自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ナナホシテントウの幼虫(1)

2013-05-25 | 昆虫

勤務施設で実施している親子野菜づくり体験でのこと。ジャガイモがよく育っていて,葉にいるテントウムシ(幼虫も)が目に付きます。それを目敏く見つけた子がいます。そのときの一コマです。

子 どうしてここに,幼虫が何匹もいるんだろう。

わたし そりゃ,食べるものがあるからじゃないの?

子 だったら,なにを食べるの? 葉っぱ?

わたし テントウムシの親はなにを食べる?

子 えっと,葉かな?

子 アブラムシじゃないかな。

子 そうだ! 教科書に載っていたっけ! アブラムシだった。

わたし じゃ,この幼虫はなにを食べるんだろうか。

子 葉でしょ。

子 アブラムシ?

わたし 親と子,つまり親も幼虫も同じ食べ物を食べると考えるのがふつうなんだよ。どちらも,こんな(手で格好をして)牙を持っているんだ。

子 わぁー! 

子 ほんまや。ジャガイモの葉にアブラムシがおる!

キハゲハの卵を目撃したハナウドにも,テントウムシの幼虫が目立ちます。それも,そこにはアブラムシがたくさんいるからです。晴れた日,カメラを持って観察に出かけました。至近距離から写したのが下の写真です。鎧状の殻を付けた幼虫が,異様にたくましく見えます。

前から見ると,発達した顎がいかにも恐ろしく見えます。前肢の格好からは威厳のような雰囲気さえ伝わってきます。 

これを一度見れば,テントウムシの幼虫は草を食べているとは思えないでしょう。幼虫は,葉や茎にいるアブラムシを漁って,貪り食っているのです。 

 


ジャコウアゲハ観察記(その222)

2013-05-25 | ジャコウアゲハ

5月17日(金)。

次々と幼虫が生まれます。せっかくなので,孵化の瞬間を画像に残そうと思いました。その場面はこれまでにも撮ったのですが,今回は超至近距離からの接写にしようと思ったのです。使ったレンズはマクロ105mm。それに2倍テレコンバーターを組み合わせました。

これまでの経験から,孵化間近な卵の見当をつけます。外見から,おおよそ孵化の時間帯の読みはできます。たくさんの卵がありますから,たいへん探しやすくって助かります。一つ,二つ候補を見定め,カメラをセットして待ちました。

しばらくすると,そのうちの一個に小さな穴が開きました。卵の側面に,黒いものが見えたのでそれとわかりました(写真中の矢印)。そこで,この卵の変化を追うことに決めました。午後1時14分です。

午後2時54分。40分かかってようやく頭部が見えるまでになりました。その間,ゆっくりゆっくりした動作が続きました。

午後2時56分。やっと頭を外に出しました。

午後2時59分。3分後,初々しい色をした幼虫の誕生! 

穴が見えてから,からだが完全に出てしまうまで,2時間かかりました。ほんとうに慎重な穴開け作業でした。

このあと,幼虫は殻を食べ始めました。中から殻を食べて穴を開ける,出たあと残りの殻を食べる,この一連の動きは遺伝情報として組み込まれた習性なのでしょう。