自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ジャコウアゲハ観察記(その207)

2013-05-09 | ジャコウアゲハ

ジャコウアゲハが盛んに産卵をしています。人への警戒心はまったくありません。わたしがいても,すぐ周りを舞います。からだスレスレに近寄ってきます。それで,傍に寄って写真を撮るのも容易です。 

地面近くの葉に,例の格好で産み付けます。 

卵が出てくる瞬間も,ちゃんと観察できます。 

からだを思いっきり曲げて,葉の裏側に産み付けます。一粒のときもあり,複数のときもあります。  

3個目を生み付けた瞬間を撮影しました。 

また別の個体を見てみましょう。まさに今,葉につけ終わったばかり。 

ここで一息を付いて……。 

2個目を産みます。とてもエネルギーを要する動きでしょう。アゲハにとってのお産なのです。 

使ったのはコンデジ。画像がすべて同じ箇所で褐色を帯びているのは,どうやらレンズの汚れのせいだったようです。 

ウマノスズクサの生長が,天候不順のせいか遅れ気味です。卵がみんな孵化すると,どうなるやら。すべてが羽化するまでの食欲を満たす量は,たぶん,いや絶対にありません。自然淘汰によって個体数が減るのを待つか,適当に棲息地に放すか,どちらかです。もちろん,できるだけ放したいのですが,そこでも同じことが起きるので困ってしまいます。

 


キアゲハ,ハナウドに産卵(6日後,そして9日,10日後)

2013-05-09 | キアゲハ

6日後。淡い褐色部分が多少濃くなってきた感じがします。

そして産卵後9日が経過。早朝6時に見ると,随分黒っぽくなっていました。これは,中の幼虫の体色が透き通って見えるからです。間もなく誕生を迎えるでしょう。

2時間後の午前8時。すでに孵化したあとでした。卵から出た幼虫は黒々しています。殻を食べている最中でした。眼も顎もきちんと備わっています。いのちの誕生は,たとえ虫であれ,息を飲む驚きを伴ないます。産卵後9日が経過して,いのちが外気と出合った瞬間です。

9日間というのは時期によって異なってくるでしょうから,当てにはなりません。

あと二つの卵の様子を見ると,すこし時間がずれながらも,同じこの日に誕生する感じです。それで一方の卵にカメラをセットし,誕生の一瞬を待ちました。

 

体内の様子がすこし伝わってきます。からだが丸まって入っている様子,背の模様,それにときどきからだを動かす姿,それらが手に取るように感じとれます。しかし,一向に出てくる気配はしません。そのうちにどんどん時間が経っていきました。

残りもう一つも同じように孵化間近のようです。この日の午後3時に「お先に失礼!」という感じで孵化。

カメラを据えた個体は10日目に入る午後4時,変化なし。夕方を迎えても依然として孵化の兆候が見えません。結局,午後10時30分に孵化したのです。このとき,産卵から数えて10日と6時間30分が経過していました。朝の10時頃から12時間待ち構えていた頑張りが報われました。

満を持しての誕生,です。からだを覆う毛を見ると,一齢幼虫ながらさすがに貫禄十分といったところ。

出たあと,殻から離れることなく,すぐにそれを食べ始めました。生まれて最初の食餌は,親が準備しておいた殻なのです。

卵から頭が覗く瞬間は,いつも感動的です。新しいいのちとの出合いは,いつも気分を晴れやかにしてくれます。この日もまた,そうでした。