きゃらめるぽっぷこーん

きっかけは韓国映画、今は興味の赴くままに観ます。mottoは簡潔に。radiotalkでラジオ配信始めました。

シークレット・サンシャイン

2010年02月09日 | 韓国
シークレット・サンシャイン(原題:밀양 密陽)  2007年  ☆☆☆☆☆
監督:イ・チャンドン 
出演:チョン・ドヨン、ソン・ガンホ 

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ミリャン(密陽)の意味を知ってますか?
秘密の密に、陽射しの陽
秘密の陽射しなんて素敵でしょ


答えを出さない映画だなぁって思いながら観たけど
後から
たくさんのことを感じる

チョン・ドヨンがカンヌ映画祭での主演女優賞をとったことで話題を集めたこの映画
評価はいろいろみたいだけど
いい映画でした

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ちょっとわかりにくくて
物語の結末がどこにいくんだろうかとか
言いたいことはなんだろうとか
はっきりと提示されない感じがあるんだけど
ともかく見ごたえがあって最初から最後までひき込まれました

最愛の息子を失い心を閉ざしたシングルマザーと
その痛みをただひたすら受け止めるしかできない不器用な男
観た者すべての心を希望の陽射しに包み込む感動の物語


観終わってみると確かにそういう話なんだけど
う~~~ん
そうじゃない
少なくとも観ている間は全然そういうのじゃなくて
「希望の陽射し」を否定し続けるような話なのに

なのに
観終わってから考えると
その希望の陽射しを感じる
不思議な映画

最初は宗教を否定する映画のように見えるんだけど
 (こんな描き方してもいいのかと、思わず心配しちゃいましたよ、笑)
シネが混迷から抜き出たラストシーンはさりげなく暖かで
よかったね

その前に、そのシネの混迷ぶりなんだけど
ぎりぎりまで壊れていくチョン・ドヨンが凄い
教会の机をたたくシーンや
ある場面でシネが天に向かって吐くセリフは迫力があった

そしてチョン・ドヨンに圧倒されて映画を観終わるんだけど
あとからソン・ガンホが凄いってことに気がつくの

いつもシネのそばにいるジョンチャンなんだけど
「受け止めるしかできない不器用な男」なーんてかっこいいものじゃなくて
田舎暮らしの40歳近い独身男のジョンチャンにとって
ソウルからやってきたシネはオシャレで素敵な女性に見えたんでしょうね
純愛というよりちょっと俗物的な感じさえあって
ごくごく普通のミリョンで暮らすありふれたおっちゃん
最初はシネの気をひくために教会に通うんだけど
なんだか彼が本質をついてるような気がする

実はタイトルのミリャンって
ミリャンに暮らすジョンチャンのことを言ってるんじゃないかって思ったりして

イ・チャンドンって「ペパーミントキャンディー」の監督さんなのね
「オアシス」「グリーンフィッシュ」観たいです

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夫を交通事故で亡くしたシネ(チョン・ドヨン)は夫の故郷で再出発するため息子とソウルからミリャンに引っ越して来る。車が途中で故障し助けを呼ぶと自動車修理工場を営むジョンチャン(ソン・ガンホ)がやってきた。それ以降、何かと気にかけてくれるジョンチャンの尽力もあってシネは無事にピアノ教室を開くことができた。隣人たちとなかなか馴染めないことに不安を抱きながらもなんとか順調に新生活を送っていた。