自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

白菊と訪花昆虫(5)

2012-12-01 | 昆虫と花

日が当たらなくなって昆虫が去ったあとに,昆虫が訪れました。 それはトリバガ科のオダマキトリバです。どんな漢字が当てはめてあるのかなと思って調べると,「苧環鳥羽蛾」とありました。「オダマキ(苧環)」なる文字を冠しているということは,これとの共通性があることを物語っています。しかしわたしにはわかりません。

とまった姿が十字型,関節から長い棘が出た脚,翅と胴が同じ配色。グライダーの格好をしたこの昆虫,誰だって一度見たら忘れられないでしょう。めずらしいガではないようですが,よく見かけるといった種でもありません。

ヒメジョオンやヨメナなど,キク科の花を中心に吸蜜行動が旺盛とのこと。白菊では,蜜源に口吻を入れていただけでなく,花弁に付いた甘みの成分をも吸い始めました。 

時折口吻を巻き戻したり,伸ばしたり。偶然のタイミングで下写真を撮ることができました。 

このスタイルで都合のよいことって,いったいどんな点? そしてどんな生態なのか,すこし気になってきました。今もって,越冬態がわかっていないとか。

昼行性でありながら,時には夜間灯火にやって来ることもあるといいます。昼間,たくさんの昆虫がいる餌場は敬遠して,少なくなる頃に出現するということでしょうか。それなら,棲み分けが成り立っていることになります。

誠にゆかいな昆虫です。

 


サザンカを訪れた虫たち(続)

2012-12-01 | 昆虫と花

白い花弁に囲まれて,林立する蕊。虫たちは白さに引かれて,中央に位置する花粉と蜜を探し求めて訪れます。これは学習した結果として感覚器に刻まれているのでしょう。その方向感覚の確かさにはすっかり驚いてしまいます。

ツマグロキンバエがメシベの付け根に分け入って,蜜を吸うのに熱中していました。蜜の甘い成分が白く輝いています。そこに口吻が伸びています。

キンバエを写していると,突然クロスズメバチが降り立ちました。あまりの急さにびっくり! 他の花で付けたのでしょう,からだには花粉がたくさん。こういうシャッターチャンスはめったにありません。 

蕊に取り付くと,すぐに蜜のありかに口を差し込んでいきました。そうして,すぐに飛び去りました。 

やっぱり,関心を向けていると何かすてきなプレゼントがあるものだなあとうれしくなりました。

白いサザンカに続いて,まもなく赤いサザンカが咲き出します。