「天然アユ」の表示に不信感
テレビのニュースで天然アユの特集を見て、日本の食品業界への不信を新たにした。
少なくなった天然物に代わり養殖物が主流を占めるのは納得できるものの、問題はその名称である。単純明快に養殖表示はされず、「流れ天然アユ」や「天然仕立て……」など実に紛らわしい表示で出荷されている。消費者心理につけ込んだ、そのやり口は何とも不快な限りである。
何もアユだけではない。何でもかでも手作りや天然、有機に表示されがちの食品の現状は、全く怖いばかりに放置されっ放しである。それをまた安易に受け入れている消費者側の責任も見過ごせない。
「文句が出てこないからいいじゃないか」という強気な養殖業者の言葉が、日本の消費者意識の低さを言い得て妙である。「こうなれば値段で判断するしかないですね」とニュースキャスターは言う。
さらに問題は、そんな不適格な表示を見過ごしている関係官庁にもある。ことは健康、生命にかかわる食品についてだ。もっと厳しい監視と規制があってもしかるべきである。安心して天然表示のアユを味わえる日が待ち遠しい。
(朝日・1988・7・8掲載)
テレビのニュースで天然アユの特集を見て、日本の食品業界への不信を新たにした。
少なくなった天然物に代わり養殖物が主流を占めるのは納得できるものの、問題はその名称である。単純明快に養殖表示はされず、「流れ天然アユ」や「天然仕立て……」など実に紛らわしい表示で出荷されている。消費者心理につけ込んだ、そのやり口は何とも不快な限りである。
何もアユだけではない。何でもかでも手作りや天然、有機に表示されがちの食品の現状は、全く怖いばかりに放置されっ放しである。それをまた安易に受け入れている消費者側の責任も見過ごせない。
「文句が出てこないからいいじゃないか」という強気な養殖業者の言葉が、日本の消費者意識の低さを言い得て妙である。「こうなれば値段で判断するしかないですね」とニュースキャスターは言う。
さらに問題は、そんな不適格な表示を見過ごしている関係官庁にもある。ことは健康、生命にかかわる食品についてだ。もっと厳しい監視と規制があってもしかるべきである。安心して天然表示のアユを味わえる日が待ち遠しい。
(朝日・1988・7・8掲載)
私は、30年余り鮎釣りで近畿一円の河川を回っておりますが
竿つり、投げ網等々でのびっくりした天然鮎は鰓の上にある金星がくっき浮かんでいるのが天然鮎です。
市場に出回っている鮎は、ほとんど養殖で、鰓の上の
金星が薄くはっきりしておりません。
最近は、餌づけの餌がよくなったので大きく成長しておりますが、
天然、養殖の見分け方は、金星で選んでください。
食しても天然と養殖とでは身のしまりが違います。
おっしゃる通り、表示ははっきりするべしです。