『鼻高き ハイヒール高き 春の女』
(はなたかき はいひーるたかき はるのひと)
『おにぎりを むしゃぶりついて 春の女』
(おにぎりを むしゃぶりついて はるのひと)
『校庭を 掃きて別るる 卒業生』
(こうていを はきてわかるる そつぎょうせい)
『雛人形 今日も飾りて 嫁強し』
(ひなにんぎょう きょうもかざりて よめつよし)
『紅梅や 吾子も帰るぞ 日の本に』
(こうばいや あこもかえるぞ ひのもとに)
『枯枝の 巣に主なく 百千鳥』
(かれえだの すにあるじなく ももちどり)
『菜の花や 隣の畑は 蓮華だよ』
(なのはなや となりのはたけは れんげだよ)
『風の向き 予報できずに 冴え返る』
(かぜのむき よほうできずに さえかえる)
『ボタの山 笑いて崩れし 夢遙か』
(ぼたのやま わらいてくずれし ゆめはるか)
『陽炎や そこから先は 闇なのよ』
(かげろうや そこからさきは やみなのよ)
『雨傘を 閉じて揺すって 春の雨』
(あまがさを とじてゆすって はるのあめ)