きゃらめるぽっぷこーん

きっかけは韓国映画、今は興味の赴くままに観ます。mottoは簡潔に。radiotalkでラジオ配信始めました。

The NET 網に囚われた男

2018年01月08日 | 韓国



それにしても、どーしたんですか?
本当にキム・ギドク監督?
って言いたくなるくらいに、
わかりやすくて素直な作品。

ちょっとびっくりです、キドクさん。
拒みたいのに陥るような強烈な毒気が消えてしまった(笑)




私でも泳いで渡れそうなあんなに狭い川なのになぁ、
越える気がないのに越えちゃうようなどこにでもある川なんですよ、ホント。

船が漁網に引っかかったトラブルで南北の境界を越えてしまったチョルの、行くも地獄、帰るも地獄な話。

ストーリーとしては、なんとなく先が読める気がしたけど、
引き込まれていろいろ考えました。

チョルは運動神経抜群だし、頭の良い人よね、優しくて情があって、のみ込みも早い。
自由な国で暮らしてたら、いい仕事たくさんできた人なんだろうって、そういう別のこと感じながら観てました。
彼の人生が不条理過ぎる。

自分は網で魚を捕りすぎた、だから今は自分が網にかかったようだ、、というつぶやきは、
どうしようもない状況であることをちゃんと悟ってる、覚悟もできうるやっぱり頭の良い人だわ。
比較して、国家の名を借りて彼を取り締まる役所の人たちが病んでいるように見える。

警護官のオ・ジヌとが善意で持たせてくれたお金(ドル)が
彼がスパイであるという証拠になってしまうのかと絶望したけど、
あらら、逆にその金が賄賂のようになって、彼を解放してくれるとはね、、意外な展開。

冒頭は夫婦の極めて健康的な営みで始まるのが微笑ましかったんだけど、
で最後は彼は奥さんの誘いも受けられないくらいに生(性)に対しての意欲を失ってしまった。

彼は誰(国)から縛られない自由を選んだんだのね、ラスト。

祖国が統一したらまた会おうって言い合えたオ・ジヌとの関係が唯一ホッとしました。
いつの日かそれが実現したらいいと心から願います。




The NET 網に囚われた男(原題:그물)  2016年
監督:キム・ギドク
出演:リュ・スンボム、イ・ウォングン

北朝鮮の漁師ナム・チョル(リュ・スンボム)は、妻(イ・ウヌ)と幼い娘と共につましいながらも穏やかに暮らしていた。ある朝、いつものように漁に出た彼のモーターボートのエンジンに網が絡んで、そのまま軍事境界線を越えて韓国側に流されてしまう。チョルは韓国の警察に拘束され、警護官のオ・ジヌ(イ・ウォングン)が彼の監視にあたることになる。


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