老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

   青柿

2017-08-23 09:41:49 | 俳句

         

野良犬が餌を待っている果樹園に柿の木が三本植わっている。
6~7センチに育った青柿が餌を持って来るたび気になって 一句を詠ななと思いつつ日が過ぎてゆく。

      

この柿は種類が違うみたいだ。
一つには柿に四本の筋があり、も一つはつるつるののっぺりとした柿。
三本とも 渋柿。秋になって熟れても落ちるままにまかしている柿である。


青柿の例句を歳時記から、抽出をしてみた。
古い俳人の句ばかり。
現在、活躍している俳人はあまり詠んでいないようである。興味の無い季語、それとも吟行先でも見かけないのかな。

     ☆    うからみな愁しみもてり柿青く    角川源義

     ☆    青柿に山影移る天武陵    角川春樹   
            
     ☆    四角ばる青柿の面(つら)蟹に似て    高澤良一 

     ☆     柿青しと思ひつつ目はつむりけむ   加藤秋邨

     ☆    青柿に子盗ろの暮色下りてくる    佐野まもる

     ☆    青柿の家に集る無尽講    瀧澤伊代

      ☆    青柿のまた落つる夜の窯火守    佐野けい子

良い句はたくさんあって書ききれない。
吟行句もあるが、寺の名や旧居の名を入れ代えれば通じる句は 私としては ボツ。
どんな著明な俳人も多く残している吟行地の句はどれもいただけなかった。
春樹の 天武陵 くらいである。


昨日、今日 その駄目句も作れない。

     🍎    柿青しポストへ果樹園抜けてゆく

     🍎    母の忌や皆葉がくれの青き柿

     🍎    青柿の落つる昨日も今日も又

     🍎    盆の月薄く紅引く柿一つ

     







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