勤務施設で計画した子ども向けのサイエンス教室で講師を務めました。テーマは『万華鏡を作ろう』です。
今回の作品は,先にビー玉を付けたタイプです。ビー玉といっても,直径25mmの本格的なガラス球です。チラシで募ったら,4人が申し込みました。田舎の子に,科学とのすてきな出合いをプレゼントしたいと思っているので,ほんの4人でも,わたしにはたいせつな教室生でした。この教室には中学生ボランティアが二人参加してくれました。
教室の流れは以下のとおりです。
1 万華鏡について大雑把に知る。
- 「万華鏡」ということば,作った経験やしくみについての知識を確認。
- 万華鏡を覘く。(自作品,職人作品)
- 大きな鏡1枚,2枚を使ったときの見え方
2 入っている鏡について考える。
- 入っている枚数の予想
3 万華鏡に入れる塩ビミラー板をつなぐ。
- 3枚(1枚の大きさは2cm×19cm)
4 筒に鏡を入れて,観察する。
- いろんなものを見る。
- ビー玉を付けて見る。
5 本体を完成させる。
- キャップ
- ビー玉の固定
- 筒の模様
6 覗いて遊ぶ
- ひとこと感想も。
4人とも筒の中を見た経験がありませんでした。なのに,鏡の数を2枚,3枚,4枚,6枚と思いのほか少なく予想したのは,前段階で鏡を覗いたことによると思われます。それでも,「たった3枚なのに,なぜあんなにたくさんのものが見えるの?」と聞かれました。わたしは,「それが鏡のふしぎだ。光のふしぎだ」とだけ答えておきました。
筒は紙製。職員が日頃から心得てストックしておいた材料です。内径は25mm。長さを20cmにしました。他の材料はそれぞれ市販品を買いました。参加費は100円に抑えています。
行政からは「消耗品等の購入は町内業者に限る」といわれているので,肝心なミラー板とかビー玉とかは自費で町外で買うしかありません(ネット通販!)。特殊な品は,安価なものであってもなかなか手に入りません。それで困るなら,万華鏡は作る必要なしというわけです。その制約によって,極力公費支出を抑える歯止め効果となってきただなんて! いかにも杓子定規な話です。
それはともかくとして,2時間後,りっぱに「世界で一つだけのわたしの万華鏡」が完成しました。それぞれに自分の工夫がありました。子どもたちは大喜び。わたしたちも同じです。
感想文のなかに次の一文があって,職員としてもわくわく。「すごく不思議で,わくわくした」(4年),「きれいにできて,よかったです」(1年)。充実感をプレゼントできました。こんなわけで次回は,2月に別のタイプの万華鏡を作る計画を立てています。