自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

とんどに備えて発火法を伝授

2012-12-26 | 日記

12月25日(火)。小雪がちらつく寒い一日になりました。近くの小学校5年生Hさん(男児)に来てもらって,マイギリ式発火法を伝授しました。

簡単に言うと,こうです。例年集落の伝統行事であるとんどで,点火用の炎をつくるのはわたしの役割でした。年によっては子どもとわたしでつくることもありました。発火法は年によって異なっていましたが,儀式であるという趣旨を踏まえてふつうはマイギリ式を採用していました。

もうずいぶんわたし中心にやって来たので,そろそろ子どもをはっきり主役にした方がいいのではではないかと感じていました。それで過日の実行委員会で提案し,了承を得ました。むらが元気になるためにも,子どもの出番をつくるのがとてもたいせつだと思うのです。それが舞台裏にいるおとなとしての配慮でもあります。

Hさんに「どれぐらいで火が起こると思う?」と尋ねると,「10分程かな。20分程かな」と答えました。彼は,これまでこうして火を起こした経験はないということでした。

はじめに,ポイントを解説しながら,炎にするまでの手順を示しました。彼は「意外に簡単や」とつぶやいていました。さて,結果は?

いちばんのポイントは火キリ棒の中心がぶれることなく滑らかに回転すること,火キリ臼と呼ばれる窪みから,棒の先端が外れることなく最後まで回転し続けること,の二点に尽きます。

それで,その練習をしばらくしてもらいました。

いよいよ挑戦です。ポイントを押さえて作業がうまくいくようになると,たちまち煙が出始めました。しかし,1回目は火種ができませんでした。

2回目。今度は,摩擦力が大きくなって来たときに回転が鈍り始めました。わたしが手を添えて成功。彼の力では,最後の段階で短距離走を走り抜くような瞬発力がいるようです。「50mを走る気持ちかな」と助言。

3回目。モグサ・アサを使って,火種から完全に炎にできました。もちろん,彼だけの力で。

「とても簡単なのでびっくりしました」と言っていました。まあ,3分程度で炎になったのではないでしょうか。わたしの手助けがなくても,できました。おめでとうの印に握手。

行事日は1月13日。今から緊張してもらっては申し訳ないので,「万一の場合はわたしが手を貸すからね」「一人でやれたら,みんなに感心してもらえる。ハッピーな年になれること間違いなし」と伝えておきました。

とんどがたのしみです。

(注)写真は本文とは関係ありません。小雪の舞うウォーキング道です。