鎖骨下動脈盗血症候群(Subclavian steal syndrome)は鎖骨下動脈が起始部で閉塞した場合、椎骨動脈を介して上肢の血流が環流されるため、脳に行く血流が低下して脳虚血症状が出るという病態です。鎖骨下動脈が閉塞しているとすべての患者さんに治療が必要という訳ではありませんが、閉塞側の脳還流低下が脳血流シンチグラフィーで証明されたり、(閉塞側の)脳MRIでラクナ梗塞が多い場合、手を動かすと脳虚血症状が出る、または手を動かすとだるくなる場合などが血行再建の適応となります。
血行再建術は、カテーテル治療で成功する場合もありますが、鎖骨下動脈の閉塞は非常に硬い石灰化を伴うこともあり、万が一カテーテル治療で血管の解離や破裂が起きた場合は救命できないリスクが高いことからバイパス手術が最初から選択される場合もあります。
バイパス手術としては、腋窩ー腋窩動脈バイパス術が開胸する必要がないため最も低侵襲で、長期成績も良好であるため多く採用されます。この血行再建のためだけに開胸して上行大動脈から腋窩動脈にバイパスすることは通常ありませんが、他の開胸が必要な病態がある場合はその同時手術として開胸での血行再建術が行われることがあります。非常にまれですが、大動脈炎症候群やShaggy aorta syndromeで腋窩ー腋窩動脈バイパスが出来ない場合に、大腿ー腋窩動脈バイパスが検討されることがあります。
鎖骨下動脈盗血症候群の診断は、血圧の上肢の左右差で気づかれることが多いのですが、造影CTやMRAで偶然見つかるという場合もあります。先日は開業医の先生から、頸動脈エコーを行った際に椎骨動脈が逆行性に流れているので疑ったといって紹介されてきた患者さんがいて、まさに神業的な診断能力と思い、感動しました。この名医は、小磯診療所の磯崎院長先生です。
血行再建術は、カテーテル治療で成功する場合もありますが、鎖骨下動脈の閉塞は非常に硬い石灰化を伴うこともあり、万が一カテーテル治療で血管の解離や破裂が起きた場合は救命できないリスクが高いことからバイパス手術が最初から選択される場合もあります。
バイパス手術としては、腋窩ー腋窩動脈バイパス術が開胸する必要がないため最も低侵襲で、長期成績も良好であるため多く採用されます。この血行再建のためだけに開胸して上行大動脈から腋窩動脈にバイパスすることは通常ありませんが、他の開胸が必要な病態がある場合はその同時手術として開胸での血行再建術が行われることがあります。非常にまれですが、大動脈炎症候群やShaggy aorta syndromeで腋窩ー腋窩動脈バイパスが出来ない場合に、大腿ー腋窩動脈バイパスが検討されることがあります。
鎖骨下動脈盗血症候群の診断は、血圧の上肢の左右差で気づかれることが多いのですが、造影CTやMRAで偶然見つかるという場合もあります。先日は開業医の先生から、頸動脈エコーを行った際に椎骨動脈が逆行性に流れているので疑ったといって紹介されてきた患者さんがいて、まさに神業的な診断能力と思い、感動しました。この名医は、小磯診療所の磯崎院長先生です。