庭でしごとをしていると,トンボが枯れ竹にとまっていました。じっとしていて逃げる気配はありません。どうやらシオカラトンボです。
トンボのはしりものです。「これはすてきな被写体になってくれそう!」とすっかりうれしくなって,早速写真に収めることにしました。撮影の準備をしている間も,じっとしています。写しているときに思ったのですが,間違いなくメスだろうと直感したものの,あとで調べてみると未成熟なオスでした。オスが成熟すると青色っぽい腹になります。しかし,この日に見た個体の腹は黄色地に黒い紋様,腹の先が二股に分かれていました。まさにオスの特徴です。
竹でじっとしているトンボの複眼を撮りました。個眼がきれいに並んでいます。昆虫のなかでもとりわけ多く,1万~2万もあるといいます。道理で,飛翔しながらすばやく獲物を捕らえるはずです。
頭のほとんどが,複眼の器ですっぽり覆われています。
からだ全体のバランスからみても,眼が相当に大きなことがわかります。胸には4枚の翅が付いています。それを動かすのは,もちろんそこにしまい込まれた強力な筋肉です。
写していると,舞い上がりました。しかし,ふしぎなことにすぐ近くに舞い戻ってきて,とまるのです。警戒心はほとんどないようで,一度はわたしの肩にとまりました。やはり,羽化後間もないのでしょう。
肢に生えた棘状の毛は,なんとりっぱなのでしょう。これで獲物をつかんで放さないのです。捕まった獲物はたとえじたばたしようとも逃げられません。
また舞い上がって,絶好の場所に降りました。頭に生えた毛も詳細に確認できます。
やはり頭部は生きるうえでの司令塔なのです。バリバリ獲物を食する場面を,自然界で写せたらこれはまたスゴイ一コマになるはずです。その夢が実現するでしょうか。これからいよいよトンボの季節が始まります。