『雨の日に 大きく見ゆる 花莟』
(あめのひに おおきくみゆる はなつぼみ)
『春の風 肌の冷たさ いまだして』
(はるのかぜ はだのつめたさ いまだして)
『春霞 黄砂かも知れず 天を見る』
(はるがすみ こうさかもしれず てんをみる)
『春電車 京橋良い処 皆降りる』
(はるでんしゃ きょうばしよいとこ みなおりる)
『啓蟄や 足音高く 女歩く』
(けいちつや あしおとたかく ひとあるく)
『春の月 三日月薄く 黄昏ぬ』
(はるのつき みかづきうすく たそがれぬ)
『雛祭 やはり雨かよ 雨女』
(ひなまつり やはりあめかよ あまおんな)
『抱きし子の 爺々と呼ぶや 雛まつり』
(だきしこの じいじとよぶや ひなまつり)
『三月や やっと忙し 忙しなし』
(さんがつや やっといそがし せわしなし)
『お水取り 松明消えて 冴え返る』
(おみずとり たいまつきえて さえかえる)
『亀不動 広沢の池 冴え返る』
(かめふどう ひろさわのいけ さえかえる)
『桃咲くや ふるさと遠く 見えるかな』
(ももさくや ふるさととおく みえるかな)
『鉢植えの 黄色のパンジー 一列に』
(はちうえの きいろのぱんじー いちれつに)