HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

正しい音に命中させるには 手の位置を決めて🎵

2023年04月26日 | 音符・楽譜・テクニック

おにぎりくん(小5):

「学校の音楽で歌ってるから、これ弾きたい」と、歌集の中の「勇気100%」を弾き始めました。

元気があって、なかなかいい曲なんですが、いざ弾いてみたら

「歌うと簡単なんだけど弾くと難しい〜」と、思ったより手強かったようです。

メロディーの音符を、指11本で追いかけていくと難しいんだよ。そうじゃなくてね、この歌でいえば、「がっ、か、り、し、て、め、そ、め、そ、し、て、」と一つ一つ探さず、

.まず「がっかりして」というフレーズを全部カバーできる指づかいを考えて、先にそれを配置してしまう。

.そして歌に沿って弾けば、あっという間に滑らかなメロディーが弾けるよ!手の形も、一番合理的で無理のないフォームになってるはず。



そのままの位置で次のフレーズを弾こうとすると 指が足りないので、手全体を 3の指をラの音に置く位置」に ひょいっとジャンプします。(その辺は先生にアドバイスしてもらって)そして「めそめそして」がカバーできる指番号を配置歌に沿って弾けばOK


その次はもっと簡単。

今置いた位置で、手の向きを少し回転させて「ミ」の音が弾けるように置けば、「どうしたんだい」もすぐ弾けます。


本を音読するのとおんなじで、文字(音符)を一つ一つ、たどたどしく読んでいくのではなく、言葉単位、フレーズ単位で読む(弾く)ことに慣れていきましょう。

その方がずっと音楽的だったり文学的だったりになるのでね。

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ツバメの「トリオ」って何のこと?

2022年08月31日 | 音符・楽譜・テクニック

先日「ツバメ」に関する記事の中に「トリオ」という用語を使ったんですが、「トリオって何のこと?」と思った人が多いと思うので、解説しますね。

「トリオ」って、一般的には「3人組」とか「3つセット」ってことだよね?

お笑いの3人組、だったり、あと、音楽では3人での演奏形態(三重奏)のことを指したりします。

たとえば「ピアノトリオ」と言えば、ピアノと あと2つの楽器、合わせて3人での演奏、ってことで、まあ大体は ピアノ+ヴァイオリン+チェロです。

「3つ組」… これが1つの意味。

だけど、今回「ツバメ」の記事に書いた「トリオ」は、全然別もんです。

楽曲が A - A' - B - C と1コーラス進んだ後に、突如 今までとは違う雰囲気のメロディーが挿入されている。それがトリオです。

そしてトリオを演奏した後は、また最初に戻って1コーラス、あるいはサビに戻って半コーラス、演奏して終わります。

簡単に言えば、1コーラス目と2コーラス目をつなぐ、ちょっと雰囲気の違った部分。

それがトリオです。

古典音楽ではモーツァルトやベートーヴェンのメヌエットなど、トリオ付きのものが色々ありますよ。

あと、勇ましい行進曲には付き物の形態です。(「ボギー大佐」とか、学校の音楽の時間に聴いたかな)

今回の「ツバメ」は、クラシック音楽ではないので 正式な楽式ではないんですが、便宜上

🎵悲しい気持ちに 飲み込まれて 〜 から

🎵ぼくらは つながり合える

までを「トリオ」と区分して扱っています。

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ヒバリ式バーナムの使い方🎵

2022年08月26日 | 音符・楽譜・テクニック

ヒバリ教室では、基本の「テクニック教材」として「バーナムピアノテクニック」のシリーズを使っています。

昔から定番として名高いテクニック教材に「ハノン」がありますが、小さい生徒たちにとってハノンは

・しんどい

・1曲が長い

・おもしろくない

・本が分厚い

・ずーっと使っててボロボロ

とイヤなことオンパレード

それに比べ、バーナムは

・かんたん

・1曲が短い(最初のうちなど4小節)

・おもしろい(タイトルやイラストがある)

・本が薄い(ノートくらいの厚み)

・次々先の本へ進めるので励みになる

と、みんなの「イヤなこと」を全て払拭(ふっしょく)した、画期的なテクニック教材なのです\(^o^)  

紫の表紙の「ミニブック」に始まり、オレンジ、ピンク、緑と進んでいくカラフルな本を楽しみに、子どもたちは練習していきます。

楽しいからといって子どもに迎合(げいごう)しているわけではなく、内容は深くて、うまく使えばピアノテクニックや譜読みの力がバリバリ付きます。

ヒバリ教室では「バーナム」の効果をさらに上げるため、「今使っている本」と「1つ前に終わった本」の2冊を並行して使っていて、「前に終わった本」は、ランダムに選んだ課題をその場で弾くことにしています。

「バーナム」の課題は、各チャプターごとに12曲ずつなので、1から12までの数字をいろんな方法で選んでいます。

その1 「人生ゲームのルーレット」

番号が10までなので、1または2が出た時はもう一度ルーレットを回して1 or 11 とかを選ぶ。


その2 12面体サイコロ」

スーパーマリオの付録()メルカリでゲット。


その3 「トランプ」。

13とジョーカーが出た時はその時、各自がルールをきめる。


こんな感じで、「何が出るかな」というちょっとしたスリルと、「新曲視奏」ぽい練習にもなってるかなと思ってるんだけど、どうかな…?

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楽譜をスラスラ弾くコツ🎵

2022年08月21日 | 音符・楽譜・テクニック
楽譜。
すごく便利なもの。
すごく役にたつもの。
だけどある意味、すごく邪魔なものだったり。
ヒバリ先生にとって楽譜とは、そんな感じかなあ。

ピアノを弾く人たちみんなに欠かせない楽譜ですが、その楽譜に対峙する人のタイプが、ヒバリの分析では大きく二つに分けられています。

世の中には2種類のピアノ弾きがいる。
弾く時に「楽譜から」目が離せない人
弾く時に「手から」目が離せない人 
                   byヒバリ先生


「楽譜から目を離すと不安で、ずーっと見てないと曲がわからない」という人。
一方「手を見てないとミスタッチしてしまう。楽譜を覚えてから、きっちり手を見て正しいキイを弾かないと不安」という人。

楽譜を見る、手を見る、どちらにも利点があるので、時と場合に応じて両方出来るに越したことはないんですが、生徒のみなさんを見ていると、どうもどちらかのタイプに属してしまう、という人がほとんどで、面白い現象です。(といっていいかどうか)

それでも、複雑なピアノ楽譜とかならいざ知らず、単純な練習曲やシンプルなメロディー譜などは 視奏できた方がいいですし、慣れればどんどん上達しますので、恐れずやってください。

ポイントは、「今弾いている所よりどんだけ先を見ているか」です。

今、1小節目の最初の音を弾き始めたとしたら、目は すでに1小節目の半(なか)ば、あるいは2小節目を見ています。

1段目の最後の小節を弾いているとき、目は、もう2段目を見ています。

こうして、「先を見ながら弾いていける」のが上手な視奏といえるのです。

カラオケの画面を見ながら歌ったことのある人なら分かると思いますが、たまに 歌詞表示のタイミングの悪いカラオケがあって、今歌う部分に来て初めて その歌詞が表示されるので、それじゃ音楽に合わせて歌えない、ってことがあります。

タイミングの良いカラオケなら、メロディーが次のフレーズに入る その少し前に次の歌詞が表示されるので、それを読み取って テンポ良くメロディーに合わせて歌うことができる…

それと同じです。
「次のフレーズを、その少し前に読み取りながら進んでいく」ことが必須。

これは、意識して行うものでもなく、たくさん視奏しているうちに、弾いている所より先を見ている自分に気がつく、ってことだと思います。
そしてその時には、かなり視奏が上手になってる、ということなのです。

そうするのが難しい場合は…
うーん…
やっぱ「指さし棒」かな…


「アダムスファミリー」にも 「バツに棒」音符が!🎵

2022年06月12日 | 音符・楽譜・テクニック
ごましおくん(小2):
どういうきっかけで見たのか、「アダムスファミリー」の映画(?)を見たそうで、その印象的なテーマ音楽がお気に入りです。

タラララ! チャッ! チャッ!(指を鳴らす)
                   
タラララ! チャッ! チャッ!(指を鳴らす)

先生と声を合わせて歌った後、「弾きたい?」と聞いたら「うん」と言うので、前に作っていた楽譜をコピーしてあげました。

そしたら「アダムスファミリー」にも ×× の音符が!

「このバツって何?」
「それは、ドとかレとかの音じゃなくて、指鳴らす印」と、ジェリーくんにしたのと同じように説明して、ごましおくんも納得。

××のところを声で叫ぶ「トーマス」と違って、「アダムス」の方は指を鳴らすので、鍵盤を弾いたり指鳴らしたり、忙しい。
でも面白い曲だから、やってみてね。

この「バツに棒」の音符ですが、シャウトだったり、手拍子だったり、打楽器だったり、「楽音じゃないリズム」を表すときに使われます。

めったにお目にかからないと思うけど、たまたま二人、連続でこの音符に遭遇したとは奇遇ですね。

「バツに棒」…覚えておいてね。
 

きかんしゃトーマス、楽譜の「バツに棒」音符は🎵

2022年06月11日 | 音符・楽譜・テクニック
ジェリーくん(小1):
「きかんしゃトーマス」の歌が弾きたいと言うので、楽譜を作ってあげました。

先週は、くり返し何度も歌われるメインの16小節でいいかなーと思って、それを渡して一緒に弾いてみたんですが、ジェリーくん 音符を見ながら弾いてみて、「トーマス!っていうところは?」と続きのBメロ部分が無いことを指摘してきました。

「トーマス!の所も、楽譜いる?」
「うん!」
ということで、今日はそのBメロ部分の楽譜をもう1枚追加したんですが…

「この、トーマス!のとこの ×× の音符って何?」とジェリーくん。
「そこは、ほら、歌じゃなくて、『トーマス!』って叫ぶとこじゃない?だから、黒丸とか白丸とかの音符じゃなくて 、×× に棒をつけてるの」
「ふうん」と納得して楽譜を持ち帰ったジェリーくん、後からママのお話では、お家でも「きかんしゃトーマス」の歌を毎日弾いていて、楽譜の ×× のところは「トーマス!」と元気よく叫びながら弾いてます、とのことでした。

ショパンのフレーズは筆文字で🎵

2022年05月19日 | 音符・楽譜・テクニック

ひまわりちゃん(中1)、今年の発表会でショパンのワルツを弾くことになり、GWが終わった頃から少しずつ練習し始めました。

 
ひまわりちゃんが弾くのはワルツ9番(通称別れのワルツ)。ゆるやかなテンポの、甘く切ない「これぞショパン!」という曲。
 
今日、最初の1ページの右手は一応弾けるまでになってレッスンに来ました。
「うん、旋律も、指づかいもきちんと間違いなくできてるね」と先生。
「そしたら次。ショパンは、ただ正しく弾くだけじゃダメなの。呼吸するようにフレーズを弾かなきゃいけない」
「呼吸…って?」
「それはね…あっ、そうだ」
先生は引き出しをかき回し、「ボールペン」と「筆ペン」を1本ずつ持ってきて、紙に文字を書きました。
 

「ボールペンで書いた文字は、どこも同じ太さ、同じ力加減。だけど筆で書いて、最初はグッと重みをかけ、ふんわりとカーブを描き…そして最後はスッと抜くと、ほら、線にやわらかさと膨らみが出てくるね。そして線の最後は、スッと細くなってる。
ショパンを弾く時、この筆で書く時のように、フレーズの中程はふっくら、最後はスッと抜くように弾く。ねっ、『抜き』が肝心なの。これは絶対にやってもらわなきゃダメなの」
そして実際に、手首を使って柔らかく「抜く」お手本を示します。
ひまわりちゃんは真剣にそれにならい、全部のフレーズをきれいに「抜いて」弾くことができました。
「できたできた!ねっ、来週まで、きれいに『抜いて』フレーズが弾けるように練習してきてね」
「うん、わかった」
 
フレーズをきれいに弾く「抜き」は、ヒバリ先生が特に大事にしていて、ヒバリ教室のお家芸とも言える大切なテクニックなのです。
ひまわりちゃん、是非これを身につけて、より一層「ヒバリッシュな」(?)ピアニストになっておくれ。
 

1の指で黒鍵を弾くときは

2021年05月11日 | 音符・楽譜・テクニック

K子さん(大人):

GWでレッスンがお休みになっている間に、ジャズ曲集から今までレッスンした曲ややりかけていた曲をもう一度復習し直していたそうです。それも5~6曲も!

さらにバッハインヴェンションの新しい曲まで練習してた。

すごい優等生ですね!!生徒のカガミK子さん。

今日は「サテンドール」を聞かせてもらったのですが、複雑な和音やリズムをよく練習して、ずいぶん曲が整ってきていました。

その中で、K子さんがどうしても弾きづらい和音があるといいます。

Em7の和音、右手でF♯、G、Bの3つの音を弾く所です。

1の指(親指)で黒鍵を弾くことになるんですが、こういった場合に、K子さんに限らずこのように弾いてしまう人が多いです。

ニュートラルなポジションで1の指だけ黒鍵に上げようとして、手がねじれてしまっています。

1の指や5の指での黒鍵を含む和音を弾くときは、まず自然な手のフォームを作り、その形のまま 1の指を黒鍵(この場合はF♯)に置けるまで手全体をスッと奥へ移動しましょう。

  

1.自然な手の形のまま→親指をF♯までもっていく。

2.ほかの指は鍵盤の奥の方へ入るので、その位置でG、Bの音を押さえる。

これで、びっくりするほど楽に和音を弾くことができます。意外に気づいていない人が多いので、お試しください。

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レベルアップの鍵(かぎ)は、指使いとフレージング

2021年01月22日 | 音符・楽譜・テクニック

Cちゃん(小3):

先週、「今年の課題」と称して「指番号を正しく弾く」と付せんに書いて貼り付けられたCちゃん。

今日のレッスン課題で、また指番号の間違い(というか無頓着)を指摘されました。

「この間『エリーゼ』の楽譜に『指番号』って付せん、貼ったよね?今日、また指番号が守れてないから、また貼っちゃうよ」と、テキストのページにも「指番号」の付せんが貼られました。

「指番号守らないと、毎回、こうやって全部のページに貼られちゃうよ!」と先生はオドシをかけました。

そのくらい、指番号は大事なのです。

付せんを貼られないように、早く指番号を丁寧に弾く習慣をつけましょう。

とはいえ、向学心旺盛なCちゃんは、先週、先生から教わった「フレーズ」の弾き方をよーく練習してきていました。

「エリーゼのために」冒頭部分のフレージング、歌詞をつけて頑張った成果がしっかり現れて、みごとに美しく弾けています。

また、左手の「ラミラ!」「ミミソ♯!」を弾く時に、指がスッ!と空中に舞う様(さま)は優雅。

よしっ、よくやった。

この調子だよ。

指番号、そしてフレーズ。これさえ気を付ければ、Cちゃんのピアノは名人級にうまくなること間違いなし。

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理想的な指のフォームは、関節が全部出てること。

2020年11月12日 | 音符・楽譜・テクニック

Kさん(大人・男性)

いつも、音階やアルペジオなどを軽く弾いて指慣らしをしてから、曲のレッスンに入りますが、その「エクササイズ」時間を使って、打鍵の仕方や指の形などの訓練を取り入れています。

ピアノを弾くとき、指の形は 第1、第2、第3の「全部の関節が出ている」のが良いフォームです。

けれど、初心者の人や小さいお子さんなどで、「関節が逆に入ってしまう」ケースがけっこうあります。

多いのは第1関節(一番指先の関節)が反ってしまう形、それと親指の付け根の関節がペコンと引っ込んでしまう、俗に言う「まむし指」です。

Kさんは、親指の関節はしっかりしていてとても良いのですが、気をつけていないと第1関節が折れてしまいがちです。

これを直す方法を、いくつかご紹介しますね。

1.  片方の手で「ゲンコツ」を作り、もう片方の手(矯正したい手)を、そのゲンコツを握るように、そっとかぶせます。

すると、ほら、かぶせている手は、全部の関節が出て、まあるいフォームのきれいな形ができていますね。

そうしたら、ゲンコツの手を、そーっと下に抜きます。矯正されてきれいな形を作った手はそのまま、形状記憶を保ちます。

手を変えて、同じようにまあるい形を作りましょう。

こうして、思いついた時に「ゲンコツを握る」ことで、手にフォームを覚えさせていきます。

 

2. 壁に向かって「指立て伏せ」の体制を取り、すこーし重みをかけてみます。この時、関節が折れないように。

すべての関節が出た、まーるいフォームの手を保ちながら、負荷を強めていきます。

上記のような方法で、根気よく理想の手を目指します。

手や指のフォームは一朝一夕には直りませんが、時間が空いたとき…たとえば 電車の待ち時間、湯船に浸かりながら、など暇があれば、地道に訓練を繰り返しましょう。

塵(ちり)も積もれば山となる。

石の上にも3年。

理想の音色が理想の手から紡がれる。

理想の音色を目指してがんばりましょう。

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チェルニー、装飾音符はどう弾く?

2020年10月10日 | 音符・楽譜・テクニック

Tさん(大人・男性):

「悲愴ソナタ」第一楽章、そして基礎テクニックのために「チェルニー30番」も併用してレッスンしています。

今回は「チェルニー17番」、装飾音符のテクニックのための練習曲です。

装飾音符=文字通り「飾り」の音符で、メインのメロディーラインではないんですが、その役割は重要で、かつ弾き方も何種類もあり、一概に「こう弾きます」とは言えないのが複雑なところです。

「チェルニー17番」に出ているのは、装飾音符の中でも「前打音」と言われている物の代表的な2種類です。

メインの音の前に小さく書かれているのが「前打音」なんですが、これを拍の頭に合わせて弾くか、それとも拍の頭はメインの音で合わせて、前打音はそのもひとつ前にはみ出させるか、という2種類の弾き方があります。

曲にもよりますが、昔の音楽=バロックとか古典とか、は前打音を拍の頭で合わせることが多く、近代〜現代は、メインの音を拍の頭で合わせ、前打音は前に出す、という弾き方がほとんどです。余程「バロック風」をねらった曲とかアレンジでない限り。

「チェルニー17番」の前打音では、メロディーの流れからして前に出して弾くのが妥当という解釈が主流です。(見出し画像の、赤いラインで合わせる弾き方)

一方、前打音を拍の頭で合わせるのは青いラインの弾き方で、この弾き方にすると、2つの前打音+メインの音、合わせて3つが「三連符」みたいになります。

Tさんは、この曲で2種類の弾き方、両方とも練習して、どちらも身につけたいそうです。

何という立派な心掛けでしょうね!

ヒバリが生徒だった頃には考えられない熱心さ…偉い。

Tさんは、また、メインの持ち曲である「悲愴第一楽章」も、最後まで弾いて、それも暗譜してありました。長い曲なのに素晴らしい。

本当に熱心で努力家なTさんですね!

「悲愴」も、いよいよまとまってきました。

完成が楽しみです。

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難しいパッセージの弾き方-ポイントは重心移動。

2020年10月08日 | 音符・楽譜・テクニック

Kさん(大人・男性):

発表会前なので、普段のテキストはしばらくお休みにして、この間から「サー・デューク」オンリーでレッスンしています。

でも、ま、いきなり曲を弾く前に、ちょっとは指慣らししておきましょうか。ってことで、音階とアルペジオを弾いてもらいました。

アルペジオは、ヒバリが何にも言わなくても、C、D、E、・・・とメジャーコード一通り、次にCm、Dm、Em・・・とマイナーコード、それからC7、D7、E7、・・・とスラスラ弾いて、コード感覚いいんだなーと感心しました。

このセンスで、早くいろんな曲をかっこよく弾いてもらいたいです。

さて、「サー・デューク」ですが、歌の部分はずいぶんいいノリになりました。

あと、やっぱりエンディングのピアノソロ・・・

ここが見せ場でもあり、同時に難関でもあり、どちらにしても鮮やかに弾きあげてほしいところです。

今日は、少しずつ区切って、それも最小単位のフレーズに区切って練習しました。

そのポイントは、「弾こうとするフレーズに、完全に重心を乗せて(移して)から弾く」ということです。

学習者の人は、どうしても「メロディーが途切れないように弾かなきゃ」と思って、重心が移動する前に無理してでも弾いてしまいがちで、それはあんまりよくないです。

考えてみて。

ダンス、スケート、サーフィン、バレーボールのトス、その他何でもそうなんですが、次のステップや動作に移るときは、その一歩前に、その動作をするための中心位置に重心を移しているはずなのです。

重心がきちんと乗る前に無理してステップしたりターンしたりしても成功はできないで転倒につながったりミスを招いたりします。

それと同じで、ピアノも、今弾こうとするフレーズの中心に手を移動し、重心を乗せてから、フレーズを弾きましょう。

重心を移すために、前のフレーズとの間にいっぱい間があいてもかまいません。練習なんだから。

そのかわり、今弾くフレーズは途中で止まらず、一息、ワン・アクションで弾かなければいけません。

そうして、ワン・アクションで弾けるようになったフレーズとフレーズを、少しずつ間隔をつめて繋いでいき、最終的に、フレーズ間を素早く移動してつなげられるようになったらOKです。

長いパッセージも、目まぐるしいスケールも、コレで必ず弾けるようになります。

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指づかいは大事 AGAIN

2020年10月06日 | 音符・楽譜・テクニック

K子さん(大人):

バッハの「イタリア協奏曲」を練習しています。

毎週のレッスンは、少しずつ区切って1ページくらいずつ集中して丁寧にやることとしていて、「自分で練習する時も毎回最初から最後まで弾くんじゃなく『今日のポイント』とか『今、この時間で直したいミスタッチ』とかをピンポイントでやってね」と言っています。

たまには全体を通して弾くこともOKですしもちろんそれも大事なんですが、いつもいつも必ず最初からばかり弾いていると、上手になった冒頭ばかりアップテンポで弾いて、新出の後半ページ、特に難しいテクニックが使われている部分はノロノロ・・・ということが起こってきます。

曲の統一がとれませんし、また、曲を弾いている途中で練習する癖がついてしまうのもよくないです。

K子さんにはそういう説明をしてあるので、今日、最初から弾いてもらったら、得意な冒頭もちゃんと後半に合わせたテンポで弾き始めていて、「わー、いいな!クォリティあがったな~」と思いました。

テンポだけではなく、音のタッチやパートの弾き分けなどもとても丁寧にできて、以前よりも数段バージョンアップされています。

メトロノームに合わせて練習したということなので、テンポの不安定さが改善され、それにつれて全体的にも余裕が出てきたのかなと思いました。

ただ、4ページ、5ページと進んで、16分音符の連続で長いスケールのパッセージを弾く時に、指番号が行き当たりばったりになってしまいます。

右手と左手、それぞれのスケールを、片手で弾いてもらうと、ちゃんと楽譜に書いてある番号で弾けているのに、いざ両手合わせて弾くと、音符を追うことに集中するあまり、指づかいは置き去り、になってしまっているようです。

先週、Cちゃんのレッスンの時に「指番号を守るように」という内容のBlogを書きましたが、それと同じことが、今K子さんにも当てはまります。

結局、みんなが陥る「あるある問題」なので、もう一度、ここに引用しておきます。

《 指番号を守らないと、指が足りなくなったり行き詰まったりで、結局その都度止まってしまうことになり、いつまでたっても曲がきれいに弾けません。
指番号は、単に次はどの音をひくか、という「ガイド」ではありません。
指番号ひとつで、曲の表現がガラッと変わったり、スピードが出せるようになったりします。
特に、ソナチネなど長いスケールのパッセージがある曲などは、指番号ひとつ間違えただけで命取りになります。
みんなも、楽譜についている指番号をよく見て、正しい指づかいで弾くようにしましょう。
その方が、絶対早く、きれいに仕上がるはずです。》

指番号を守って弾くのは最初はしんどいですが、勝手な指づかいで弾いていても必ずつまずくはずですし、ちゃんとした指に直すのに二度手間になってしまいます。

みんな、最初からちゃんとした指番号で弾くようにしようね。

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音符の棒(符尾)が上にも下にも?

2020年09月29日 | 音符・楽譜・テクニック

K子さん(大人):

バッハの「イタリア協奏曲」を練習しています。

すでに最後まで予習はしてあって音取りはできているのですが、レッスンは1回に1ページずつにしましょうという約束にしています。

バッハの曲は、それくらい丁寧に時間をかけて学習しないと、奥に隠された深いメッセージを見落として、表面的なものにしてしまう恐れがあるので…

そうは言っても、K子さん本当によく勉強、練習してして感心します。

一体いつの間に、こんなに練習する時間を捻出しているのでしょうか。

先週チェックした「3声部弾き分け」も、がんばって弾けるようになってました!

聞こえた聞こえた!声部それぞれの音が聞こえてきたよ!がんばりました!

そして今日はもう1つ、K子さんからの疑問…

「この『ド』は、どうして上にも下にも符尾(音符の棒)か付いているのかしら?」

「このド」とは、図の2小節目、左手の最初のドの音です。確かに上にも下にも棒が付いていますね。

これは2声部を表しているのです。

前の小節からの続き具合を見るともっとよく分かると思いますが、左手の上側のパート(赤いラインのメロディー)が ソドーシド、と歌い、いちばん下のパート(青いラインのメロディー)が ドミファソド、と歌う、その2つのパートが同一の五線上に書いてあるので、2小節目最初のドは、赤いラインのパートと青いラインのパート、合わせて2人の人が歌う音、ということになるのです。

音符はひとつだけど、音は2つ、2つのパートの人の音が出ていることをイメージして弾く、ということですね。

バッハなど、ポリフォニーの曲は特に、2つとか3つとか4つとかある旋律の横の流れを旋律として理解し、旋律の起点と終点を明確にすることがコツですよ〜。

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暗譜、時々楽譜を確認してね。

2020年09月18日 | 音符・楽譜・テクニック

Mちゃん(高1):

「悲愴」ソナタの第3楽章、「なんとか最後まで行けました」とレッスンに来ました。学校も忙しいのに感心です。

ここ何回かは 一番最後のエピソードから後をレッスンすることが多かったので、今日は久しぶりに初めから弾いてもらうことにしました。

「えっとー」Mちゃんは譜面台に楽譜を広げていきます。

「ここは…いい…こことここも…いいかな…」とページをめくっていき、

「ここから。」と、最後の2ページだけが見えるようにして楽譜を広げました。

「へ〜、もうこっちの方は覚えたんだ!?」

「あ、はい…一応…」

すごいね。よく練習してるんだ

さっそく弾いてもらいます。

テーマの部分、なるほど良くこなれてきて、手の動きもなめらかになってる。

最初の頃すっごく苦労したコラール風の部分、そしてその後に続く右手・左手の素早い掛け合いの部分も、ためらわず堂々と弾いていて、よく練習したんだなあ、と思いました。

さすがに、終盤部分は譜面を確かめながらゆっくり、となりましたが、この調子なら、本番までには余裕で仕上がりそうです。

だがしかし… ん?まてよ?

暗譜で弾いている前半部分に、ちらほらと違う音が混じってたんだよ。

「もう一度、最初から弾いてみてね。所々に『アレ?』の所があったよ」

じゃ、もう一度初めからね。

「待って!ここ、違うよ」「ここ!」「ここも!」

今度はその都度止めて、間違った所にチェック。最初のうちは赤エンピツで、そのうちポストイットで。

「初めはちゃんと弾けてたはずだけど、暗譜して何度も弾いてるうちに、独自のアレンジが加わってきたね?ww」

「私、全部独自かも(^_^;)」

いい演奏するために、暗譜は欠かせません。

暗譜すると、ピアノの音色がガラッと変わってきます。

誰かが書いた楽譜を読みながら弾いている音ではなく、まるで自分の心の底から湧き出てきた音のようになるのです。

でも、繰り返し弾いているうちに手が慣れて、楽譜を見なくていい状態になったのは、本当の暗譜ではありません。

楽譜をよーく見て、その奥底に息づいているメッセージを読み取り、自分の言葉(音)で表現してこその暗譜なのです。

曲を弾いていて「暗譜した」と思っても、時々楽譜を見直して「独自のアレンジ」をしていないか、確かめるようにしましょう。

「アレンジ」が固定してしまうと、なかなか直らなくなって後で大変なのでね…

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