家ではジャコウアゲハが盛んに産卵しているのに対して,集落内の最大棲息地の方は今はさっぱりダメです。理由は簡単。農家の手で,食草ウマノスズクサが生えている辺りの道・土手の草が代わる代わる刈り取られるためです。こうなると,卵を産み付ける場所がありません。
越冬した蛹も少なかったのですが,成虫のなんと少なかったこと! 結局,ジャコウアゲハの天敵中最大のものは人であることがよくわかります。もっとも,草刈りをする当人にはアゲハの存在など頭にはないのですが……。
このままではまったくいなくなるのではないかと心配になってきました。それで,刈り取られた場所の食草を確認していきました。草の間から,ひょろひょろっと伸びている茎が何本か見つかりました。もちろんウマノスズクサです。葉の裏を見ていきました。すると,皆無というわけではなく,数個程度はあちこちで見つかりました。
結局,アゲハが産卵に訪れたことはまちがいありません。しかし,この日は個体は見かけませんでした。やむを得ません。
上写真の中で,いちばん手前に移った蔓はウマノスズクサです。草刈りの時期がずれているために,中にはこのように伸びた茎もあるのです。この茎で,思いがけない風景を見かけることになります。それについては次回に書くことにします。