アゲハ類は食欲旺盛です。ただ,ずっと食べているわけではなく,食べる→休む→食べる→……,というサイクルがきちんとしているように思えます。静かにしている時間がかなり長いのです。
さて,キハゲハの育つハナウドには,意外とテントウムシが多いことに気づきました。幼虫も成虫もいます。多いのは,もちろん餌となるアブラムシがその辺りにたくさんいるからなのです。
先日は羽化直後の成虫を見ました。偶然の目撃でしたが,それだけ変態する場面が多いということでしょう。こんな出合いはいいものです。
テントウムシが多いと,キアゲハの幼虫と遭遇することもあるでしょう。じつは,同じ葉のすぐ近くにこの二つが居合わせたことがあります。大食漢のアゲハ幼虫と,静止状態のテントウムシの蛹。どうなるか確かめようと思って,葉柄の根元から折って持ち帰りました。それをコップに入れておいて観察したのです。
結果は以下のようになりました。葉を相当食べていますが,テントウムシのところは避けているように思われます。
葉の下の部分を食べています。そうして,また元の位置に戻って静止していました。
数時間後,葉の右や下の部分を食べて移動していました。
キアゲハに思いやりがあるかどうか,それはわかりませんが,異物として認識でき,その箇所を避けていることは確かです。