包帯

病気や怪我をすると、いろんな事を学ぶ。
骨折した娘の話だけれど、全ての治療費は労災で相殺されるが、包帯は労災でまかなえない。
洗濯してリユースするのだ。
1本400円だった。

良い香りの石鹸で手洗いして、丁寧に引っ張って伸ばして干した。

そして、亡き母の話を思い出した。

50年以上前の日本のこと。田舎の産婦人科病院。
母が私を出産する病院では、誰もが脱脂綿を洗濯して使い回ししていたそうだ。
母は姑、小姑にいびられたことを繰り返し愚痴っていたが、この時の話は違う。
周りの人が脱脂綿を洗濯しているのに、母は毎回新しい脱脂綿を使っていたそうだ。
それは大変贅沢なことで、姉の時のことはしらないけど、私の時はそうだったらしくて、それは姑の心遣いだったと、嬉しかったと、思い出語りに話していた。脱脂綿はとても貴重な物だったのだ。
暖房もない部屋、七輪を持ち込んでいたそうだ。

昔の女性の逞しいこと、勿論、現代女性だって逞しい。
そして、脱脂綿を好きなだけ使えることに感謝。

包帯は、洗ってみて分かった。今の包帯は素晴らしい！
これは使い捨てなんてできるわけがない。
血塗れの脱脂綿を洗って拡げて天日に干すのとはわけが違う。
太くて、しっかりしていて、伸縮性に富み、どんな洗い方しても型崩れしない。
最初の400円で完治するまで使えそうだ。

労災でまかなえないことより、進化した包帯、開発した人に感心した。

この包帯がこれから娘の足首を守ってくれるのだ。
ストッキングと生理用品と包帯、これらの進化は物凄い！
改めて実感した次第であります。