自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

サザンカ,夜の訪問虫

2012-12-02 | 昆虫と花

夜,サザンカの花に昆虫が来ていないか,確かめました。やはり来て,吸蜜中でした。近づいても,けっして逃げません。吸蜜をやめることもありません。他の昆虫がいないときに活動する夜行性の昆虫なのでしょう。

名はノコメトガリキリガ。ヤガ科のガです。晩秋に発生するありふれたガのようです。翅の直線二本と,それに挟まれた丸型の線紋様が特徴的です。

ノコメトガリキリガの幼虫の食餌植物はバラ科のサクラ,モモ,ボケなど,またツバキ科のツバキなどということです。サザンカはツバキ科なので,成虫にもお馴染みなのかもしれません。

吸蜜の様子を撮っていて,納得したことがありました。口吻を見ると,二本の管が左右にくっ付いたかたちになっていることです。

拡大してみましょう。 

確かに管は分かれています。しかし,バラバラに動くのでなくくっ付いたように揃って動いているようです。

これとそっくりの口吻を見て驚いたのは,誕生したばかりのジャコウアゲハの成虫を見たときでした。てっきり単純に一本の口吻だと思っていたのに,二本だったのです。先が分かれて別々に動いているのを見たときはさらにびっくりしました。

吸蜜の効率を高めるためか,たとえ一本だダメージを受けてももう一本で対応できるようにするためか,それとも? そんなふしぎを感じたのでした。

ノコメトガリキリガの場合はどうなのか気になりますが,進化の道筋からいえば,同じと考えるのが順当のはず。

しかし,さらにふしぎなのは,口吻をもった多くの昆虫を見ていても,必ずしも口吻が二本あるようには見えないことです。観察のしかたがまだまだ甘いのでしょうか。この夜の観察で,気になりかけました。

 


白菊と訪花昆虫(6)

2012-12-02 | 昆虫と花

日が傾いて,キクがすっぽり陰に入ると,昆虫たちはどんどん姿を消していきました。その変わりようには驚きました。

そこに現れたのが ガガンボの仲間。大型のカに姿・かたちがそっくり。眼の収まる頭が,胸から前に大きく飛び出した体型です。その先に,鋭く尖った口吻が付いています。長い,長い。どうやらヒメクチナガガガンボ(姫口長大蚊)のようなのですが。

ビックリするほど長い脚をバネのように使って,からだ全体を前後に小刻みに動かします。何度か繰り返した後,口吻をサッと花に差し込みました。いったん蜜を吸い始めると,静止した姿勢のまま。動きが実にゆっくりしているのです。 けっして逃げようとしません。

いつまでもじっと吸蜜に熱中しているので,撮影後,そのままその場を離れました。