こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

お寒うございます

2024年01月31日 11時37分13秒 | 日記
おはようございます。
今朝も肌寒い。
といっても、
すぐに春みたいな陽気が来るとか。
いったいどうなってることやら。
春を控えた畑仕事も、
これまでとは変える必要が出てくるかも知れない。
寒くなったと同時に、
風邪ひきさんのパートナー。
結構ひどい症状だったが、
どうやら感染は免れたものの、
日常が一変した、この一週間。
アンチエイジング効果を狙っての、
「つねじいさんの朗読」も自粛中。
うんうんと眠る病人の側で、
うるさくするわけにはいかない。
のじぎく賞ほかの受賞作品など、
予定の朗読の復活はまだまだ。
あまり休みすぎると、
声がどうなるかわからない。
加齢と入れ歯が、
声出しに影響してしまうのは、
どうしょうもない。(苦笑)
まあ焦っても仕方がないとわかってはいるけれど。

機能はヴィクトリー式イスエクササイズを体験。
20人前後の参加者だが、
男性はちらほら状態。
まあ参加者で目立つシニア世代。
もう男も女もなくなる頃かな。(笑)
ヴィクトリーナ姫路の選手だった講師と、
男性トレーナの指導よろしく、
参加者も和気あいあいと楽しめた講習になった。(パチパチ)
寒い時期で固くなった体をほぐすいい機会をもらったと、
健康課のスタッフさんと講師さんには、
感謝感謝です。(ありがとうございます) 


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チャレンジ!イスエクササイズ

2024年01月30日 07時42分53秒 | 日記
おはようございます。
きょうは福祉会館へ。
ヴィクトリーナ式イスエクササイズ体験を申し込んでいる。
果たしてやりこなせるかどうかを思案しながら、
出かける準備にいそしんだ。
片道50分余りを歩くことになるが、
トレーニングシューズなどを入れるので、
大きいリュックの出番だ。

さあ。時間的な余裕を十分に考えて、
ちょっと早めの出発です。
年齢との勝負、いざいざ!である。
隠れご声援お願いします。

皆さんも、
前向きな一日を屋の市区お送りくださいね。
 
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快気祝い?

2024年01月29日 10時24分48秒 | 日記
きのうの夕食は珍しく外食。
ハローズの対面にできた「和食さと」へ。
ハローズを利用するたびに、
目に入っていたが、
足を踏み入れたのは初めて。
姫路花影町で喫茶店をオープンしたころは、
ファミリーレストランが目につき始めたのと同時期。
さと、ロイヤルホストなどが、
姫路の幹線沿いにできたので、
初物食いの田舎青年の私は早速足を運んだものだった。
中でも土山にできた「さと」は、
私の喫茶店「七枚の画布」から10分もかからなかった。
よく利用したものだ。
夜間にもやっていたので、
仕事終わりに入り浸ったり、
趣味のグループの打ち上げなどにもってこい。
そしてついに、
彼女とのデート場所に。
大学生の彼女と、
喫茶店で切り盛りする日々に追いまくられていた私。
二人の会える時間は深夜しかなかったっけ。
飲み放題のコーヒーで、
一晩見つめあって過ごした青春の思い出。
あれは「さと」あったればこそだろうな。
そのお世話になった馴染みの「さと」も、
年を取るにつれ疎遠になってしまっていた。
本当にに久しぶりだった。
そして驚いた。
AI配膳ロボットが店内を闊歩していたのである。
鉄腕アトムの世界の始まりだ~~!(大笑い)

ウホン!余談はさておいて、
きのうは快気祝い。
風邪が長引いていたパートナーが、
のどの痛みから解放されたので、
なんとも早すぎる快気祝いとなったのである。(笑い)
しかしシニア同士、
いつどうなるやらわからない年代である。
身近でも亡くなったり、
大病で入院などなど、
そんな喜べない情報がしきりなのだ。
ならば喜びを祝うのは早いに越したことはない、
そう思うのはつねじいさんだけなのでしょうか?(大苦笑)

とにかく、
おめでとう、わがパートナー、またよろしくな!(ウン)
みなさんもまたまたよろしくおねがいしますね。
 
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慣れっこ我慢の子

2024年01月28日 12時57分55秒 | 日記
長引くパートナーの風邪症状。
きのうは病院に、
診察結果から、
どうやら孫の風邪を貰ったらしい。
孫を目に入れても痛くない。
孫愛ばあちゃんじいちゃんの宿命といってもいいかな。
この4日、
結構じたばたばた感に終始した。
もうすこしかかりそうだが、
さほど苦にはならない。
年を取ると、
気は短く、怒りやすくなるといわれるが、
私の場合も例外ではない自覚がある。
実は表に出すことは皆無といっていい。

補ってくれているのが、
子供のころからの「おひとりさまライフ」
ひとりぼっちといえば、
ちょっと悲しく侘しいものがあるから、
私には「おひとりさま」である。(苦笑)
おかげで我慢を覚え、
我慢を、
希望へのチャレンジに代えるための、
原動力にする野望(笑い)を手にしたものだ.
おかげで、
いまや普通のハッピーライフまただ中である。

今回のパートナーの風邪ひき場面に、
培った「おひとりさま」がいい感じで働いてくれている。
源ちゃんの散歩もふれあいも、
専門のクッキング以外の家事も程らいに対処できる。

とはいえ、
用向きで外出した、
あの一万歩終えの歩きも4日続き、
その反動が三日遅れのいま、
体を襲っている。
まあ無理せず、
ゆったりと過ごす日曜日。
これまた久しぶりに迎える休日である。
隣では、
マスクをつけたパートナーが寝込みの最中である。(苦笑)
 
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風邪ひいてまんねん

2024年01月27日 02時47分45秒 | 日記

この三日間、
いつに増して忙しさに追いまくられた。
パートナーが風邪をひき寝込んだのも、
忙しさに輪をかけた。
最近は、ムラの中の畑通いだけに車を運転する。
外出はパートナーまかせが多くなった。
そんなこんなで外出を控えたいところを、
外せぬ所用が続く羽目に。
とどのつまり歩くしかなかった。
都合三日間で5万歩ほどを歩いてしまった。
コロナ前なら楽々なウォーク距離だが、
加齢も負に働いたのか、
二日目の二万歩近いウォーク、
家の近くまでたどり着くのがやっとという始末。
足が前に出ず、
ふらふら状態という情けない姿をさらしてしまった。
この日は買い出しも兼ねたので、
大きいリュックを背中に負った。
一昨年ぐらい前から、
年齢に即した小さめのリュックに代えていたのに、
いきなりの再登場となった大リュック。
買い物は病人のオーダーを中心の。
牛乳二本、ブルベリーヨーグルト、卵2パック、
1・8リットルのペットボトル。
ショウガ湯に葛湯、バナナにミカンなどなど、
詰めに詰めたリュックを背に負ぶった。
かなりの重さが、
足腰を負荷をかける形になってしまった。
本当の話、
コロナ前は買い物を段ボールに詰めて、
イオンから自宅50分以上を歩いても、
屁とも思わなかったのだ。
いやはや加齢による体力劣化は想像以上のものがあるようだ。
今更ながら、
よくぞ自宅に辿り着いたものだと思わざるを得なかった。
痙攣寸前までいった足は、
一日たつと回復をみせてくれた。(正直ホッ!である)
風邪で動けないパートナーと、
枕を並べて討ち死になんてわけにはいかない。
家庭の料理人は、
いつもと違う、
風邪引きさんのために、
おかゆ・スープなどなどを作るのだ。
そして「おいしい」と、
おかゆを一口のパートナーの笑みに、
(してやったり!)とこぶしを振り上げる。

それにしても風邪やインフルエンザは、
昨今かなりはやっているらしい。
もちろんコロナも無視できない。
隣の町に暮らす娘たちも、
家族がインフルエンザや風邪で寝込んでいるらしい。
ゆめゆめ油断すまいと、
一層の気を引き締めるつねじいさんである。(ウン!)
 
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お互いさまと、笑った彼女は天使だった

2024年01月25日 23時46分42秒 | 日記
震災のニュースに心を痛めるたびに、
思い出す彼女の笑顔。
あの逞しさと明るさは、
私の危機を救ってくれたのだ。
あのバイタリティは、
今もたくさんの人に歓迎されているのだろうな。(ウン)
あの出会いの日々は、
今もはっきり覚えている。

「手伝います、マスター」
 近くの予備校に通う女性だった。
 予備校に通う道沿いで喫茶店をやっていた。時々フラーッと珈琲を飲みに立ち寄る彼女とは話したことはなかった。飲み終わると「ご馳走さん」と笑顔をみせて店を後にするので、なんとなく記憶している。
 いつもは妻と二人で切り盛りするお店も、きょうはわたしひとりだった。生後まもない娘が高熱を出し、病院に慌てて向かった妻から連絡が入らなくて、気が気がじゃなかったが、いつも通り店を開けていた。
 モーニングタイムは妻とふたりでもきりきり舞いするのに、覚悟を決めて臨んだ。途中にでも妻が帰ってきてくれると淡い希望もあったが、現実は厳しかった。
 次から次へと来るお客さんに、もう必死。それでも手が回らない。(もう駄目だ!)と諦めかけた時に、声を掛けてくれた彼女。まさに天の助けだった。
 常連客だけに接客の仕方を心得ていた。
「これ何番テーブルやね」「モーニングみっつです」「お絞りなくなったので補充します」
 手際のいい彼女のおかげで、わたしは調理に専念、忙しい時間を乗り切った。
店が落ち着くと「時間だから行ってきます」と予備校に駆けていった。「お礼もいえなかったなあ」と気にしていると、ようやく妻が帰ってきた。
娘は子供の難病病と診断され、即入院となったらしい。用意をしてまた病院に向かうという妻に、さっき助けられた話をした。
「ああ彼女やね。よかったね、予備校に行く途中で」
妻のよく知る女性客だった。そういえば、ホール担当の妻が愉しく話していたのを思い出した。
予備校に併設の水泳教室のコーチらしい。神戸から姫路まで通っていると聞いて驚いた。
「震災で大変な目にあって、こちら姫路でお世話になっていま~す」けらけらと笑い飛ばす彼女に妻は強い刺激を受けたという。
 翌日、暇な時間に前を通りかかった彼女を呼び止めて、珈琲をふるまった。お礼を言うと彼女は明るく笑い飛ばした。
「お互いさまです。困っているときは助けあわなくっちゃ」
 彼女の人柄もあるのだろう、話が弾んだ。震災で避難した先で受けたいろんな人の優しさを聞かされた。実は私も炊き出しボランティアで西宮へいっている。他人事に聞ける話ではない。すべてを失っても、あの優しさに包まれたら「やらなきゃ!」って顔が上がりました。彼女の逞しさに見惚れてしまった。
 その後も忙しくてバタバタしていると、当然のように彼女の救いの手が伸びてきた。
 残暑お見舞いのはがきを手に、彼女にもう一度会いたくなった。きっと肝っ玉母さんだ。シニアになったわたしも負けてはいられないぞ。

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思いはいっぱい紙芝居のこっち側

2024年01月23日 00時04分32秒 | 日記
「もう大人しくしてたらいいのに?いいおじいちゃんなんだから。仕方ない旦那さんだ」
 わたしの報告に呆れ顔。口喧しい妻にはもう慣れっこ。それでも今回は的を射ている。後期高齢者までカウントダウン。なにをするにしても、これまで以上に難しくなる。
「それに時代が違うのよ。現実を見なくちゃ」
 妻の言い分はよく分かる。ただ私の夢を完全否定する権利は誰にもない。勿論妻だって。
 演劇青年だった。アマチュア劇団華やかなりし時代、やがてアマチュア劇団を自ら旗揚げする程のめり込んだ。
物心つくとともに自覚した、酷過ぎる人見知りな性格。誰かと話そうとすれば、赤面し言葉に詰まってしまう。社会への適応に四苦八苦するわたしの駆け込み寺になってくれたのは。アマチュア演劇の世界だった。
作者が作りだしたセリフを丸覚えで話す、メークを施した顔は赤面してもバレない、私が抱える難題は見事に解消した。考えたこともなかった未来を、いとも簡単に与えてくれた演劇のすごさ。のめり込んでしまうのは当然といえば当然だった。
 演劇は私に生きるすべと、その延長で妻を、家族を与えてくれた。叶うはずのなかった夢を現実にしてくれた演劇は、もはや人生そのものといえた。
「結婚したら、どちらかが動けなくなるまで演劇を続ける!それがわたしたちの結婚」
 劇団で出会い、ともに演劇の世界を走りぬいた十三歳年下の妻と結婚する際の約束だった。演劇あっての結婚、今思えばかなり現実離れした誓いである。しかしわたしと妻は真剣そのものだった。あの当時は……
 結婚して子供を授かると、その誓いはあっさりと反古同然となった。子育てと家事、そこに必要なお金。ロマンチックな夢や誓いなど入り込む余地のない現実。
 四人の子供が巣立つと、妻が始めたのは野菜作り。より安全な有機野菜を育て、子供や孫に食べさせようという、より現実に即した夢だった。「どちらかが欠けるまで演劇をしよう!」なんて近いは。もう絵空事に追いやられてしまった。
子供らのために安全安心な有機野菜を作ることに異存はない。喜んで妻に従った。畑を耕し、野菜の収穫を喜ぶ日々を送る。
しかしなにか違和感に付きまとわれた。そう、目の前にあったのは無味乾燥そのものの現実だけだった。人生のパートナーである演劇はどこに行ってしまったのだろう。そう考え始めるといてもたってもいられなくなった。
「おい、紙芝居やるぞ」突拍子もないわたしの宣言を、妻は即座に笑い飛ばした。「無理無理、そんな夢みたいなこと出来ないよ」
「そう!俺の夢や。いくら年取っても、夢見てもええやろ」
 真剣な口調に、妻は口を閉じた。
 定年でできた余裕時間を使い、紙芝居の練習を始めた。必要な舞台や作品はネットで購入した。
「勿体ないよ、無駄使いじゃん」
 妻の猛反対に聞く耳は持たなかった。(僕はやる!人生の集大成である馬鹿な夢の実現や!)演劇と紙芝居、似ても似つかない別物だと理解していても、一人でやれることは他に思いつかない。人生のパートナーである妻のサポートは期待できないのだから。
 地元のイベントに紙芝居で参加できるよう担当部署に足を運んだ。市内のモールの事務所にも頼み込んだ。気分も驚く行動力だった。
「紙芝居をボランティアでやっています。紙芝居をやる場を頂けませんか」
 アマチュア劇団活動に夢中だった青春回帰といえた。自分の夢の実現に恥も外聞もない。ただ思いを相手に届けるだけの無欲な行動。
「地元の人やし、一度キッズイベントのプログラムでやって貰ってもいいかな」
 モールの担当者は熱意を受けいれてくれた。そして地元のイベントにも参加が決まった。人生最後の夢実現に向けた第1歩である。
「もう呆れたひとなんやから。もう恥ずかしいやろ」イベント参加決定の報告に妻は呆れたが、なんと状況は大きく変わった。
 紙芝居の稽古や演出上の作り物に夢中になっていると、顔を覗かせた妻が手伝い始めた。
「お前忙しいやろが」
「ほっとけないの。旦那さんが懸命なのに」
 その言葉で私は理解した。結婚時に誓いあった夢が始まったのを
 モールのイベントで「おむすびころりん」「おおきなかぶ」を上演した。タダの紙芝居に終わっては、アマチュア演劇に打ち込んできたものとしては物足りない。観客の子供を引き込む演出を加え、紙芝居も演者のパfォーマンスを取り入れた。保育士経験者である妻の手遊びなども披露、子供に大受けだった。
「次はふるさと話を作るか?」「ええなあ」
 有機野菜の収穫をしながら夫婦の話題はひとつ。長い時を経て夫婦の夢は花開いた。

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スマホ講座とクッキングの関係?

2024年01月22日 11時31分03秒 | 日記
おはようございます。(かなり遅めの目覚めです。(はぁ~)

きのう深夜に作り置きの「おひとりさまクッキング」にのめりこんだせいです。
ホットケーキ、お好み焼きは
少量のミニサイズを焼き上げて冷凍保存。
途中たこ飯を炊き、
ラーメンを添えて深夜食。
(体にいいことはないとわかっていますが、
昔からの悪習です。(?)ごちそうさまなのです!

プリンは食べきりサイズをフライパンで30分湯せん。
次に「井村屋の小豆バー」をと思ったものの、
タイムアップ!(リミットの深夜4時を過ぎました!)

そこまでのめりこんだクッキングに至った原因は、
図書館で行われたスマホ講座受講の余波?

私のスマホの設定は、すべて(?)娘任せだけに、
さあ自分で設定となると、
もう何が何だかわからな~い~~!(大笑い)

それに勉強は昔も今も苦手。
そんなこんなでヒーハーヒーハーの、
アナログ派シニア対応になってしまったのです。
だからクッキングで普通への回復を図ったというわけです。

でも寝過ぎました。
しばらく雨やなんかで見送っていた、
畑の仕上げをしなくてはいけません。
よ~し、頑張るぞ!(ウン)
 
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夫婦ばん善哉

2024年01月21日 02時31分52秒 | 日記
日の目を見なかった没原稿です。

「有機野菜がくれた夢に生きる」
 目覚めると、まだ八時前。静かそのものだ。
子供四人が巣立ち、私と妻二人きりの生活に入って五年を過ぎた。静かで当たり前だが、今朝も妻の姿はない。その居場所は承知している。だから落ち着いたものだ。
 妻と違い夜型人間の私、明け方四時ごろまで眠れず何かしらやっている。八時に起きると決めている。四時間眠れる勘定である。この習慣は、調理師の世界に入ってからである。かなり長くなり、もう慣れっこといっていい。
 一方の妻は夜九時に床へつく。夜に弱く朝は強い、真逆の夫婦でバランスは取れている。
「ただいま。ひと仕事してきたよ」
 妻のお帰りである。朝取りの野菜を山盛りにした籠をしっかりと抱えている。
「すごいすごい。収穫しがいあったやろ」
「幸せやわ。生きてるって、こういうことやろな」
 妻の顔は思い切り綻んでいる。 一年前に仕事を辞めた妻の笑顔は増えた。仕事に就いていた時は滅多に見せなかった笑顔だ。この夏に六十二。ひと回り以上若い妻は、スーパーでサービスチーフだった。正社員である上司とパート中心の現場スタッフの間をつなぐ大変な役回りだった。
責任感が強いだけに、かなりストレスをため込んでいたのは確か。新しく赴任した店長の理不尽な責任転嫁に耐えきれず、ついにスーパーを辞めた。二十年に渡り頑張ってきた仕事だが、理不尽極まる上司に我慢できなかったのである。
「これ受講してみるわ」
 ハローワークに通いながら次の仕事を探していた妻が、地元の広報誌で見つけたのは「有機栽培実研講座」参加者を募る小さな記事。
 野菜作りは私が先輩。七十を前に仕事を引退、譲られた実家の畑で、見よう見まねの野菜作りを始めていた。引退するまで調理師、退職後は家族のための料理人に専従となった。食材補充の野菜作りだった。もともと農家生まれ。ただ末っ子だから自慢できるほどの農業体験はない。小さい頃から手伝いに駆り出されて得た記憶だけである。
 野菜を作り始めた当初は、両親のやっていたことを思い出しながらの見よう見まね。それでもそれなりの野菜が収穫できた。ただし化学肥料や農薬は気にせず使った結果である。
「農薬や化学肥料はすごく人間の体に悪いのよ。除草剤など以ての外なんだから」
 有機栽培に関する本を片手に力説した妻。町育ちで野菜作りなど無縁だった妻は、ゼロからスタートするのに「有機栽培」を選んだのだった。
 もともと農業に対する強い思い入れのない私に異存などあるはずはない。野菜作りに有機栽培がいい悪いの判断は不可能だ。つまるところ妻がやると決めれば、それでよかった。
「有機栽培講座」に通う妻は、一か月もするといっぱしの農業人を気取った。
「刈った草は捨てずに活かし、野菜を作るの。雑草はいくらあってもいい。どんどん刈って」
 目からうろこだった。雑草は野菜作りの大いなる邪魔者だと思ってきた。それが一般的な黒マルチに勝る草マルチになる。刈り取った雑草を乾燥させ、畑一面を覆うのだ。マルチ効果だけでなく、緑肥にもなる。クモや有益な昆虫の住処が生まれ、ミミズの発生も。
 県立農業大学元教授の教えである。有機農業に疑問を挟む理由は見当たらない
 これまで邪魔者でしかなかった雑草が、今度は畑に欠かせない宝物になる。素晴らしい!あれほどあぐねた草刈りも楽しくなる。
 米ぬかを発酵させたぼかし肥料と緑肥などを組み合わせ相乗効果を狙った有機栽培。手間暇かける値打ちはあるのかと半信半疑だった私も、いつしか有機栽培に魅了されていく。草マルチの裏に、クモや昆虫、そしてミミズを発見して感激!よくよく考えれば、子供の頃しょっちゅう味わったものだと気が付いた。
「この間の茄子とトマト本当に美味しかった」
 結婚して隣町に暮らす娘ふたり、里帰りの頻度が増したのは、どうやら有機で育てた自家野菜が目当てになったようだ。連れてこられた孫二人も畑の中を遊び回る。安心安全な無農薬環境である。
 遠くで暮らす息子らも、宅配便で届けた朝取り野菜が絶品だと喜んでくれている。
「まだ草足らへんよ」「ほいほい」
 ウキウキと草刈りに取りかかる私」
 最近は妻も仮払い機を肩にし出した。夫婦揃っての草刈りなんてことも可能になった。この間は、近くの放棄田の草刈りを引き受け、刈り払った草を貰ったりと、楽しんでいる。
「売って利益を上げられなくていいの。誰でも転げ回って遊べる畑と、草花や虫など身近な生き物の世界を維持できれば最高でしょ」
 有機栽培にかける妻の夢はまた大きく広がる。自然との共生を満喫、自家野菜で料理するという料理人冥利に尽きる私はその片腕だ..



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ぼくの料理道?

2024年01月20日 13時58分39秒 | 日記
雨かドンヨリドヨドヨの天候が続きます。
外出もどんよりどよどよ状態で、
そんな気分になりません。
そこで気分直しにクッキング。
料理の仕事は、
調理専門学校時代を入れると、
半世紀以上キャリアを積んできた。
おっと、
子供時代のお手伝いも入れると、
ぞーっとする年月になる。
引退した今も、
家族の料理番。
すこしも厭きないのが不思議といえば不思議。
よほど相性がよかったんだろうな。(笑い)
日々三度の食事作りは当然だが、
深夜に思いついては「おひとりさまクッキング」
ショックなことがあっても、
気晴らしになるのが「やけくそクッキング」
最近はクックパッドなど、
お料理サイトを見ながら、
新しいレシピにチャレンジすることも多くなった。
昨年は、
「ねひめ広場運営会議」主催のフライパンクッキングなど、
料理知らずのみなさんと楽しむ、
料理教室まがいのイベントを始めました。
これがまた楽しくて、
年を忘れさせてもらえます。

さあ、今年も皆さんとクッキングを楽しめる、
お料理教室を一緒にやりましょう。
昨年は吉野家風牛丼、
お魚のおろし方などなどをチャレンジして楽しみました。
料理を楽しもうをテーマに、
新たなレシピの検討始めました。
可能な限り、
フライパン一本で料理道を極めましょう! 

 
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