自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ヘビの抜け殻,あちこち

2012-12-27 | 生物

“あちこち”といえば,方々というふうに聞こえます。そのとおり,あっちにもこっちにも,なのです。こんな感じで,たくさんのヘビの抜け殻を見たのは初めてです。へビの姿を見かけなくなったといわれる今,たいへんめずらしいことかと思われます。

まずは,その写真をご覧ください。

場所は用水路脇の石垣。穴が開いていたり,草が適当に生えていたりします。もちろん,ほとんど枯れてはいますが。

ほんの一坪ほどの範囲に,抜け殻が6つも! 殻からみると,どうやらシマヘビかアオダイショウのようですが,棲息数の現況から考えると,たぶんシマヘビでしょう。マムシの殻はありませんでした。

なぜここにこんなに殻があるかといえば,もちろんたくさんのヘビが棲んでいるからとしか言いようがありません。けっして二匹とか三匹といった数ではないでしょう。では,なぜたくさん棲んでいるのかといえば,たぶん棲み心地がいいからでしょう。さらに,なぜ棲み心地がいいのかという問いには,「都合のよい棲み処があり,獲物が口に入りやすいからね」と,ヘビなら答えるのではないでしょうか。

つまり,複数のヘビが共存していく環境が整っているということなのです。

ほどほどの湿気,ほどほどの草,潜み込める穴倉,たっぷりの獲物。条件は最高! 草が適当にあれば脱皮で利用できます。草とコンクリートに覆われたところなら,湿りと乾きが適当に保障されています。用水路の脇なら,カエルがいくらでもいます。バッタやコオロギだって,たっぷりいそうなところです。

ヘビの皮から,その生態を連想をしてみる,そのくらしと自然環境をつないで考えてみる,そんな作業もまた意味のあることかと思います。

そして,こんなに自然が残っている場所が今もあることに感嘆するのです。