日が当たらなくなって昆虫が去ったあとに,昆虫が訪れました。 それはトリバガ科のオダマキトリバです。どんな漢字が当てはめてあるのかなと思って調べると,「苧環鳥羽蛾」とありました。「オダマキ(苧環)」なる文字を冠しているということは,これとの共通性があることを物語っています。しかしわたしにはわかりません。
とまった姿が十字型,関節から長い棘が出た脚,翅と胴が同じ配色。グライダーの格好をしたこの昆虫,誰だって一度見たら忘れられないでしょう。めずらしいガではないようですが,よく見かけるといった種でもありません。
ヒメジョオンやヨメナなど,キク科の花を中心に吸蜜行動が旺盛とのこと。白菊では,蜜源に口吻を入れていただけでなく,花弁に付いた甘みの成分をも吸い始めました。
時折口吻を巻き戻したり,伸ばしたり。偶然のタイミングで下写真を撮ることができました。
このスタイルで都合のよいことって,いったいどんな点? そしてどんな生態なのか,すこし気になってきました。今もって,越冬態がわかっていないとか。
昼行性でありながら,時には夜間灯火にやって来ることもあるといいます。昼間,たくさんの昆虫がいる餌場は敬遠して,少なくなる頃に出現するということでしょうか。それなら,棲み分けが成り立っていることになります。
誠にゆかいな昆虫です。