タンポポの花に,大きな幼虫が付いていました。近寄って確かめると,花を食べていました。
体長は5cm。体色は緑を基調にして,白い紋が行儀よく列になって並んでいます。その紋は黒い縁取りがあります。さらに,体側には橙色の太めの線が,節毎に途切れ途切れにあって,その下には白い線がずうっと続いています。
この特徴を拠り所にして検索した結果,アヤモクメキリガの幼虫とわかりました。鱗翅目ヤガ科セダカモクメ亜科に属するガの仲間です。
これだけ派手なのは,たぶん警告色だからでしょう。敢えて目立つ色合いをして,外敵から身を守る戦略かと思われます。
結局,タンポポはずいぶん食べられていました。この幼虫は,食草の幅が広くて,その他スイバ,ダイズ,ユリ,ジャガイモ,ネギなど多岐にわたっているようです。食樹もあって,サクラの葉も食するとか。
これだけ適応性があるということは,生存に有利だということでもあります。
眼が半円を描くように並んでいます。丈夫な顎をもっています。食欲を支えるための消化器官・感覚器官が整っている一端が窺えます。
このあとの生態なのですが,夏前には地中で前蛹になり,秋を迎えてようやく蛹化すると解説されています。そして11 月に羽化し,成虫で越冬するという話です。つまり,今はもりもり食べなくてはならない時期だというわけです。