとのフロアからの質問で、「人工血管には逆流防止弁はついていないんですか?」、こんな質問をいただきました。
今まで考えたこともなかったので、はっとさせられる質問でした。
そもそも人工血管は動脈のかわりとして使用するため、逆流防止弁はついていません。これは静脈には逆流防止弁がついているのに、動脈には逆流防止弁がついていないのと同じです。
動脈の場合の血流が順行性に流れる仕組みとしては、収縮期は心臓の圧が直接伝わって順行性にながれ、拡張期は大動脈弁が閉鎖して逆流防止になるのと同時に弾性動脈の反射波で順行性に流れます。この流れの向き・パターンは、動脈の位置によってなかり異なります。大動脈弁に近い大動脈では、順行性の向きのみですが、末梢動脈になると、三相性になったりします。
一方、静脈ではこうした心臓の収縮圧が流れに関与することはなく、心臓の吸引圧と筋肉の収縮による絞り出し効果などで心臓に向かって進んでいくため、重力に逆らって血液が心臓に帰るためには逆流防止弁が必要になります。
今まで考えたこともなかったので、はっとさせられる質問でした。
そもそも人工血管は動脈のかわりとして使用するため、逆流防止弁はついていません。これは静脈には逆流防止弁がついているのに、動脈には逆流防止弁がついていないのと同じです。
動脈の場合の血流が順行性に流れる仕組みとしては、収縮期は心臓の圧が直接伝わって順行性にながれ、拡張期は大動脈弁が閉鎖して逆流防止になるのと同時に弾性動脈の反射波で順行性に流れます。この流れの向き・パターンは、動脈の位置によってなかり異なります。大動脈弁に近い大動脈では、順行性の向きのみですが、末梢動脈になると、三相性になったりします。
一方、静脈ではこうした心臓の収縮圧が流れに関与することはなく、心臓の吸引圧と筋肉の収縮による絞り出し効果などで心臓に向かって進んでいくため、重力に逆らって血液が心臓に帰るためには逆流防止弁が必要になります。