こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

ありのままに

2019年06月23日 08時21分11秒 | Weblog
中学に上がる前から
眼鏡を必要とする近眼に。
黒縁に
牛乳瓶の底を思わせる
分厚いレンズと、
どうにも
恥ずかしくてならなかった。
 そのせいで
女性にはとんと無縁の
寂しい青春だった。
思い切って
コンタクトに替えた。
 すると
不思議に女性にモテた。
彼女もそんな一人で、
結婚まで考えた。
ところが、
喫茶店でデートを楽しんでいた時に、
急に目が痛んだ。
前夜徹夜仕事で、
コンタクトをズーッと
はめっ放しだったせいである。
慌ててコンタクトを外した。
すると
相手の顔が見えない。
仕方なく
ポケットに忍ばせてあった眼鏡をつけた。
あの黒縁のである。
「わたし眼鏡の男の人嫌いなの」
 彼女が最後に残した
キツイ言葉だった。
 また眼鏡に戻った
。無理に見た目に拘っても、
所詮
無駄な足掻きなのを知った。
ありのままで生きて、
縁がないのなら諦めよう。
そんな私を酔狂にも受け入れた妻は、
三十年以上
眼鏡の旦那に付き合ってくれている。
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2019年06月22日 00時33分30秒 | Weblog
まちライブラリーのミニコミ紙の
7月分が出来上がりました。
また、明日から配布に
駆け回ります。
暑い中、スタミナが続くかどうか、
年齢を加算のたびに、
自身喪失の一途です。
昨日は久しぶりに
ふと巻きずしをまいてみました。
便利酢を使いましたが、
これが適当な味に仕上がりました。
家族にも好評で、ホッです。(苦笑)
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きっかけ

2019年06月21日 01時26分00秒 | Weblog
 激しい人見知りで、家族に甘えることもできない、可愛げの欠けた子供だった。
 小学校も教室で、いつもひとりぼっち。先生にも構われない、寂しい五年間を送った。
 六年生になった早々、授業中に教科書の白い部分を埋め尽くす落書きを見つかった。恥ずかしさでカァーとなり、怒られると思い体が固まってしまった。すると頭を撫でられた。
「おまえ、絵がごっつう上手いのう」
 優しい先生の声。かけられた記憶は殆どなく、忘れていた。それが驚くほど優しい声なのだ。しかも、私は褒められた!初めて。
 一学期が終わる日、先生は教壇に呼びつけ、級友の前でまっさらなノートを五冊くれた。
「おまえの絵は上手いんやから、教科書の端っこより、白いページに描かな勿体ないわ。得意なもん伸ばすん、先生の仕事なんや」
 おちょける先生の顔を思わず見上げていた。
 人生を変えてくれた先生との一期一会。あの出会いが私の人生の道しるべになったんだなあ。
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詩の時間

2019年06月20日 01時42分30秒 | Weblog
酔狂にも
詩を書いてみた。
詩というよりも、
こりゃ単語の羅列だな。(笑)

波紋

ポイッと投げた
ポチャン!
ちいさな波紋
そして
しずかに消えた

なんの
跡形もなく
波紋は消えた

そして
またポチャン!

繰り返し続けた

おおきな波紋は……
一度も
起こせなかった

それが
わたしの人生だった
わたしの幸福だった

しとしとしと

また雨だ

しとしとしと

予定は流れる



この日は

きょうしかないのに

未練

たらたらたら



出不精が

輪をかける

うつうつうつ



明日は

晴れるらしい

でも

予定はない

さて

どうしたものか
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助けられて

2019年06月19日 00時36分35秒 | Weblog
 二人きりの兄弟だった兄が事故で急死。気落ちする両親が気になり、帰郷した。たったひとり残った息子がそばにいれば、すこしは気休めになるだろうとの思いからだった。
 先祖伝来の田んぼを潰して、わが家は建った。ブリキ職人の父は家づくりを差配することで、気力を取り戻した。建築現場に毎日通い続けた母の笑顔も、しだいに増えた。
 帰郷してすぐ授かった赤ちゃんを、共働きの親に代わり、母が面倒をみてくれた。「ちゃんと世話するさかい、安心して働き」上機嫌で宣言して見せた母である。息子夫婦に頼られることが、生きる張り合いになったのだ。
 家が完成すると、なんと母は毎朝赤ちゃんを迎えに来た。手ぶらではなく、朝収穫した野菜を胸に抱えての日参である。
「いつも済みません。こないに気を遣うて貰い、ほんまに助かってます」
「なに言うとんやいな。母親がセガレの家族の助けになれるんは、そら幸せなこっちゃ」
 母と妻の会話に耳を傾け相好を崩す私。
「気持ち悪い。なにニヤニヤしてんねん?」
 長女のからかいに、Vサインで応えた。
 七年前、母は亡くなった。九十三歳の天寿全うである。亡くなるまで数年、車いす生活を送った母を、しょっちゅう外へ連れ出した。
「ここのうどん美味いなあ」「この店は安いんじゃ」「お前らも、なんか買うたるよって」
 買い物が昔から好きだった母のはしゃぎっぷりが嬉しかった。
 母が亡くなった日の深夜、私は立ち会った。母の手をさすり続ける父のそばで、母の最期から目を外せなかった。伴侶の死に落胆する父の体を支え、永眠した母に頭を下げた。
(親孝行できんで悪かったなあ、母ちゃん。兄貴みたいにええセガレになれなんだわ。そいでも、ちゃんとそばにおったやろ。なあ)
 不肖の息子は、懺悔を繰り返した。
「ほれ、タケノコ食えや」
 やはり父も母と同じ、いつも手に土産がある。好々爺ぶりは相変わらず健在だった。
「子供らおれへんし、わしと嫁はんじゃ食いきれんわ。顔だけ見せてくれたらええんやで」
「なにぬかしとる、遠いとこにおるわけやなし。家のそばにおってくれよる息子にうまいもん食わせたい思て、なんも悪うないやろが」
「そらそうやけど」
 とりとめない父と息子の会話は、いつも同じなのに、その時間がいつまでも続けと願うようになった。年を取った証しである。
「お前が近くにおってくれよるさかい、わし長生きできとるがい。有り難いこっちゃ」
 父の言葉に胸を直撃され、痛かった。
(すまんのう。親父の近くにおるだけが、わしの親孝行やなんて、恥ずかしいけどのう)
 そう思ったのはいつだったか、脳梗塞に父が倒れたのを境に思い出せなくなった。病床の父を見舞うと、必ず自分に問いかけてしまう。そして、胸の内で呟き返す。
(そいでも親父の息子なんや、俺は)
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父親の後悔

2019年06月18日 00時32分32秒 | Weblog
「帰ったらすぐに手を洗ってうがい」「歯磨いたか?」「顔洗わんと不潔やぞ」
 子どもたちにそれは細かく指示する私を見て、
「あんた、ちょっとうるさくない」
 女房が子どもに同情したのか、いちいち文句を言う。
「バカ、健康に関しては少しぐらいうるさく言ってもいいの。親の務めじゃないか」
 と、気取ってカッコをつけたまでは良かったが、
「年がら年中風邪引き込んで、不摂生の典型みたいな親はどこのだれだっけ」
 この奇襲攻撃にはグッと詰まる。
「だ、だからだ、子どもだけは同じ目にあわせたくなくて」
「そんな気持ちがあるなら、ご自分からお手本を見せていただけないでしょうか?それでこそ親だと思うんだけど、違う?」
「わ、分かったよ!やってやろうじゃないか」
 以来、子どもの先頭に立って手洗い、うがい、歯磨きをセッセ。この義務感でやるのって、案外つらくて大変なんだ。してやったりと言った女房の顔が恨めしい限りだ。
 ああ、そんな日々を送っていたっけ?

そんな身勝手な父親の愛(?)を受けて育った子供たち。4人も子供がいるというのに、今や親のそばにいてくれるのは末娘だけ。息子2人など、ボン正月にすら家に戻ってこない始末。身勝手で気ままな父親に愛想をつかしたのか、はたまた忙しすぎるのか?時々チラッと頭をよぎる困惑。
 知人が息子と飲みに行ったとか聞かされるたびに、後悔の念につまされる昨今である。
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ニコニコ、ニッコリ!

2019年06月17日 01時37分40秒 | Weblog
16日11時からイベントをスタート!

朝8時過ぎに会場入り、
早速会場づくりにかかった。
ロビーのスペースを確保。
パネルを立て、
カーペットを敷き詰め、
最終セットに取り組んだ。
おかげで9時半に完了。
あとはお客様待ち。
参加のスタッフは5名と、
まあまあの陣容だ。
打ち合わせも滞りなく済ませた。

そして10時半。
受付に親子がやってきたー!
嬉しい光景だなあ。(マジな感想)

20名近く……夢見心地で迎えたのである。


子供たちの笑顔に、
お父さんお母さんとらくがきを楽しむちびっこの姿、
いやー、やってよかった、このイベント!

深夜1時15分。
体のあちこちが痛い。
かなり体を駆使しすぎた一日だったのだ。(フー、でもニッコニッコ)
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ウサが晴れる

2019年06月16日 05時37分06秒 | Weblog
 わが家の夫婦喧嘩、プイっと家を出ていくのは私。年を取ってから益々そうなった。
 車を飛ばして気晴らしするようなことはしない。歩くのだ。地元の大型スーパーまで歩けば七千歩。鬱憤を晴らすにはもってこいの距離である。むしゃくしゃしていても、それだけ歩くうちに忘れてしまう。
スーパーでは、食品売り場をそぞろ歩く。ヤケ買いはせずに見るだけ。年金暮らしの身、イライラしていても、節約は忘れない。見るだけショッピングでも、結構楽しいのだ。
目玉商品や値引き商品を見つけては、手に取ってみる。賞味期限は?産地は?パッケージに情報がいっぱいだ。調べ始めると、もう夢中になってしまう。
それに地元だから、同じ高齢者仲間と出会う。頭が白くなった男たちの井戸端会議ならぬ売り場会議でストレスも解消だ。
家に帰れば、妻の苛立ちも影を潜めて、いい雰囲気。夫の留守で気分転換できたのだ。

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直前

2019年06月15日 02時12分37秒 | Weblog
日曜日のイベント『らくがき大会』の
最終準備がやってきました。
朝9時には会場へ荷物を運び、
12時までに仕上げなければならないのです。
土曜日、働き改革の影響もあってか(?)
助っ人はなし。
孤軍奮闘しなければ。
ただ明日は雨の予報。
段ボールの箱を使ったパネルを運ぶのに一苦労しそう。
弱音を吐いてる暇はなさそうだ。
子供たちの笑顔を想像しながら、
頑張ってみるしかない。

どちらにしても、
何かを懸命にやっていれば、
煩わしいことを考えずにすみます。

おっと、もう深夜二時。
いつもなら4時までねないけれど、
今日はそろそろ寝ることにするかな。
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事故はいきなり

2019年06月14日 00時26分03秒 | Weblog
最近、高齢者による交通事故がやけに多く報道されているが、私は最近車に乗る機会が滅多になくなった。まだ返納まで至っていないが、極力運転しないように心掛けているのだ。外出は、歩くか自転車にしている。そんな立場になって、車の横暴ぶりに、恐怖する日々を送っている。(交通弱者への思いやりなど、かけらもない現実に、交通事故多発もやむなしと思わざるを得ない。イヤハヤ)

何年か目に、私も交通事故にあっている。その時の記憶は今も鮮明に思い出す。
 ガクッ!いきなりの衝撃が来た。(えっ?なに?)と呑気過ぎる反応は意外だった。
 愛車の横腹を、横道から飛び出した車に直撃されていた。弾みで車体は一回転、道沿いにあった倉庫の壁に跳ね返され、横倒しで対向車線を遮る恰好でようやく停止したが、何が起こったのか理解できぬままだった。といって狼狽えは全くしなかった。時間が止まって見えたといっていいのかも知れない。
 現実を取り戻すと、体が宙づりになっているのに気付いた。シートベルトに縛られた状態だった。下を見ると娘の目に出会った。通学のため、最寄りの駅に送る途中だった。
「大丈夫か?」「うん」「よかった」
 助手席の娘を見下ろす形で、なんとも場違いに思える父と娘の冷静過ぎる会話だった。
 救急車が来るまで、父と娘の睨めっこは続いた。まるで遊んでいるかのような錯覚を覚えた。事故に遭遇した危機的状況なのに、普段と同じ、興奮も切迫感も、まるでなかった。
 救急車が来ると、親子は問答無用で引き離された。緊急搬送された病院で、上着も下着も切り裂かれ丸裸にされるがままだった。
「〇〇さん!痛いところありませんか?」「返事して下さい!」「吐き気はありますか?」
 矢継ぎ早に救急医療スタッフに問いかけられた。それにすかさず反応できるほど器用ではない。(なんだよ)と問い返す間もなく、МRIのマシーンに放り込まれていた。
「あの子、かなり離れた病院に運ばれてね、大変な目にあったんよ。泣いてたわ」
 駆け付けた妻が口を挟ませない勢いで、娘の状況を克明に喋りまくった。「うん、うん」と頷くのが精一杯だった。結局、家族以外の面会が許されない入院生活を、一週間送り。頸椎捻挫の検査などを繰り返し受けた。
 周囲がバタバタしているのに、当の本人はケロッ、実に冷静そのものだった。
 交通事故の被害者が、徹底した俎板の鯉にされる体験は、二度と味わいたくないなあ。
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