自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ジャコウアゲハ観察記(その218)

2013-05-21 | ジャコウアゲハ

観察シリーズ(その212)でご紹介した一鉢の卵総数調査を,別の鉢でもやってみました。なぜそんなことを繰り返したかといいますと,食草がまだ背の低い段階にもかかわらず,そこに卵がたくさん産み付けられていたからです。一言でいえば,異様な様子ですらありました。

下写真を見てください。A,B,Cはそれぞれ別の株です。A,Cからはそれぞれ二本の茎が伸びています。高さ及び葉の数は次のとおりです。

  • A株……18cm・5枚  10cm・4枚
  • B株…… 5cm・4枚
  • C株…… 3cm・3枚   3cm・3枚

最初にA株を調べました。下写真のように葉の裏に,たくさんの卵が付いています。26個(うち茎に1個) と幼虫1個体(今春の目撃第一号!)でした。

次にB株を調べました。21個で,すべて葉の裏側です。 

ここでもまた,二段に産み付けられた卵を見ました。上写真に写った卵のうち,最上部のものがそれです。これだけかためて産むと,重なる偶然が生じやすいのでしょう。 

 

産卵時の姿を思い浮かべると,どんなに背の低い草であれ,アゲハは必死で産卵場所を探しています。食草があれば,「しめた!」と感じるのでしょう。とにかくその場所に産み付けるのです。

話がそれました。元に戻しましょう。最後はC株です。そこには卵はありませんでした。

結局,卵の総計は47個,幼虫1個体になります。わたしにはとてつもない数値に思えてきます。“卵口”密度が極端に高く,ひしめき合っている感じです。 この鉢で幼虫全部を養えたらいいのですが,こんな葉の量はありません。これからも期待できません。ふつうなら,孵化しても餓死する幼虫がかなり出てくるでしょう。放置していれば必然的に自然淘汰が始まります。

わたしにできる対応は一つ。やはり棲息地に移すのがよさそうです。 

 


キアゲハ,ハナウドに産卵(孵化後 ~その3~)

2013-05-21 | キアゲハ

キアゲハの幼虫写真を撮っていたときです。尾脚,つまり肛門辺りを上にぴょんと上げました。おかしなことをするなあと思った瞬間,塊りが見えました。糞に違いありません。

しかし,咄嗟の出来事だったので,そこにピントを合わせることを忘れてとにかくシャッターを押しておこうと思ったのでした。今振り返ってみれば,惜しいチャンスを逃しました。なにしろ,大した踏ん張りように見えましたから。

糞が排出されてから,それにピントを合わせ,証拠写真として残しました。幼虫自身は,とてもすっきりした気分になっていることでしょう。

水分がしっかりある様子がうかがえます。乾けば,コロコロした小さな粒です。机の上にはそれがぱらぱらと落ちています。にもかかわらず,排泄される瞬間と出合うためには偶然を待つしかありません。それをひたすら待つには相当なエネルギーを要します。

貴重な瞬間でした。