横須賀うわまち病院心臓血管外科

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悪性高熱・悪性症候群

2020-10-30 20:56:40 | その他
 悪性高熱は術後の麻酔薬の影響で高熱が出て致命的になる原因不明の病態、悪性症候群は主に鎮静薬など精神科領域の内服薬を使用中に起こる高熱、神経所見を伴って致命的になる病態。おそらくそのメカニズムはほぼ同じもので、筋小胞体から過剰なカルシウム放出が起きて、異常な筋収縮の為に筋固縮などの椎体街路症状という神経症状が出るような病態です。ダントロレンという特効薬もありますが早期に投与しないと効果は期待できず致命的になります。
 心臓血管外科の手術も稀に原因不明の発熱、多臓器不全から致命的になる症例を経験しますが、悪性高熱と確定診断できた症例はありません。CK(クレアチンキナーゼ)の上昇など検査所見の特徴所見はありますが、確定診断は難しいのは現状です。ダントロレン自体は副作用がほとんどないので、疑った時点と投与するのが理想と思います。しかしながらなかなか使用されないのは、敗血症などの他の病態を否定してからでないと使用できないことにあります。他の検査を進める間に重症化が進んで、その後に投与しても救命できる段階を逸している可能性があります。
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