今年のJapan MICS Summitは、大分で開催されました。大分市は意外に大きな町で、その気候から大分の優しいおおらかな人柄はこの土地からつくられるのだと思いました。
今回のテーマはDevils I met。MICS手術中に遭遇したトラブルについての情報共有のいい機会になりました。MICS特有のものから、正中アプローチでも発生しうるトラブルなど、多くの情報共有ができました。
特に僧帽弁形成において、弁輪の糸掛けで左冠動脈回旋枝を閉塞してしまう経験およびその詳細な検討は大変勉強になりました。発生頻度は1%以下でも、一度発生すると致命的になったりその後の生活に大きな支障が出てしまうリスクを含んでいるので、重要です。
当院からはCygnet遮断鉗子による遮断不十分のリスクについて発表しました。Cygnetとは白鳥の幼鳥のことを指す言葉のようですが、この鉗子のフレキシブルなシャフトがその首に似ていることから命名したのではないかと想像します。