HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

レッスンおさめ -かえでさん-

2008年12月26日 | レッスン日記(小中高生)
今日は 木枯らしが恐ろしいほどの強さで吹き荒れる、寒い日でした。
街のお店の看板が倒され、ヒバピーガーデンの植木鉢は倒れ、枯葉が狂ったように舞い散って、こんな日は一歩も外に出たくない・・・

そんな寒い夕方、かえでさんが今年最後のレッスンに来ました。

クリスマスコンサートで燃え尽きて、弾く曲もなし、こんな寒い日はあったかいお茶に限る!
ヒバリは大きなマグカップに、熱々のアールグレイのミルクティを煎れてレッスン室に運びました。
「タルト買ってきたの。食べよう!」
かえではタルトのお土産を持ってきてくれて、たちまちレッスン室はティーサロンに。
今年は、かえでにとってもヒバリにとっても、今までにないほど充実した、幸せいっぱいの1年間でした。
それぞれ、保育士試験に合格したり、タップダンスの初舞台を踏んだりと、努力も実ったし、プライベートでも喜びが多く、二人とも公私ともに大変充実した「節目」とも言えるような年だったことを、喜び合っていたのでした。
それなのに、クリスマスコンサート直前のかえでのレッスンの時、私たち二人が共通に 心から信頼していた恩師Y先生の訃報が届いて、幸せばかりだった2008年は一転、最後に壮絶な悲しみが加わって、忘れられない年となったのでした。

かえでとヒバリは、ミルクティを飲みながら、しみじみと語り合いました。
この間終えた「チャティー・クリスマスコンサート」のこと、そしてその時に二人で演じた 朗読とピアノのコラボレーション「美女と野獣」のこと・・・

バラの花をキーワードとし、生命をかけた美しい真心をテーマとした「美女と野獣」の物語に、尊敬するY先生の思い出がオーバーラップし、今年、私たち二人がこの物語を選んだのは、偶然ではなく、Y先生が選ばせてくれたのに違いないという気がしてくるのでした。
また、かえでがピアノソロで弾いた「ア・ソング・フォー・ユー」は 偶然にもY先生へのレクイエムとなりました。
そして、コーラス「ハモプリ」で歌った「ピース・オン・アース」・・・
「地球上の子どもたちみんなが平和な世界で暮らせるように」という、この歌のテーマは、今思えば、生涯を子どもたちの幸せのために過ごしたY先生の願いそのものなのでした。
これらの曲がみんな、今年のクリスマスコンサートに集約してる。これって・・・

「きっと、おじさん(Y先生は自ら"たんぽぽ文庫のおじさん"と名乗っていたので)が、全部仕掛けといたんだよ。チャティーで演奏するようにって」
「おじさんったら・・・いっぱい『仕掛け』してたんだね・・・」
ふふ、と、私たちは初めて笑いました。
天国から、「わかった?」と いたずらっぽく笑ってる、おじさんの顔が見えたような気がしました。
私たち二人は、このとき同時に、「自分たちは微力だけれども、これからはおじさんの遺志を引き継いで、子どもたちの幸せのためにがんばっていこう」と決意したのでした。