へなちょこの日々

プラナリア飼育記録から始まったブログ。

漫画・こうの史代2作

2009-03-08 20:01:14 | 漫画
ふう。
体調が落ち着いてきたので座って家で仕事はできるものの、
そう長時間続くわけでもなし。
あいまに取り寄せていた漫画を読み読み。

映画化した「夕凪の街 桜の国」のこうの史代さんのほかの作品を読みました。
「夕凪の街~」は今世紀最大の傑作だといっても過言ではないかと。
いずれ紹介します。


「長い道」双葉社 \857+税

ひょんなことから夫婦になった2人の短編54話。
ぼんやりしてるけど芯が強い妻・道と遊び人の夫・荘介。
現実的に考えていけば修羅場のような結婚生活のはずなのに、
なぜかほんわかとしたあたたかさに包まれています。
ときにドキッとさせる、道の行動。
遊び人なのに憎みきれない荘介の人柄。
恋愛とは程遠いところから始まった結婚なのに、
ラストでは2人の間に流れるのは「情」だけでは決してないようです。
ペットボトルやプッシュ式の電話など、小道具はしっかり平成なのに
昭和の匂いが色濃い作品。しかも、それがいやらしくないです。



「この世界の片隅に」上・中巻 双葉社 \648+税

戦中の広島~呉を描く作品。下巻は4月発行。
主人公は呉に嫁いだ「すず」。
絵が好きな天然ぼけの少女。
この主人公のおかげで、いくらでも暗く描こうと思えば描ける戦中の生活が、ほのぼのと暖かく描かれています。
下巻の部分をまだ読んでないのですが、広島が舞台名だけに8月6日のことは必ずかかれるのであろうなあ。
でも普通なら目を背けたくなる、痛いから読みたくないと思ってしまうそんなテーマも、茶化すわけでもオブラートにくるむわけでもなく、さらりと描けるのがこの作者なんだと思います。(ってまだ読んでもないのに。)
戦争を通して人間の生きる営みすべてに通じる普遍的なものを描こうとしているようにも感じます。

うーん、なんと言うかうまく言葉が出てこず、下手くそな感想ですみません。
とにかく2作品とも、読んで損はなし。
書店においてない場合はぜひ取り寄せてください。


この作者は若い夫婦を描くことが多いように思います。
それも恋愛婚ではなく形から始まる結婚。
そのなかでもしっかり愛の形を描いています。

渡辺ペコ「ラウンダバウト」

2009-03-01 20:56:50 | 漫画
全3巻。集英社発行。



作者の「キナコタイフーン」はかなり注目していたのですが、
「変身ものがたり」が(自分の中で)不発だったので
「どうだろう?!」と思い、とりあえず1巻だけ購入してみたのですが。

思いのほか良くて、速攻3巻まで買いに行きました。

天然(と周りからは思われる)中学生:野村真を中心に、
家族・友達・担任・・・の話。
中学生中心ということで、もっと青臭いか
行きどころのないコンプレックスが前面に出されているか・・・
と思っていたのですが。
さわやか。
そしてゆるさがいい。

一気に読んじゃうのがもったいないような、かわいい話です。


てか私・・・忙しいはずでは。
そして最近、本だのCDだのに散財しすぎ?
ま、春だし、細かいことは気にしない、気にしない。

PS羅生門

2006-09-15 21:14:21 | 漫画


矢島正雄+中山昌亮
小学館 全9巻

ドラマでやってた、あれです。
私はドラマから入った派なんですが、
漫画のほうが断然いい!!
あっさりしてるしね。
ドラマもキャストが豪華だったけど、
漫画を読んでしまうと
適役&適演出なのは半分くらいかな。
主役2人の漫画とのギャップが激しすぎ。
ドラマだけ見てれば、違和感もないのでしょうが。
原作とドラマ(時にアニメ)は別物だと言うことは、
重々承知しているのですが------。

常識から逸脱しているけど、
「人情」がルールの警察署、通称「羅生門」。
そこに配属された子持ち新米刑事留美。
彼女と、一癖もふた癖もある羅生門刑事、
そして犯人・被害者の物語です。

一番印象に残ったのは
「母は強し」
ということ。

ぼくの小規模な失敗・福満しげゆき

2005-11-27 13:07:46 | 漫画


著者/訳者名 : 福満しげゆき/著
出版社名 : 青林工月ノ (ISBN:4-88379-195-5)
発行年月 : 2005年09月

「平成のつげ義春」(と、私が勝手に称する)福満氏の待望の最新刊。

次々と災難やら失敗やらに見舞われる、
ダメダメ感に満ち溢れた主人公は、なんと著者本人。
本当は発売すぐに読んでいましたが、
こないだ朝日新聞の書評コーナーに紹介されていたので
それを記念にUP。
(そこでは「ダメさもここまで極めれば素晴らしい」
みたいに書かれていました・・・実話なのに。)

非常に共感したのは…あとがきにある、

(この漫画を描いていて、著者自身が)わかったのは、
「死にたい」だの「生きているのがいやだ」などと思うのは
ただの性格の問題で、
そーゆータイプの人は何があっても、だいたいずっと、
そーいう性格のまま生きていくのです。

という言葉。
私もそーいう性格の人間の一人です。

でも、こうやって表現できる人は、
死にたくなっても生きているのがいやになっても、
だめさを繰り返してもきっとしたたかに生きていけることでしょう。

福満氏は昨年、月刊誌IKKIで新人賞「イキマン」を受賞しました。
しかしその後、IKKIでは作品を発表してませんね…。
早く次の作品が読みたい。

コンナオトナノオンナノコ

2005-03-04 23:09:51 | 漫画
安彦麻理絵・著
祥伝社 発行
2005年2月10日発行

親友同士の働く女チアキと専業主婦マサミ、29歳。
いわゆる負け犬・勝ち犬の取り合わせ。
まあ結末は「結局こう落ち着かせるしかないんか?」
という感じですが。

でも女性向のマンガって、
「こんな状況でおしゃれなんかできるはずないだろー!!」
と突っ込みを入れたくなるコマが多々あるのですが、
この人の話はそれがない。
二日酔いのチアキはひどい顔してタバコふかしてるし、
過食症のマサミは昼間からジャージで腹の肉つまんでるし。
等身大って言うんですか?
そこが好きです。