自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

親子栽培体験農園の収穫

2012-12-28 | 日記

古い話で11月のこと。親子栽培体験事業の一環としてダイコンの収穫をしました。よくできて,5家族は大いに満足されました。世話をしているわたしたちとしても,うれしさを味わえるひとときになりました。

こういう収穫行事のとき,せっかくなので何かひとつ印象に残る話をしたいと思うのはいつものこと。ダイコンの根にちなむ話を3つすることにしました。9月に植えた種がほんの50日のうちに驚くほど生長し,種の重さと比べ乾燥重量に換算して5000倍にもなっているという話,ダイコンの根は太い根全体ではないという話,それから,側根の出方に規則性があるという話,です。

その内の側根の話から。

4つの図を提示しました。①は側根なし,②は根の先付近に少しある,③は根の周り全体に広がっている,④は一列に根が並んでいる,というものでした。5人の子どもは全員が③。おとなは3人でしたが,「そんなこと思って見たこともなかったなあ」などとつぶやきながら結果は誤答。結局正解はありませんでした。正解は④で,180°反対側にも行儀よく並んでいます。側根の付いたところには小さな小さな窪みがあります。スーパーの売り場なら,側根がなくても窪みの並び方で想像できます。

「なぜそんなところに,行儀よく並んでいるの?」と尋ねても,ダイコンは答えてくれません。それが進化の結果なのです。ふしぎですが,そうなのです。

ただ,地上に出た青首部分には側根はまったくありません(下写真)。理由は簡単。そこは根でなく胚軸(茎の一部)が太った部分だからです。胚軸は,カイワレダイコンでいえば,双葉の下にある細長い軸のことです。この胚軸から直接側根が生えることはありません。したがって,上の写真では白い部分が根なのです。

「こんなことを知って,それがどうしたの?」なんていわないでください。知らないより知った方が,「へぇー!」と思うこころが刺激され少しだけ楽しくなるだけの話です。話のネタです。