自宅脇を流れる排水路の水溜りで魚が群れている箇所があります。そこは一定の流入水があるので,四季をとおして水が干上がることはありません。
魚種を確認しておこうと思って網を入れました。カワモツやタモロコ,ウグイといった魚が網に入りました。魚以外ではカワエビがたくさん。それはごくふつうの生態系なのですが,メダカがいたことは驚きでした。
この水溜りの下流に枯れ草や泥が溜まり,水の流れが止められたところがあります。そこにも魚の気配がしたものですから,網を入れました。今度はメダカがたくさん入りました。これにはもっとびっくりしました。
コンクリートの排水路にメダカが生息しているとは!
さて,わたしがふしぎなのは,このメダカがどこで生まれたかです。ここなら,すごいことです。土砂を取り除いて流れをよくすると,とてもじゃありませんが,メダカがくらす環境は維持できないでしょう。毎年5月には,「溝掃除」と称して村中できれいにするのが慣例になっています。それを考えると,どこからか流れてきた可能性が強いと思っています。
この発見で思うのは,まだまだメダカの生息できる環境が残っている,しかし,どんどん追いやられてどこかで細々としか生きていないような実に頼りない環境だという点です。失うのはあっという間の出来事です。その後の環境についての思索がなくって,「昔はメダカがたくさんいたなあ」と会話だけで懐かしむ,人間の浅はかさです。