こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

たまご丼

2019年09月06日 05時06分20秒 | エッセ
我が家の料理番になったのは、
定年がきっかけだった。
調理師資格を得てから。
レストラン、喫茶店、食堂、弁当仕出し店などをはしごして四十数年。
料理は仕事であって
家庭の食事作りをすることは殆どなかった。
即席ラーメンぐらいが関の山だった。
 定年を迎えてから
家でぶらぶらしているのを見かねた妻が
「家族の料理お願いできるかしら?引退したプロの料理人さん」と皮肉った。
聞き流せばよかったが、
気が短い性格、
ムキになって
「よっしゃ!家庭の料理番やったる」
天皇の料理番というドラマを観ていた影響もあっての料理番宣言。
仕事をしている妻も子供には好都合。
家庭での食事の一切を
引き受けさせられてしまった。
 洋食が専門だったが、
家庭料理で
上品なコースものなど不向きとあって、
パソコンのレシピサイトを活用した。
家庭料理とプロの調理知識とワザが
相乗効果を見せたのか、
好評そのもの。
しかし、いくら美味しいレシピでも、
同じものが続くと、
クレームが出る。
いろいろ言われるのも
プロだったプライドが許さない。
和洋中を組み合わせて工夫を重ねた。
ただ料理番も疲れるときはある。
そんな時に
必ず出番を迎えるのが卵丼。
タレさえ作り置きして
ストックしておけば
、あっという間に出来てしまう。
しかも「お父さんの丼は最高!」と
賞賛される。
かつ丼、木の葉丼などなど、
アレンジも簡単だし、
飽きられる心配もなくなり、
一石二鳥というわけだ。
小鍋でタレと玉ねぎのスライスを煮る。
白ネギがあれば言うことはないが
、玉ねぎだっていい味が出る。
卵を二個溶いて、鍋にまず半分入れる。
仕上げに半分入れて蒸らせば、
トロトロ卵丼の完成である。
家族が留守でおひとりさま食事の折も
卵丼は欠かせない。
自画自賛ながら(俺の作る丼は最高!)と、
おかわりもしてしまう。
家庭の料理番の強い味方に
感謝してもし足りない。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« またも夢? | トップ | 老いをしみじみ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

エッセ」カテゴリの最新記事