大動脈弁逆流は一般診療において見逃される可能性が高く、拡張期の雑音で気づいて診断する医師はまさに現代では名医と言える、と聞きました。心臓の聴診の教育なんて昔からありません。なので、そういした教育を受けた医師は貴重な体験をしたと言えると思います。筆者は異形狭心症を発見した循環器内科医の和田敬先生から聴診を手とり足取り教えを受けましたが、弟子中で循環器診療を実践しているのは自分だけになっていることに寂しさを感じます。和田敬先生は、心臓の聴診を教えるために、心雑音をどうしたら口で表現できるかということを、江戸谷猫八に弟子入りして学んだそうです。その直伝の聴診口真似を誰にも伝授することなく、心臓血管外科医として診療していることに、若干罪悪感を覚えます。
同時期に和田敬先生のご自宅や病院に出入りして学んだ自分は故・和田敬先生の最後の弟子といえるかもしれません。
同時期に和田敬先生のご自宅や病院に出入りして学んだ自分は故・和田敬先生の最後の弟子といえるかもしれません。